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誰かが言わなきゃならない

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2008.07.27
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日本を訪れた外国人が始めて目にする日本の風景は成田から都内に向かう、あるいは東京から京都に向かう新幹線の車窓の風景であろうか。

それらの風景は一言で表せば「ごちゃごちゃ」「ガラクタ箱をひっくりかえしたような」街並だ。現代の日本社会や日本人の生き方がそこに鮮やかに表現されている。

百年前。日本の風景がどのようなものであったか写真家が撮った京都や金沢の写真を見るがよい。統一感があり、落ち着き払っているが、温かみがある街並が全国どこにでも存在した。

現代の日本の風景といえば、全体を考えない勝手な自己主張、まさにゴミ箱をぶちまけたようなぶつかり合う色彩と角突き合わすデザインの建物ばかり。

これは街づくりだけの話ではない。社会がそのような考えで暮している反映ではないか。一貫した考えのなさ。間違った自由。「自由に」「気のむくままに」「わがままに」とは旅行会社のキャッチフレーズにもなっている。

自由にしすぎたために起きた不自由。美の意識を欠きセックスと金儲けのみ考える生活。六本木ミッドタウンで見つけた和風小物を部屋におくことが「和風の生活」になる世の中。

日本人は幕末の開国、そして太平洋戦争で負けたあと、借り物の民主主義や自由をまるでカツラのようにつけたまま暮している。この暮らしはまだまだ百年は続きそうだ。






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Last updated  2008.07.27 00:14:42
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