誰かが言わなきゃならない

　スシやラーメンなど食べ物だけでなく、趣味の対象でも日本の盆栽や錦鯉などが世界から高く評価され始めている。かつて日本の有田焼や薩摩金襴手などの焼物がヨーロッパで珍重されたように日本人が長い間かかって作り上げてきたものが今になって世界進出を果たしている。

　検疫などの問題がある動植物までが海を渡ることで、日本人の価値観、審美眼から産まれたものが世界から憧れの的になっていることがわかる。

　一方で日本ではほとんどの人がこれらを一部の年寄りじみた金持ち趣味とみなして敬遠している。柔道や相撲を見ていると日本文化が世界進出するとともに日本人と切り離されていくのを感じざるをえない。