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坪井さんへのインタビュー記事の紹介を続けます.
博物館の設立の趣旨がズレてしまって,月並みな展示をする施設になってしまった.では,理念通りの博物館なら客も入り安泰かというと, 坪井「人は入らへんなあ.」 だそうです.やはり展示をもっと工夫しなくては,と. では展示も改良すると何とかなるでしょうか. 坪井「そうはいかないでしょうが...」 おいおい,などと思ってはいけません.そういうものだと私も思います.そもそも入場料収入だけで博物館の運営をしろという発想に無理がある.英国の博物館などは,サッチャー改革以後は入場料を取ることにした館も多いと思うけれど,それまでは(少数の例外を除き)無料だったそうです.だから英国はダメなんだ.財源をどうするんだ.という意見が出ると思いますが,博物館の入場無料には,無料だからこその良いところがあります.誰でもいつでも行ける.子供1人でも大丈夫.出たり入ったりもできる.博物館との付き合い方が変ります. 話をもとへ. とにかく,入場料収入だけで博物館をやって行くのは不可能,というのが,日本の博物館関係者のほぼ共通した認識のようです. 偉い先生に相談すると,さまざまな事を学ぶことができるけれど,カネとオンナの話は相談してもムダ,と誰かが言っていました.まあ大体そのようなインタビューになってしまったようです.いや,オンナの話ではなくカネのことです. 坪井さんが少し触れたのは,調査に力を入れ,史跡の管理を重視するなどで,国からの補助金も得られるだろうし,館の存在理由を示すことにもなる.朝日新聞あたりが音頭をとって,民間からカネを出し合って,・・・ (ダメだこりゃ) インタビュー後,記者に坪井さんから電話がかかってきたそうです. 「アメリカの主要な博物館は日本よりもっと,ボランティアを積極活用している.大阪もそういかんかな」 ですと. ボランティアという語は,タダの労働力とか勤労奉仕,社会奉仕のような使い方をされて,今は中身が変質してしまいました.安易に使わないほうがよい言葉です,こういう使い方をするものだから,高樹なんとかサンのブログが炎上したりするんですよ. という話は置いておいて,まあ趣旨はわかります.日本の博物館で,とかく軽視されがちなのが「友の会」.もっと「友の会」を重視して,「自分の町の博物館」を大切にしようという空気を醸成せねばなりません.子供だましの展示で終るのでなく,おとながムキになるような博物館であれば,積極的に館の運営に関わりたいと思う人は出て来るでしょう. 日本の教育は文部科学省に委せておいたら,今や全く明るい展望がもてない状況になっています.そういうものとは違う世界,おとなも子供も夢中になれる,勉強ってこんなに面白いんだ!という「Ach! 体験」のできる場として,博物館を作って行きたいものです.博物館の存在理由? 何ですか,それ? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 19, 2008 12:45:58 AM
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