2006/08/26(土)16:17
「図書館戦争」 有川浩
これ、俺推奨図書にする!?
「Sweet Blue Age」の時とは、雰囲気が違うぶっ飛びヒロインが最高!?
「Sweet Blue Age」も面白かったけど、もうなんかぜんぜん毛色が違う作品なだけに、有川浩さんの多彩さに感動させられました。
「塩の街」が個人的にイマイチだったので、しばらく避けていましたが実にもったいない事しましたと後悔してますね。
「電撃がハードカバーにわざわざ再進出したのは、この人のためだけじゃないか」と言う噂があるが、あながち嘘じゃない気がします。
設定がぶっ飛んでるが、登場人物もぶっ飛んでいる
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として成立した、「メディア良化法」
そんなメディア良化法の検閲権に対抗するべく制定された「図書館の自由法」
両法の施行から30年が経過した現代正化31年がこの物語の舞台である。
しかしそんな法律をどう拡大解釈したら、図書館が警備隊を持ったりと、武装化していくのか不思議と言えば不思議なのだが、
その方が面白いから!?
なんでしょう。
まあそんな設定もさることながら、そんな図書館を防衛するわれらが図書隊の個性豊かなメンバーが強烈で笑わされてくれる。
物語の主人公でかつ、バカだけど、どこまでもまっすぐなヒロイン・笠原郁。
そんなヒロインに不公正なくらい厳しくしかし時にやさしい教官・堂上篤。
とその同期で、笑い上戸な小牧幹久。
郁の同室でなぜかやたらと情報通な柴崎麻子。
郁の同期で全てが完璧な手塚光。
などなど、個性豊かで済ませていいのか分からないような面々であるのだけど、もしかしたら、暴走ヒロインに引っ掻き回されるから変なキャラに思えてしまうだけかもしれない。
とにかくそんなヒロイン郁の暴走っぷりがたまらない。
戦闘訓練では、教官にドロップキックをお見舞いし、奥多摩では『クマ殺し笠原』の異名を流布するような伝説を生み出し、挙句の果てには教官に
「お前は脊髄で物を考えるクセをどうにかしろ、案件は脳まで持っていけ」
とまで言わせる始末。
とにかく、郁がどんな行動をとるかが逐一気になって仕方がない内容でした。
書籍が厚いがテーマも熱い
ヒロイン郁の成長の物語である。と言う割には、キャラがアレなのであまり変わってない気がするが・・・。
と思える位、1冊で大きな物語を終わらせると言うよりも、章ごとに別々のテーマを持った短編のような作りになっています。特に1章2章が、仕事に対する姿勢であるのに対し、
3章では連続通り魔事件の犯人とその犯人が読んだとされる書籍の話を中心に、マスコミや世論を皮肉った内容であり、4章はそんな有害な書籍を読ませたくない大人たちと、そんな大人たちに対して自らの自由な読書生活を守る為に立ち上がった少年たちの戦いである。
そんな、大人たちを少年たちが打ち破ると言う、内容はとにかく痛快で少年でない私にも楽しめました。
大人たちを少年たちが打ち破ると言う構図は、ライトノベルでは良くある話だけど、「ぼくらの七日間戦争」辺りを思い出し、非常に懐かしく感じました。
もっと銃火器でガンガン打ち合うような痛快な話だと思ったのですが、こういう戦争もありですね。
しかし、とにかく困るのは、でかい事。
カバンにハードカバーを入れるだけの余裕がないので、電車内で読めないのです。
仕方がないから寝る前に読んだら郁の行動が面白すぎて、眠れない。
おかげで次の日は寝不足と言う困った自体を引き起こしてしまう、問題書籍である。
そこの所なんとかして欲しかった。
しかも、シリーズ化決定で、9月には続編となる「図書館内乱」の発売が待っていたりします。
とりあえず、カバン買い換えよう・・・。
図書館戦争
著者:有川浩
イラスト:徒花スクモ
出版社:メディアワークス
発行年月: 2006年03月
サイズ:単行本/345p
本体価格:1,600円 (税込 1,680 円)
感想リンク
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