2009/04/02(木)08:19
連載完結:邪馬台国・朝鮮半島説まとめ
邪馬台国・朝鮮半島説における[倭国の所在地]に関する論証ポイントを4つ
挙げてみます。
1 古朝鮮は列水流域にあり、列水は遼東半島にあった。
「朝鮮に湿水・洌水・汕水あり、三水は合して洌水となる。」『史記集解』
「列は水の名、列水は遼東に在り。」『後漢書郡国志』
※遼東=今日の中国遼寧省東部
「列口は県名なり。列水の河口は遼東に在り。」『資治通鑑』の「漢記」
>これらの条件を満たす河川はひとつしかない。すなわち、中国遼寧東部を流れる
「太子河」である。よって、古代朝鮮もこの河川流域に存在した古代国家だった。
2 楽浪郡は元は古朝鮮だった。それは遼東半島にあった。
「楽浪は郡。もとの朝鮮国なり。遼東に在り。」『後漢書巻一光武帝紀』
「朝鮮、音は潮仙。国は遼東に在り。」『十八史略巻之二漢孝武帝三十七』
楽浪郡が統括した県の名に「朝鮮・列口・帯方…」がある。『漢書地理志第八』
「漢の武帝の元封三年、朝鮮を滅し分ちて楽浪・玄菟・臨屯・眞番四郡を置く。即ち
今の奉省南蓋平・海城・復州等処に在り。」『長白征存録』
※奉省=今の遼寧省遼河以東渾江以西、南蓋平=今の蓋県
「奉天府の東南は、遼東・楽浪・玄菟三郡、及び朝鮮の地なり。」
『大清一統志巻五十七盛京統部表』 ※奉天府=今の遼寧省瀋陽市
3 帯方郡は遼寧省東部方面に存在した。
「帯方県を按ずるに、疑うらくは、亦、今の省境に在り。」『奉天通志巻五十三沿革志』
※帯方県=帯方郡帯方県、省=奉天省=今の遼寧省東部方面
「帯方は列口県に有り。」『山海経巻十二・海内北経』
4 楽浪・帯方の南に韓国があり、韓国の南に倭がある。
「韓に三種あり、一に馬韓と曰い、二に辰韓と曰い、三に弁辰と曰う。
馬韓は西に在り、五十四国を有し、その北は楽浪と,南は倭と接す。辰韓は東に在り、
十有二国、その北は穢貊と接する。弁辰は辰韓の南に在り、また,十有二国、その南、
また倭と接す。」『後漢書巻き八十五東夷列傳』
『三国志巻三十魏書韓傳』中にも「韓」は「帯方」の南に拠って居た旨の記載がある。
以上をまとめると、
・古朝鮮は遼東半島の列水流域にあった。
・楽浪郡はもとは古朝鮮であり、遼東半島東部の列水流域にあった。
・帯方郡は列口県にあり、列口(列水の河口)は遼東半島にあった。
・楽浪郡・帯方郡の南に馬韓があり、馬韓の南に倭国がある。
・馬韓の東に辰韓、辰韓の南に弁辰、弁辰の南に倭がある。
つまり、楽浪郡・帯方郡は遼東半島にあり、その南に三韓(馬韓・弁韓・辰韓)、
その南に倭があった。
さらに、山形氏は三韓が遼東半島に収まるとし、遼東半島より南側の部分、つまり
現在の北朝鮮より南側全て(朝鮮半島全て)を倭国であるとしています。
山形氏は在野の研究者ですが、倭国が朝鮮半島にあっとことについておよそ160ページに
亘って詳細に論証しています。各論拠に係わるこれまでの定説の誤りも、明らかにして
います。この本は15年前に出版され、タイトルも内容もインパクトがあります。もっと
取り上げる人がいてもいいはずです。しかし、ネットでもほとんど取り上げられていま
せん。(取り上げられている場合は高く評価されています。批判は見当りません。)
以上は、【要約】『邪馬台国論争終結宣言』山形明郷著より転載。
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