半年近くぶりに、歌謡番組のことについて書こうと思う。
私は「よほどのこと」がない限り、ここに昭和歌謡関係や
懐メロ番組について書くのは止めたと言ってきたが…。
その「よほどのこと」が急に出てきてしまったのだ(笑)。
しかも「その歌番組&歌唱曲目を知ってはいたが、映像を
今まで一度も見たことなかった」ということではなく…。
「その歌をテレビで歌ってたことを初めて知った」という、
本当に情けない話なのヨ。懐メロ番組&歌謡番組の研究を
長年やってきたにも関わらず…。
今まで持っていた「根拠のない過度な自信」が、根底から
ガラガラと音を立てて崩壊していきそうなくらい…。
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YouTubeに、昭和58年末の『NHK歌謡ホール』総集編の
映像をノーカットで上げてる方がいた。
私は一昨日の日曜日、何の気なしにボ~~ッと見ていたが…
その驚愕の曲目に「はああああああっ!?」となったのだ!
山ちゃんと蒼井優の結婚と同じくらいか、それ以上の驚き!
藤山一郎が昭和10年、ビクター専属時代に出した外国曲で
『希望の船路』という歌がある。
サブタイトルは『ヴァガボンドの歌』といい、かの有名な
『蒲田行進曲』と同じ旋律なのだが、これをテレビ番組で、
しかも『歌謡ホール』で歌っていたのである!!!!
まさかと思った…ホントに(汗)。
しかも、バックバンドは薗田憲一とディキシーキングスで、
センターのトランペットは、なんとタモリ!!
一体何なんだよ、この映像は(笑)!なぜ追悼番組とかで
一度も使用されなかったんだろう?藤山先生もノリノリで、
タモさんのトランペットもキレがよく、素晴らしい映像で
本当にビックリした。
テレ東では、藤山先生は外国曲は殆ど歌っていない。唯一の
例外は、昭和56年大晦日の『ブンガワンソロ』くらいか。
その点、NHKでは平成4年3月の『幾多の丘を越えて』で
『ブンガワンソロ』を含め、外国曲を数多く歌っている。
だが『希望の船路』は歌ってないし、市販ビデオにもない。
そういう点で見ても、この映像は国宝級と言っていいだろう。
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あと、東海林太郎先生の十三回忌?だったのか、北島三郎・
野口五郎・森進一の3人が、東海林先生の格好そのまんまで
(ロイド眼鏡&燕尾服&あの頭のカツラ&センターマイク!)
東海林先生のヒット曲を歌う映像が凄かった(笑)。
この辺り(昭和60年前後)までは、東海林先生の存在感は
まだ健在だったということが解る。観客も大喜びだしね。
野口五郎の『国境の町』と、森進一の『赤城の子守唄』は、
東海林先生の格好をしているだけ(自分流に歌ってるだけ)
だったが…。
偉いのはサブちゃんだよ(笑)。勿論、完璧な物真似では
なく、北島調で『野崎小唄』を歌っているのだが、随所に
東海林先生の特徴を入れて歌っている(笑)。
私も東海林先生の物真似は得意でやってるが…北島御大も
かなり凄い出来(笑)。
特に歌い終わりで、センターマイクから下がるときの目と
身体の形が、東海林先生そのまんま(笑)!
勿論、ある程度誇張はしているが、東海林先生を知ってる
世代なら「そうそうそう!」と大笑いするようなところを、
見事に抽出するサブちゃんの観察眼は、本当に凄い。
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こういうのを見ると、まだまだ貴重映像発掘の道のりは遠い…
という感じがしてしまう、どうしても。
私ゃ「貴重映像はテレ東が凄いんだ!」と20年以上に渡って
言い続けてはいるが、こうなるとNHKも意外に貴重映像が
多く眠っているのかもしれん。
しかも『思い出のメロディー』じゃなくて、ごく普通の
『歌謡ホール』に掘り出し物があるんだろう…かね??