「トラソルの鳥籠」

叶えてはいけない願いもあるってことを知った。

多分、未だに願ってしまっている想い。

これでも幾分か薄れてきたんだ。

言葉で表すのはとても簡単だけど、心が納得するには時間が必要なんだ。

でも心の奥底ではもうずっと前からわかっていたのかもしれない。

すがってしまったのは、ぽっかり穴が空くことを恐れていたからなのかもしれない。

私だけ幸せになれないのが嫌だったから、なのかもしれない。

振り回された想いを忘れられたくないからなのかもしれない。

それでも。

いつの間にか心にズシリとあった重りを前よりも感じなくなっていた。

いつの間にか真っ暗だった目の前が少しだけ晴れていた。

新しい願いを流れ星に託すまでもう少しだけ、待っていて。