高知に自然史博物館を

2011/06/14(火)19:32

遺伝子組み換え作物

 - 学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。  遺伝子組み換え作物について農水省のホームページ http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/110523.html は,そう言っている.  この結論を受けて農水省は,遺伝子組み換え作物の栽培を許可する方針らしい.そのため国民にパブリックコメントを求めている.コメントの締切りは何と,6月21日! あと1週間しかない.  コレって大変なことじゃないのか? で,マスコミは何か報道してるかな,と思ってテレビをつけてみたけれど,相変わらす菅首相の退陣だとか,それをめぐるゴタゴタの話ばかり.  こういう非常時に政局など,と非難していたマスコミご本人たちは,それこそ政局の話題ばかりで盛り上がっている.  菅政権はどさくさに紛れて,重要な決定をいろいろ行なおうとしている.沖縄の基地問題,コンピュータ監視法,そして遺伝子組み換え作物,等々.だからコイツらには,一日も早く政権を降りてもらわないといけないんだ.それにしてもマスコミは何をしている.日本にはマトモなジャーナリストはいないのか?  さて遺伝子組み換え作物である.わかりにくい問題だということもあって,根拠の薄い「恐怖」を訴える論調もある.しかし「サロン金曜日@高知」さん http://saron-kinyoubi.cocolog-nifty.com/blog/ の指摘は,かなり的を得ていると思うので,ここに転載しておく. (以下転載)  遺伝子組換え作物市場をほぼ独走してきたモンサント社は、これまで南米アメリカ、ヨーロッパなどで、数々の重大な、取り返しのつかない問題を引き起こしてきました。 ●農業の機械化、大規模化を必要とするため、小規模農家の経営を不能にし、多くの農民が土地を失って、都市のスラムで貧民化する。 ●単一作物の広大な栽培によって生物多様性を失わせる。 ●セットになって使用される除草剤によって野草や、水鳥などを死滅させ、場合によっては周辺住民にも健康被害を与える。 ●一旦遺伝子組換え作物の栽培が導入されてしまうと、花粉による交雑が始まり、それを除去することは永遠に不可能になる。 ●遺伝子組換え作物によって在来種の畑が汚染されてしまった場合でも、モンサント社は補償したり謝罪したりするどころか、「特許権侵害」によって、その在来種の農家を訴える。 ●交雑によって、在来種の農家は自分が植えた覚えもない遺伝子組換え作物を栽培していることにされてしまい、特許料を支払わされる。 ●特許契約や「密告」、「守秘義務」などの制度によって、農家は真実を語れなくなり、また、お互い疑心暗鬼になって、農村コミュニティーが破壊される。  日本でもしこれが導入されたら、 ●日本の農家はモンサント社の奴隷と化し、自分の栽培したい品種を栽培する自由を失う。 ●日本人は自分の食べたい品種の食べものを選ぶという権利「食料主権」を失う。 という取り返しのつかない事態を招くでしょう。 (転載おわり)  指摘したい点もあるが,今は言及しない.とにかく政府は重要な決定をしようとしているのに,マスコミは報道しない.われわれにできるのは,パブコメに応募することぐらいかもしれない.パブコメへの意見送付については,農水省のホームページ(上述)を見てください.  もう一度,同じフレーズを引用しておこう.  - 学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。  過去において,どれだけの「学識経験者」が「原発は安全だ」と言って来ただろう.その手法が全く信頼できないことが明らかになったのが今回の原発事故である.それに対する反省はどうなった? なぜ全く同じ手法が今も堂々とまかり通っているのか.この国の役人たちには「学習能力」というものがないのだろうか?

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