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Apr 27, 2010
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カテゴリ:ミンツバーグ研究
ミンツバーグの主張の核心は、マネジメントを、「アート」「クラフト」「サイエンス」が混ざり合ったものと捉えるところにある。(p125-127)
そして、「好ましいのはこの三つのバランスが取れていることだが、MBA教育はそのうちの一つだけに偏重することにより、マネジメント教育を歪めている」として、一貫してMBA教育を批判している。MBA教育が偏重している一つとは、紛れもなくサイエンスである。

三つの要素は、それぞれどのような特質を持っているか?ミンツバーグはつづける。
「アートは、創造性を後押しし、直感とビジョンを生み出す。サイエンスは、体系的な分析・評価を通じて、秩序を生み出す。クラフトは、目に見える経験を基礎に、実務性を生み出す」と。

結果として、それぞれに対するアプローチの仕方が異なることを指摘する。
「アートは具体的な出来事から一般論への帰納的なアプローチを取り、サイエンスは抽象概念を個別のケースに適用する演繹的なアプローチを取り、クラフトは具体論と一般論の間を行き来する双方向型のアプローチを取る傾向がある」ことを。

アートは帰納的アプローチを取る。複雑かつ混沌とした事象、現象、事実、現実の中から、普遍的な原理原則を発見しようとする。
サイエンスはその逆である。初めに理論ありき。問題があれば、サイエンスを演繹的にあてはめて、正解を得ようとする。
クラフトは、両者の狭間を行き来すること。すなわち試行錯誤を繰り返すこと。

私は三つのどれに多くを頼ってきたか、過去を振り返る。

経験(クラフト)が浅く、勉強(サイエンス)もしていなかった頃、もっぱらの頼りはアート(ミンツバーグの言うビジョン・直感・洞察に、私は、夢・希望・志を追加)だった。尤もそれほど立派なアートを持っていたとはいえないが、相対的にその時、アートが優っていた。困難に直面したとき、それを乗り越える力はアートから与えられてきた。現実の混沌とした複雑怪奇な現象を何とか解き明かすことができ、泥沼から這い出すことができたのもアートがあったればこそと思う。

次第に経験が豊富になりだした。経験は試行錯誤である。ものづくりの現場では良く行われている。研究開発もこのような実験的要素が多分にある。営業などの対人関係を伴う場面でも失敗を繰り返しながら、人間関係のあり方や処世術を身につけてきた。しかも幾多の困難を乗り越えた先輩や上司から、経験談を聞き、もっと楽に上手に現実を泳ぎ切る術を教わる。自ら火中の栗を拾い、修羅場をくぐり抜けた体験談は威勢がいい。こうなると経験こそがすべてであるように思えてくる。

しかしこれでは、後輩は経験豊かな先輩を追い越せない。多くの経験を集め、何時でも通用する原理原則を見いだせないだろうか?これが発見できれば経験に頼らなくて済む。この時、経営にも理論(サイエンス)があることを知ってMBAの門を叩く。なるほど、MBAでは見事に経営のエッセンスを体系化して見せてくれた。整然と並べ立てられた知見を演繹的にあてはめれば、どの経営も上手く行くようだった。五里霧中の彷徨いから抜け出た心地よさがあった。

ところがある日、経験でも理論だけでも、解き明かせない事態が起こった。かつて誰も経験したことのない未曾有の環境変化である。ここでは、ベテランの経験(クラフト)は通用しない。MBAで学んだ理論(サイエンス)から解を導いてみたが、再現性に自信が持てるほどの説得力がない。答えは意外なところにあった。経験も浅く、理論もそれほど持っていない、若い人の発想がそれである。経験がないから先入観に囚われない発想ができた。理論を持ち合わせないから、ワンパターではない、自由奔放な発想ができた。

いま再び、アートへの回帰の時が来たようである。
「パソコンの父」と呼ばれるアラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は、未来を創りだすことだ (The best way to predict future is to invent it)」という言葉を想起する。

「経験だけでは語るに足らず、理論だけでは未来は見えない」ということだ。
しかし、ミンツバーグは、経験と理論を不要なものとして否定しているのではない。





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最終更新日  Apr 27, 2010 01:25:18 PM
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