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この欄でも何回も書いたことですが、版元として、究極の願いは、1冊の本で、経営が安定するほどの売り上げがあり続けること、これに尽きる。
ベストセラーは一過性のもの、1冊のロングセラーで、社員すべてが食べていける。こんな本の誕生を願っている。 聖書のような本ができれば、それで十分なのだ。 夢の話である。 現実は厳しい。厳しいを越してしまって、過酷だ。 そんな中でも本を出版していかなければ、可能性自体がなくなる。究極の願望は、心の隅において、まずは初版を売り切る。数ヵ月で増刷。年間数千部が必ず売れる。 というような企画を出し続けなくては目先の経営ができない。 ただ、、チビ版元の方向性として、年間ある程度の部数が、数年にわたって、コンスタントに売れていく本を、何冊か持つ。というのが、現実的だろう。 年間5千部売れる本を10冊持てば、チビ版元はそれで十分なのだ。 チビ版元の編集者は、上記のことを踏まえて、企画を立てなくてはならない。 息の長い本をどれだけ出せるかが、編集者の評価基準になる。 下手な鉄砲も的な出版は、チビ版元ではもともとできない。限られた出版点数の中から、そういうロングセラーをつくっていかなくてはならないので、ハードルは、大手の版元編集者よりもむしろ高いのかもしれない。 方法論はいくらでも唱えられるが、仕事は現実である。 現実は、本を作らなくてはならないし、それを売らなくてはならない。 まず本を作るためには、企画と著者だ。 企画立案は個々人の素養もあるだろうが、著者に関しては、探して会えばいい。会うことによって、何かが始まる。必ず始まる。 だから、編集者は、著者候補とどれだけ会えるかが、仕事の大部分だといってもいい。 それは規模の大小にかかわらない編集者の資質だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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