誰かが言わなきゃならない

　１００歳以上の不明者が多数いる問題の背景に個人情報の保護などプライバシーを守ることが進んだ影響がある。行政区の区長が各戸に提出を求める世帯調査でも世帯の状況を書くことは任意とする旨が付記されるようになっている。

　事件でも起こして警察の強制捜査が入らないかぎり、子供のいじめに対する問題でも判るように他人が住居に立ち入って確認することは困難をきわめる。世間と途絶しようと思えば、プライバシーという壁が守ってくれる。

　腫れ物にでも触るような扱いしか出来なくしたのは一部の過激な団体とマスコミの脅威を民生委員など関係者の誰もが感じているからだ。１００歳以上の高齢者が不明のまま亡くなるときにプライバシーを最後まで守ってくれたと感謝するだろうか。