
7月組織の合併に伴いこれまでの雇用体系や業務内容がガラリと変わった。
環境の変化が予想以上にストレスになったようだ。
気持ちが晴れない日が続きいつしか一点を見つめて考え込んだり、夜になると涙が出るようになった。
自分でもどうしていいのか分からず、誰にどのように助けを求めていいか分からず一人で苦しんでいる間ますます症状が悪くなった。
自分など死ねばいいのにとさえ思った。
こういうのを抑うつとか鬱状態とかいうのだろう。
写真は飛行機から臨む富士山*10月14日*
心配してくれた人が飲みに行こうと誘ってくれたが、飲んだくらいで気持ちが晴れるようなレベルではなかった。
常識では計れないところまで気持ちがおちていた。
もう一人の人が「もう少ししたら何もしたくないほど症状が悪くなるから早めに心療内科で診てもらったほうがいい」と言った。
その通りだと思った。
事実何もしたくないと思い始めていた。
そんな折横浜で従兄弟の結婚式があった。
今回は式の後親戚一同で長野県は上高地を旅行することになっていた。
カメラが好きで何度も上高地に足を運んだことがある伯父に連れまわされるように山を歩いた。
朝5時に出発して半日だけで軽く15kmは歩いた。
上高地へ来て2日目。
自分の中に溜まっていた膿のようなものがすっかり無くなっていることに気付いた。
たった3ヶ月の間で我慢とかストレスとかいろいろなものを溜め込んでいたようだ。
自然と接するうち自分の中の何かが浄化され、滞っていた部分の風通しが良くなった。
上高地の帰り乗鞍へ寄り畳平を歩いた。
晴天に恵まれ360℃広がる景色と日本アルプスのスケールの大きさを感じた。
魔王岳山頂で伯母がぽつりと言った。
「私たちって本当にちっぽけね。」
幾重にも重なる尾根を見ながら人の存在の小ささが分かった。
よく人間はちっぽけなものだと言うが、遅まきながら私は生まれて初めて実感することが出来た。
魔王岳を下りながら今の私のままで十分だと思えた。
生きてさえいれば十分だと。
我慢を重ねるうち無意識のうちに自己否定していたようだ。
自己否定する気持ちがさらに自分を苦しめていたが、ありのままの自分を受け止めるという基本的なところへ戻ることができた。
旅行から戻り日常生活が始まった。
今の自分でOKという気持ちと何もしたくないという気持ちで一進一退を繰り返している。
今後どのような結果になるか分からないが、どんな道へ進んでも大丈夫なのだと思えることが今一番大切に違いない。