3・11以後の傑作娯楽映画
夏休みということで、今回は砕けた話題です。話題の「シン・ゴジラ」を鑑賞してきましたので、若干感想を書いておきます。 初代ゴジラが戦争の記憶が色濃い時代の核戦争の恐怖のメタファーだったように、「シン・ゴジラ」は3・11の記憶を想起させる作品でした。 ゴジラの存在はフィクションですが、首都圏で大震災・放射能汚染・テロなどのパニック状態が起こったら、こうなるのではないかと思わせるリアリティがありました。映像表現の力もありますが、3・11の記憶がそう思わせるようにしています。 ラストシーンも、完全なハッピーエンドではなく、ゴジラという存在と向き合うことが避けられないことが示唆されるもので、終わりない事故収束作業とも重なります。 反核や脱原発のメッセージは強くありませんが、娯楽性の中に様々なことを感じさせる内容になっており、この夏見ておいて損はありません。映画やアニメ・特撮ファンにとっては、過去の映像作品の引用が満載で、それだけでも楽しめます。