ヘリコバクター・ピロリ菌の同棲は死の切符
従来の胃がんや十二指潰瘍の原因は、主として、胃や腸壁粘膜の酸化による損傷で発症すると考えられていましたが、最近の研究では、胃がんや十二指潰瘍の発症原因の90%以上が、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)であることが確認されました。この話題は近年広く知られることですが、原因の特定までこぎつけたことは、長い研究の画期的成果と言えます。この結果を受けて厚労省は、今年2月22日から、この除菌診療が保険適用にしました。胃炎から委縮性胃炎や潰瘍そして胃がんと発展する過程で、それらの発症原因の殆どが、ピロリ菌であるとの結果は、胃腸治療の概念を一転させるものとなったのです。何故ならば、今までの治療は胃腸薬の投与が主体でしたが、今度は、ピロリ菌の除去が主体となるからです。それは、アルコール、タバコ、カフェインなどの刺激物で損傷する胃壁などは絶好の条件であり、又は直接に、ピロリ菌の持つ毒素と酵素で、胃腸壁の細胞に穴をあけ破壊して住み家とするもので、次々と胃と十二指腸(小腸)の細胞を損傷させ、炎症を拡大していきます。更に、ピロリ菌は、幼児に経口感染するのが殆どで、その潜伏期間を持つことから、その保菌者は、20歳代で25%程度ですが、40歳代では70%を超える報告があります。この様なことから、老後の胃がん発症率の非常に多いことが頷けます。胃がんになってからでは遅いので、今すぐにピロリ菌の保菌有無の検査受診をお勧めします。【送料無料】ヘリコバクタ-・ピロリ菌 [ 緒方卓郎 ]