2007/05/17(木)10:33
ドキュメント好きは必読!「特攻」
今に生かしてこそ歴史を学ぶ意味がある。
時代を超えて変わらないもの。いくつもの時代を超えてこそ思うこと。
人は己の寿命を越える頃にようやくわかり始めるのかも知れない。
それを知りたくありませんか
感慨。感想。単に平和を訴える本ではない。
この歴史を通じて、今をどう生きるのか。
表紙やタイトルから予想していたのとは違って
純然たるドキュメントでした。
何らかの解釈を加えることなく、たんたんと
資料として語られる当事者の声。
判断。考察は一人ひとりが行うこと。
これだけ時間が経ち、平均寿命を越えた人生の先輩からの言葉は
特別、「戦争」だけから学んだ事柄ではなく
私たちがこれからの人生を歩む時。
悩んだり苦しんだり人生を生きていく中で生かして行くものだと思います。
それは例えば最後に紹介する言葉の数々に見て取れます。
お題目のような理想論ではなく、実際に生きていく中で。
いくつもの時流を越えて生きてきた人間ならではの時代を超えて言えること
そんな重みが伝わってきました。
核家族化が進み、老人から学ぶ沢山のことを肌で学び取るべきことを
私たちは引き継げずに暗闇の中を孤独に歩いているんじゃないだろうか。
そんな人たちの明かりの一つ。小さな明かり。の大切さは暗闇を歩いている人こそ感じられるものだと思う。
■世の中に絶対はない。中庸(ちゅうよう)が大切だ
■世の中には善と悪がある。1人の人間にも悪と善が混在する。一人の人間を絶対善の人間とするのでは大きな誤りを犯すと。
■年寄りが、今の若い者はどうのというのではなく、自らが範を垂れる(黙って模範を示す)ことが大切ではないですか。範を垂れれば、若い人は我々の時代以上に立派な仕事をすると思います。
■今の世の中、声の大きいものが勝ちますから。とかく少数の意見を持ったものの方が声が大きいじゃないですか。一般的な意見を持つ人の声がかき消されている気がします。<引用終>
購入者のレビュー
表紙のイメージとは違う。ドキュメンタリーな中身
併せて「戦争廃墟」も読みたい
例えば死。死ぬところを。老いて行く様をみせるのも先輩の役目ではないだろうか。
死を何となく忌み嫌い、遠ざけ、隠すと、生きるが見えなくなる。
どのように死んで行くのかはどのように生きたかと同義だ。
その様を見て、まだ先のあるものはどう生きるのか、どう日々を過ごすのか
改めて限りある時間の中を生きている現在の肉体を持った今生での計画を実感できるのではないだろうか
「人生の絵を描くなら、永遠に眺めていたいと思うような絵を描きなさい。
死んでからはそれをずっと眺めるのだから」