誰かが言わなきゃならない

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• まったく信用できない

   　ソマリアへの自衛隊出動について、マスコミは一斉に各党幹部にインタビュー。これに対して民主党はさすがに政権意識した「反対はしない」と答えたが、社民党の女党首は「反対です」と切って捨てた。　それを聞いて、ほとんどの国民は「それでは社民党は日本の船舶が海賊に襲われたらどうするつものなのか」を聞きたいと思うのだが、マスコミはいっこうにその質問をしない。総理に対してあるいは与党に対しては、次々に突っ込んで質問をするマスコミなのにこの質問はしない。　相手を困らせたり、必要に食い下がるのがマスコミの得意とするところではなかったのか。日本のマスコミが完全に国民を馬鹿にしてやり放題なのが分かる。マスコミがまったく信用出来ない社会は困る。

  2009.03.15

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• テレビの魔力

    　小説を読む。ラジオやＣＤを聴く。絵を描く。俳句を鑑賞する。庭を鑑賞する。これらはすべて創造力、想像力が働くように出来ている。しかし、テレビをつけたとたんに人間は金縛りにあったようにこの人間の素晴らしい能力が働かなくなってしまう。　人間は外部の情報の８０パーセントを視覚で得ている。テレビはこの視覚と音声を通じて送り込む情報で脳を独占してしまう。脳は口に物を一杯食べたように、噛むことも出来ず、フォアグラ作りのガチョウのように一方的に情報を押し込まれるだけ。　自由時間のほとんどをテレビを見て過ごす人がしゃべることは、９９パーセントがテレビ番組の受け売りだ。テレビの普及を「一億総白痴化」と言った大宅壮一はすごい。

  2009.03.14

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• 役所の無事

    　世の中を騒がす事件や不祥事が起きると、役所は重い腰を上げて、法律や規則の改正に着手する。役所は事件などが起きるまで、法律が古く実態が合わなくなっていることを知らなかったわけではない。　企業や市民からは盛んに要望や指摘が上がるのだが、役所の担当者が真剣に取上げないだけ。役所の担当者は「毎日が無事」がなによりなのであり、一般的には変なことを言って来て欲しくない。特に法律の改正につながるようなものはやりたくない。　やれば役所内の調整、本省との折衝が出てくる。業界やマスコミに対する説明も必要になりやっかいだ。役所の担当者は「そんなものを持ってこられても俺が担当の間は受け付けないよ」と言う場合もあるようだ。役所だけでなく、大企業の担当者も下請に対して同じ態度が見られる。

  2009.03.14

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• バランス

    　強力なエンジンを備えた車には強力なブレーキが必要だ。デスクワークの人は身体を動かすことが必要。仕事と家庭の時間のバランスを取らないと、仕事も家庭もだめになってしまう。食生活にもバランス感覚が大切だ。　最近のように子供が肉ばかり食べているのは将来の成人病が心配だ。消費と貯蓄についても言うまでもない。アメリカ人はそのバランスが間違っていた。日本では家の面積と庭の広さのバランスは崩れていて、家が与える安らぎが不足している。　現在、一番バランスを崩しているのは政治家や財界人など社会のトップにいる人たちの地位とその教養だ。教養といっても読み書きだけでなく、広く書物を読み歴史や世の中のことを知り、志を持って自分を律しているということだ。

  2009.03.13

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• オフレコ懇談会の怪

    　オフレコ懇談会という聞き慣れない用語が飛び交っている。オフレコとは記録しないという意味。それが記事になったこと自体がおかしいのだが、今度は公式の記者会見でその懇談会に出席していたという記者が官房副長官に「あなたあのとき自民党と言ったではないか」と質問した。　それに対して副長官が「記憶にない」と答弁している。オフレコ懇談会は政治家とマスコミ両方にメリットがあるから成立する。こんなことになれば、政治家はもうオフレコは簡単に応じなくなる。　記者クラブは取材合戦で出し抜きが出来ないようにするための一種の談合システム。官庁も県も記者クラブに部屋を与え便宜を図っているが、マスコミに公表する時期をコントロールしたり、逆に情報リークをしたりマスコミを利用しようとする魂胆が見える。甘えの構造を正す組織同士が甘えの構造にどっぷりつかっている。

  2009.03.13

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• 国会中継

    　テレビの国会中継、特に委員会での質疑は結構面白い。言葉のやり取りだけでなく、発言者の表情、委員たちの挙動などから、大臣や議員、役所の高官たちが何を考えているかも、解説なしで手に取るようにわかる。　ニュースでマスコミが報道する国会は、ごく短いやり取りとぶら下がりのインタビュー。マスコミの編集の手が入り、失言、抗議などひと悶着起きた部分だけをクローズアップした審議内容とは程遠いもの。「こっかい」というより「こっけい」だ。　中継は何時間もかかるので、見られる人はそうとう暇な人か、会社の役員くらい。テレビも国会質疑の主な点を毎回３０分くらいにまとめて放送すべきだ。マスコミはアメリカ大統領の演説は力を入れて伝えるのに、自国の国会の報道はおざなりなので、審議を形式に終わらせようとしている者達の思う壺になっている。

  2009.03.12

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• 毎日が元旦

    　今年もすでに３ヶ月が過ぎたが、元旦には初日の出を見に海岸に行った人も多い。水平線から出てくる新年の太陽を見て、誰もが感激し、気持ちを新たにした。日の出は元旦に限ったことではないが、奇妙なことに翌日から人々はすっかり忘れている。　上がったばかりの太陽の光を浴び、その温かさを身体に受けることは、何にも増して心身のリフレッシュになる。いろいろな悩みや身体の不調があっても、太陽は生命の源であり、我々に活力をもたらし、生活にリズムを与えてくれる。　この恵みは誰にも等しく無償で与えられているのだから、毎日、日の出に間に合うように早起きして、太陽に向き合うようにするとよい。

  2009.03.12

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• ゴールデン・タッチ

    　子供の頃に読んだ本で、ある人(王様だったかもしれない)が手で触れると、その物はたちどころに金になる話があったが、芸術家の感性とはそういうものだ。　長野の善光寺の奥に東山魁夷美術館があり、有名な作品がほとんど蒐集されている。その絵を見ると画家があるセンスを掴んだ時から、国内でも外国でも、どんな景色を題材にしても見事な情感のある風景画になっている。　歌人も俳人も、その芸術はその人の鋭敏な感覚でちょっとした物事や風景を捉え、たちまちのうちにそれらを価値あるゴールドに変えて行くというわけだ。

  2009.03.11

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• 公共施設の耐震

    　中越沖地震で原発の屋外消火配管が広範囲に寸断、変圧器の火災対応に手間取った。原子炉だけでなく、それに付帯するさまざまな施設や事務本館などについても総合的に地震対策にバランスがとれていなければ有事の際に困る。　従来、建屋や設備についてその審査なり条件があまりにも原子炉安全に集中しすぎていることを示している。原発の運転再開に向けての安全点検のつぶさな報道に比べ、自治体の対応についてはあまり報道に現われていないが、自治体の災害対応をする建物や設備も心配だ。　国からの原発交付金などは、コンサートホールのような箱モノではなく、まず通信、消防、医療などの拠点を震災から被害を受けないように、そして多重化することに考えるべきだ。

  2009.03.11

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• ＣＤコンポの故障

    ＣＤコンポが故障したが、家電店に持っていくと修理代で新しいセットが買えてしまうという返事。こうした製品はほとんどが中国で生産しているので新品が安く、修理は日本人がやるので高くつくようだ。　スピーカーなどは問題ないのでＣＤプレーヤー部分だけ買い換えたいが、そうすると値引きがないので逆に高くつく。とにかくセットで売るようになっているが納得出来ないので帰ってきた。　故障したものを途上国へ送って修理をするわけにもいかないので、途上国の人を日本に呼んで、修理技能を教えて修理を担当してもらうように出来ないものか。介護に限らず、これからは技能を持ったマンパワーが必要な分野はこうした方策を考える必要がある。

  2009.03.10

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• 薪ストーブ人気

    　　　　昨年あたりから自然ブーム、エコブームの影響で、薪ストーブ人気が高まっている。価格はピンからキリだが、本格的なものは数１０万円、煙突工事なども含めると１００万円くらいかかる。　薪もたくさん用意しなくてはならず、これを買うとなると１日当たり千円以上かかるので、エアコンや石油ストーブに比べ、かなりの出費を覚悟しなくてはならない。薪ストーブは暖かいだけでな暖炉の中で炎が踊っているのを見ていると心が和むのが人気のひとつ。　その理由は薪ストーブの火で照らされている間、我々はほとんど何も考えない恍惚の時間を体験するからだ。目覚めている間中、神経が休まることがないのない現代の生活が薪ストーブブームの背景にある。

  2009.03.10

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• 最も忌むべき病毒

    　明治の実業家渋沢栄一は「利あるところには必ずなんらかの弊害が伴うは数の免れざるもので、わが国が西洋文明を輸入して、大いにわが文化に貢献した一面においては、やはりその弊害を免るることはできない」とし、この弊害を最も忌むべき病毒とまで言っている。　考えるに最大の病毒は「金さえあればなんでも可能で幸せも間違いなく手に入る」と国民のほとんどが信じたこと。「個人主義、自由主義、民主主義」について欧米の歴史や本当の意味を知らず勝手な解釈をして権利意識を持ってしまい、義務感を失ったこと。　「なんでも欧米のものが優れており、日本の伝統的やり方は古臭い」と決め付けてしまったこと。この病毒は自分達の力でなんとかして治さなくならない。

  2009.03.09

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• お友達

    　日本の国会では自民党議員の見え見えのごますり質問や民主党議員の眉間に皺を寄せた質問が大半で、答弁も原稿を読んでいるようなものばかり。先日、珍しくユーモアのある答弁が聴けた。　民主党議員が「中川大臣は麻生総理のお友達で選ばれていたが、貴方はどうして後任に選ばれたと思うか」という質問に対し、与謝野大臣は、すかさず「お友達じゃないから選ばれたんだと思います」と切りかえして場内爆笑を誘った。　相手が馬鹿馬鹿しいことを言ってきたらそれをそのままひっくり返して言うことで、相手が馬鹿な質問をしていることを皮肉ったのだ。当然のことだが、テレビ各局はこういう場面は、他の大事な質疑をカットしても必ずニュースで放送する。

  2009.03.09

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• 太陽電池の可能性

    　政府は昨年、「新材料・新構造を利用し、２０３０年以降に発電効率４０％以上で１キロワット時あたりの発電コストが（原子力発電並みの）７円の太陽電池」を実現する方針を決めた。これに対応するように、さまざまな取組みが大学やメーカーの研究所で行われている。　太陽電池の弱点は天気次第という低い稼働率と場所を取ることだ。この弱点を補うために、豊田工業大学ではレンズで太陽光を集光し必要な面積を減らすとともに、電池を多層構造にして可視光線以外の紫外線や赤外線も発電に利用する研究をしている。実験では今までの３、４倍の効率が出ている。　日本は天気次第という欠点を克服するためにさらに宇宙の人工衛星で２４時間太陽電池で発電して、その電気を地上へビームで送る研究も続けている。これも実現までにはかなり時間が掛かりそうだ。世界各国で開発競争が起きているが、競争によりどの程度目標達成まで時期が短縮できるかが問題だ。

  2009.03.08

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• 利子

    　金を貸し借りすれば利子が発生することについて、当たり前だと考えるのが資本主義社会だ。利子とは、金銭の時間的価値、金融機関の提供するサービスの対価、債権の貸倒れに対する保証料ないしは保険料などとして利子つき金融、それも複利計算のものが主流を占めている。　イスラム法では金は借りても利子を支払う必要はないが、投機的でない投資の配当は貰ってもいい。旧約聖書も「貧しい者に金を貸したら利子を取ってはならない。ただし外国人からは取っても良い」としている。利子の禁止は、労働なくして得る所得＝「不労所得」として卑しむ考えによるもので、さらに「利子」は「単利」の場合のみ認め「複利」を認めない例もあった。　金利が社会にもたらすさまざまな悪影響について考察し、金利を廃止するべきとした学者もいる。ゼロ金利政策が続き、企業も配当が出来ないなどの状況はこれからの資本主義の姿を暗示しているのかも知れない。

  2009.03.08

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• 漠然とした不満と不安

    　産業革命以降、近代社会の特徴の一つは分業が進んだこと。個人もそうだが、企業も外注部分が増える一方だ。専門化が進んだことと、大量生産による経済効果が分業をますます広めている。インターネットやロジスティックが発達したことも、専門的なサービス、商品あるいは一番安いものを見つけて活用することに役立っている。　毎日の生活や生産活動は今や１人あるいは１社では不可能。どんどん仕事を分解し、外注部分を増やす方向に進んでいる。マグドナルドのハンバーガーは世界中から肉や小麦など一番適した食材を買い集めてあの値段と質を維持している。　衣食住で考えても全部１人で材料から完成品を作るのは、趣味の領域になりつつある。分業の徹底により日常生活や生産活動における創造の喜びはもはや求めるすべもない。その結果、消費する喜びと儲ける喜びだけが肥大化し、世の中に漠然とした不満と不安が漂っている。

  2009.03.07

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• 正当化される過剰

    　ひところ、過剰包装が問題になったが、今でもどう見ても資源の浪費、過剰なサービス、過剰な品質がなくならない。どんなに過剰であってもそれは経済活動では「需要」という数字に置き換えられてしまう。そして需要があるところに何の疑問もなく需要が完全に満たされるまで供給が行われる。　マスメディアはコマーシャルまでやって人々をこうした問題のある需要に駆り立てる。常に「地球に優しい」を唱えている企業やマスメディアは自ら地球環境、資源保護に反する製品やサービスを送り出して平然としている。　「お客様は神様」と祭り上げておいて、お客様の需要があるから供給するのだというもっともらしい言い訳をしているが、利益最優先の企業家のご都合主義に過ぎない。資源を食いつくし、環境を破壊する過剰という反社会的需要が続けば、その報いは必ず彼らの大事な市場を破滅させるだろう。

  2009.03.06

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• 野放しの殺人機

    　道路に車が走るようになって、多くの動物が車の犠牲になった。人間もたくさん死んだ。自動車を運転していない人もたくさん死んだ。これからもだ。バイクの事故で植物人間になった大学生とその母親の記録をテレビで放映していたが、バイクさえなければこんな悲惨な家族は生まれなかった。　こうしたことに対するヘンリー・フォードや本田宗一郎の見解を聞いてみたい。殺人機である車やバイクを一般の道路に放し飼いにしてしまったのは誤りではなかったか。彼等は電車のように柵の中で飼うべきだった。　バイクは二輪でなく三輪以上にするべきだったのではないか。少なくとも国は公道を走る車やバイクの最高速度を道路標識で規制するのではなく、車そのものが必要以上のスピードが出ないように規制すべきだ。

  2009.03.06

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• やめられない、とまらない

    　スナック菓子メーカーはいかにして「やめられない、とまらない」スナック菓子をつくるかの研究をしている。最近の研究は人間の脳科学まで動員するので、効果は抜群で本当に「やめられない、とまらない」スナック菓子が出来てしまう。　菓子メーカーはそれで良いかも知れないが、国民の健康に与える影響は甚大だ。菓子メーカーに責任を問えば、自分達が自粛しても、他のメーカーや外国のメーカーが作ってしまうので同じだと主張するだろう。　アメリカ人の肥満とハンバーガーやポテトチップスの関係が取りざたされ、マグドナルドが揚げ油を変更した。日本でもスナック菓子メーカーの社会的責任が追求され、たばこのように「食べすぎは健康によくない」とスナック菓子の袋に印刷させられる日が来る。

  2009.03.05

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• 歌を忘れたカナリア

    　近年、市場主義経済の浸透により、お金を中心に世の中が回るという認識が蔓延している。医者は医療を、技術者は技術のことを考えるのが正しい姿。儲けを気にしすぎては、人の考え方も曲がり、社会もおかしくなる。　ただ単に金を稼ぐということではない。そのことの虚しさを誰しもが感じる時が来ている。歌を忘れたカナリアが歌を思い出すにはどうすればよいのか。金で買えるものには限界があり、金で買えないものにこそ、本当に素晴らしい宝があるということを体験的に理解させる必要がある。　一方、意欲のある者には金の心配をせずに道を究めることが出来る環境を与えることも重要。学校も企業もそれを可能にする懐の深さが求められる。国や企業、そして個人の持つ巨額な資産がこれに使われるようにしたい。

  2009.03.05

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• 新聞の逃げ

    　３月２日の毎日新聞社説は柏崎刈羽原発に関し｢起動には謙虚で慎重な判断を｣と題するもの。内容は今迄の経過を書いてあり、国はＧＯサインなのだが動かすには地元住民の理解が必要とあり、最後にこう書いてある。　「確かに二酸化炭素の排出抑制は大事だ。ただ、原発はひとたびトラブルが起きると、長期にわたって停止せざるを得ない。それが中越沖地震の教訓でもあったはずであり、原発の再起動には慎重な判断が欠かせない」大新聞の社説はいつもながら姿勢論に留まる。どちらに転んでも良いように心構えを説いて済ましてしまうのだ。　「原発はトラブルが起きると長期にわたって停止せざるを得ない」と言うが、トラブルにも大小があるにもかかわらず、日本では小トラブルでも長期に停止していることが問題なのではないか。そうなっている一つの原因にマスコミの報道のしかたがある。

  2009.03.04

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• 江戸の買いかぶり

    　エコブームに乗って江戸のリサイクル社会を賞賛する意見が溢れている。江戸時代は封建社会。言論の自由、移動の自由はなく、職業の自由もなかった。拷問や打ち首などの刑罰、飢饉、天災による大量死もあった。　着るものにしても浮世絵を見ると職人は冬でもせいぜい半纏一枚。ふんどし一丁の人足もいた。家も長屋でプライバシーなど守れない。物資は国内で回す以外なく、古着や紙の使いまわしは当たり前、寺社などの大規模建築も移設が多かった。　江戸のリサイクルや質素な生活はやむを得ずやってきた知恵であり、外国から物資や商品が入ってくるとたちまちこれは崩れた。現代人が感心するさまざまな工夫はエコ思想によるものではなく、厳しい制約の中から産まれてきたものだということを知っておく必要がある。

  2009.03.04

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• 政治家のユーモア

    　外国の政治家は議会で相手の攻撃に対して、あるいは記者会見で意地悪質問に対してユーモアを持って切り返す。麻生総理が国会の答弁で盛んに失言を繰り返すのを見ていると、麻生総理はなにか面白いことを言って、受けを狙っているように感じる。答弁中の得意げな表情がそれを物語っている。　ところが、答弁が、あまり面白くないどころか、妙なことを言ったために窮地に立たせることになっている。麻生総理は九州の出身だが、関西圏にはこの聴衆を笑わせるのが答弁者の才覚とする風潮があり、県議会や市町村議会のやり取りでも、結構、漫才のようなやり取りが聞かれることがある。　ユーモアというのは、根本的に気持ちに余裕があり別な見方が出来て初めて出来ること。相手の主張の弱点や見方が一面的であることを突いて、巧みにそれを聴衆に理解させなくてはならない。単に面白がらせようということだけでは、へたなコメディアンにもなれない。それをピエロというのだ。

  2009.03.03

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• 鑑定団の人気

    　「なんでも鑑定団」は長寿番組の一つ。全国どこでも開催しますといいながら続いている。会場は満員で、毎週楽しみにしている人も多い。「お宝」という言葉もすっかり定着した。この人気の秘密はいろいろある。　眠っている宝が発掘され、価値のあるものと判れば嬉しいもの。高額な評価が出ると自分のことのように嬉しくなる。自信たっぷりで出てきた出場者が、とんでもない偽物をつかまされていたことがわかり恥をかくのを見るのも楽しい。　中島誠之助（陶磁器）、安河内眞美（（古書画）、北原照久（玩具、レトロ、キャラクター商品）といった鑑定団のメンバーの、常人では持ち得ない専門能力も魅力がある。世の中すっきりしないことが多い中、ズバリ真贋判定をし、値段までつけてくれるので気分爽快。水戸黄門と同じようにすっきりするのが日本人好みだ。

  2009.03.03

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• 判断材料

    　飛行機はある確率で墜落するが、ビジネスや観光で海外に行く際にはこれに乗らなくてはならない。国内でも遠距離は新幹線より飛行機ということになる。飛行機に乗る際には、絶対に堕ちないと思って乗るわけではない。　地震がいつ来るかはまだ予測出来ないが、建物を建てるとなると耐震構造にどの程度金をかけるか決めなくてはならない。食品についても家庭で安全性を確かめることは不可能に近い。賞味期限を見てにおいを嗅ぐくらいだ。手術を受ける場合も医者を信用するだけだ。　今後は危険について確率によって判断する習慣をつけなくてはならないし、マスコミも大騒ぎするだけでなく何がどの程度危険なのかについて十分な判断材料を提供するべきだ。  

  2009.03.02

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• 怪物待望

    　「あいつは怪物だ」と言うがそれにはいろいろな意味がある。野球のルーキーみたいに将来楽しみなスケールの大きい逸材。特別に身体がでかいやつ。すごい力持ち。なかなか死なないしぶとい奴。　正義の味方に最後はやっつけられる怪物もいれば、アラジンの魔法のランプに閉じ込められているなんでも主人の言うことを聞く怪物もいる。日本で怪物呼ばわりされた選手も大リーグで怪物になるのは大変だ。　政治の世界でも、怪物とか妖怪とか呼ばれるような政治家は最近とんとお目にかからなくなり、怪物達の子供や孫がペットのようなひ弱さで議員をやっている。今の無難指向や二世議員の目立つ日本社会では、実業界でも政界でもなかなか怪物は現われにくくなっている。

  2009.03.02

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• 干ばつ地域に適した産業

    　干ばつに苦しむ地域が世界中にあるが、そこは太陽熱発電や太陽光発電に向いている土地。アメリカでは砂漠に近い都市もラスベガスなどたくさんある。その不毛の大地に巨大な装置を建設し、そこで出来た電力を都市に供給することが出来る。　そのための技術的課題は電力の輸送だ。既に日本では青森、福島、新潟の原発で起こした電力を東京まで数１００キロも送電鉄塔を建てて送電している。技術進歩により現在、そのロスは思ったより少なくて、数パーセントどまりだ。　アフリカの熱帯に近い砂漠では発電した電力を海岸から沖合いのバースに電線で送り、そこで船に積んだ効率のよいバッテリーに充電して、船で電力を海外に輸出することも考えられる。

  2009.03.01

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• ゴキブリと人間

    　爆笑問題の「ニッポンの学問」で昆虫ロボットをやっていた。出演した工学院大学の総長によれば昆虫は意思がなく、本能によって動くのでゴキブリロボットを作ることは可能だ。本物のゴキブリは尾っぽに「風センサー」があり、それで風を感じると全力疾走するような仕組みになっている。　人が近づくとその風を感じて一目散に逃げ出す。決して人の顔を見て恐怖を感じるのではない。昆虫の行動はすべてこのような単純な仕組みで出来ていて、ゴキブリの足は頭脳が命令しなくとも電線をつないで電気信号で動かせる。その動きを人間が見るともっと複雑な状況判断をしているように見えるだけだという。人間も個々の器官や細胞は昆虫のそれと変わらないはず。　人間の場合、何かを達成すると脳を刺激するドーパミンが出るが、これも反射的なもの。そのドーパミンで脳を満足させようと人間が行動するのかもしれない。結局、人間の行動も大半が昆虫システムでやっているのではないか。それを自分の意思だと勘違いしているだけではないか。

  2009.03.01

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• ボタンの恐怖

    　訪問先の会社でコピー機のスタートボタンのところに一枚１０円、カラーは１００円と書いてあった。便利になると人は安易にボタンを押すもの。ボタンは単に押すという簡単な動作でで何でも思い通りになる。ここまで便利にしてしまうと、ボタンはとても恐しい。ボタンは押すか押さないか二つに一つ。中間はない。　押してしまえば止められない。大きな装置のボタンを押すことで誤って人が死ぬこともある。核戦争のボタンも安易に押してしまうのではと心配だ。本当に大事なボタンにはカバーを被せたり、鍵が掛かっていたりするが、一度押すとどんな結果になるか、シミュレーションしてくれるものが出来ればと思う。　ボタンを押さなくてもある条件になると自動的に起動する装置などがあるが、これはためらいさえも感じることなく実行出来るという究極の恐怖装置だ。要は便利さを求めれば、それだけ問題点も出てくるということだ。

  2009.02.28

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• 矛盾

    　オバマはブッシュと違い、温暖化防止を支持している。不況克服も兼ねてグリーンニューディール政策を発表。一方で議会での大統領としての初の所信表明演説でアメリカンドリームを賞賛した。　オバマの言うアメリカンドリームが精神的なものに限定されるわけではなく、物質的なものも含むとすればこれは矛盾した話だ。アメリカンドリームの根底には、貧しさからの脱出、飛びぬけた富者になる夢がある。この飛びぬけた富者は勝利者として、敗れた人がどん底生活の中、どんな豪奢な生活も許される。　それをオバマは否定したくないと言い、アメリカのパワーの源だとした。温暖化防止が出来る世界は簡素な暮らしと他人と幸せを分かち合うことが夢である人々の集まりでなくてはならないから、これは矛盾だ。

  2009.02.28

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• インフラ大修理

    　国内の道路、橋梁、トンネル、鉄道などのインフラは二十世紀に営々と築かれたもの。特に高度成長期に造られたものが多く、寿命を迎えつつある。人材についても奇しくも同じ。戦後のベビーブームに誕生したいわゆる団塊の世代がこれに携わった。　その結果、どの分野においても技術力を持ち経験が豊かな人材は団塊の世代が中心。その世代が引退しはじめ、日本の技術力も陰りが出始めている。インフラこそ生活や生産の基盤。最優先で修理して次の世代に備えなくてはならない。　これを少しでも早くスタートさせることで団塊の世代から若い世代への技術伝承、経験付与が可能となる。この課題は日本だけに限らない。世界中の先進国で同じようにインフラの老朽化とベビーブーマーのリタイアが大問題。一方、途上国、新興国がインフラ整備に邁進している。これから全世界でインフラブームが始まる。

  2009.02.27

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• 宇宙飛行士の夢

    　ＮＡＳＡの宇宙飛行士に選ばれた日本人パイロットは記者会見で「宇宙から地球を見た感動を地上の皆に伝えたい」と表明した。今までの宇宙飛行士は口々に宇宙から地球を見たときに受ける強い印象について語っている。　日本人初の宇宙飛行士となったＴＢＳ秋山さんは田舎で農業をやっている。中には退役後に伝道師になった人もいる。日本人パイロットは科学的興味よりそのことに興味を持っているらしい。　ほとんどの大人は自分の職業に就きながら、人生とは何か、人間とは何かを問い続けている。人間として生き方の方に迷っている。「中年の星として夢を追いかけたい」ともコメントした日本人パイロットに期待したい。

  2009.02.27

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• 古い知識のまま

    　時事通信社は２月２２日、近畿２府４県で実施した「くらしと環境に関する世論調査」の結果をまとめた。それによると、６９．６％が地球温暖化問題は１０年後に「現状より深刻になる」と回答した。有効な温暖化防止策（複数回答）としては、太陽光・風力発電などの新エネルギーの利用を挙げる意見が８７．３％と最も多かった。　その他の対策は「省エネ推進」（６８．４％）、「水力」（３２．５％）、「天然ガス」（２１．１％）、「原子力」（１７．８％）の順だった。原子力については、「必要」（５８．６％）が「必要でない」（２０．６％）を上回った。これを見る限りでは、近畿地方の人々はまず新エネルギー、省エネをと考えている。これはマスコミの報道や各種のテレビ番組あるいは自治体の活動、学校教育のキャンペーンが浸透しているようだ。　「原子力」を抑えて３番目が「水力」というのはちょっと首をかしげる。水力は現在でも電気の１割程度しか供給しておらず、ピーク時の調整弁としての役割。全国の大規模開発地点はほとんど余地がなく、長野県のように脱ダム宣言まで出されている。新たな水力発電技術の開発を期待しているとも思われず、このような数字は人々の知識が古いままであることが原因だと思われる。

  2009.02.26

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• ハイヤーに乗る人

    　中央官庁や自治体は高級官僚や知事、市長などのために相変わらず運転手を雇っているが、大企業では近年、経費節減のため役員用の黒塗りの高級車を所有し、運転手を直接雇うことは止め、ハイヤー会社に委託するところが多い。それでもハイヤーはタクシーに比べて何倍も高価だ。　一般の人にとってハイヤーに乗ることは一生のうちにそう無い。以前、パイロットやスッチーがハイヤーで自宅と空港を送り迎えしてもらっていたことが話題になったが、いまだにハイヤーにのっているのが、大手マスメディアの記者。新聞社の旗をなびかせたハイヤーに若い記者が乗って、そんなに遠くない取材場所にも出かけていく。　マスメディアも経営が苦しいようなのだが、ずば抜けた高賃金とハイヤー使用は直そうとしない。温暖化や役所の無駄遣いについて世論をリードすることを標榜しているマスメディアにしては随分と違和感があり、既得権にしがみつくつまらぬインテリがそこにいる。

  2009.02.26

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• 日本語の心

    　なにげなく使っている日本語は日本人の心そのものだ。ＪＲの車掌が車内放送で「車内では携帯電話のご使用はご遠慮下さい」と言っている。「禁止です」と相手を傷つけるような言い方はしないのだ。スーパーのトイレにも「綺麗に使っていただきありがとうございます」と書いてある。　「いただきます」は自然の恵みと食糧を作ってくれた農家や調理をしてくれた人に対する感謝。「ありがたい」は有り難いと書き、仏教からの言葉。通常では起こり得ないことをしてもらったと、合理的な取引を超えたものを与えてくれた相手への感謝を表現している。　「さようなら」は、「左様ならば（さやうならば）」の「ば」が略されたもの。直接的に「別れよう」というのではなく、相手を気遣って別れたくないのだが...と余韻を残している。中学や高校の国語の時間で先生がこのことを教えて欲しい。

  2009.02.25

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• 舳先に立つ

    　映画タイタニックで有名なシーンは男女の主役が波を切って新大陸目指して快走するタイタニック号の舳先（へさき）で前方を見つめて女性が両手を広げるシーン。誰もが船の舳先で風を切る経験があるが、それは未来の入り口に立つ独特の感情をもたらすものだ。　生きていくことは、一瞬一瞬が過去になり、まさに未来のベールを少しづつ開けていくことであり、舳先の感覚に通じるものだ。過去を悔やんだり、将来を案じたりばかりするのではなく、この舳先の感覚を忘れないでいたい。　ケネディ大統領は会議などでじっとしていなくてはならない時に、よく資料の端にペンで小さなヨットの絵を描いていたそうだ。彼も自分がヨットに乗って海原を突き進んでいる想いをよみがえらせることで心を慰めていたに違いない。

  2009.02.25

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• 社会部主導のマスコミ報道

    　震度７の中越沖地震で１年半停まったままだった柏崎刈羽原発７号機の運転再開を原子力安全・保安院が認め、新潟県、柏崎市、刈羽村などの自治体がこれを認めるかどうかの段階となっている。地震後の設備の安全点検や必要な修理が終わったというのだが、地元住民は専門家の見解を聞くしか、判断の方法がない。　マスコミは例によって国や東京電力と自治体とのやり取りや駆け引き、反対する団体の活動は詳しすぎるくらいに報じるが、肝心の設備点検結果やどのように補強したか、あるいは次に大きな地震が起きた場合どうなるのかといったことはほとんど報じない。新聞社には科学部があるのだから、そこで技術の問題をわかりやすく解説した記事を載せるなど、読者の判断を助けるような努力をすべきだ。　大地震というめったに起きない自然災害をどう安全問題として捉えるのか、国が大丈夫と言っている根拠は何かなど知りたいことはたくさんある。視聴率を稼げそうな点だけを報道するのではなく、国民が知るべきことは、たとえ地味な内容であっても興味深く読ませる努力をするのがマスコミの役割だ。マスコミの事件中心、社会部主導はひどくなるばかりだ。

  2009.02.24

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• 電動バイクの普及

    　仙台にある創業４年目のバイクメーカー「イーモービル」が家庭のコンセントから充電すると約５０キロメートル走れるバイク（約１９万円）を作っている。最近業務用（約２６万円）も追加したが、燃費はガソリンバイクの１／５～１／８と経済的でメンテナンスも楽だ。　春には１００キログラムの荷物を運べる電動トラックを発売する。まだ鉛蓄電池を使っているが、今年中にリチウムイオン電池に変えていくという。郵政公社や宅配便業者がこれを採用すれば影響は大きいだろう。　既に電動自転車は売れ行き好調だが、途上国でもまず自転車がバイクになり、車に移行することを考えれば電気自動車に先駆けて電動バイクが普及してもよい。国や自治体の電気自動車への支援や補助の話は聞くが、バイクについても考えるべきだ。

  2009.02.24

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• 可能な贅沢生活

    　不便な片田舎に住んでいると、どこに出かけるにも時間が掛かる。近くに気のきいた店がない、娯楽施設がない。デパートがある街まで行くのに車で最低２時間は掛かる。そうであっても空気は良いし、きれいな水がふんだんに使える。　土地は安いから都会の何倍もの敷地。視界をさえぎる電線がない。車の騒音がない。昼は大きな雲がゆっくりと流れ、夜は満天の星空。窓をあけても隣の家は遠くに見えるだけで、声は聞こえない。たまに都会に行くと空気の悪さが嫌になる。畑の野菜を中心に調理をするから、冬は大根や白菜の煮たものばかり食べている。蕎麦打ちも楽しい。　こうしたものから精神の充実が感じられ豊かさが産まれる。在宅勤務でも年金でも貸しアパート運用でも、いくばくかの固定収入があれば、こういう贅沢な生活は可能だ。あとは都会の便利さや刺激は所詮つまらないものだという見切りが出来るかどうかだ。

  2009.02.23

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• 敬語の知恵

    　敬語を使うことで、初めて目上の人や上司、それからお客様と対等に会話をすることが出来る。もし使わなければ、立場が優位な相手とは最初からハンディキャップを覚悟しなくてはならない。　敬語を使わなければ立場が優位な相手からは生意気な奴と思われてしまう。反対に敬語を使った場合は、敬語を使われた側がハンディを埋められ、これは下手な口はきけないと緊張する。敬語は弱い立場の者にとって強い味方だ。　敬語が豊かなことは日本語の素晴らしいところでもあり、敬語によって封建時代も身分差を埋めて実質的な平等社会をそれなりに実現していた。これは巧みな社会制度であり、知られざる日本文化そのものでもある。

  2009.02.23

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• 空き時間の活用

    　出張中に列車の中でノートパソコンを開けてせっせと報告書を書いているビジネスマン。通勤電車が唯一の勉強時間というサラリーマンもいる。タクシーが客待ちで停車中、運転手がパソコンで子供の塾のテストの採点のアルバイトをしている例もある。　空き時間といえば高齢者。まだ頭のしっかりしている元気な高齢者が、外に出るには金が必要だから大勢自宅にくすぶっている。こういう人にインターネット上で出来る仕事をしてもらえば、年金の足しにもなるし若い世代の負担も少しは軽くなる。　なによりも社会とのつながりと生きがいを与えることが出来る。役所に期待するのは無理だが、人材派遣産業あたりで企業ニーズとつなげないものか。リクルートも若い人ばかりでなく、増えてきた高齢者に目を向ける時だ。

  2009.02.22

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• 納得できない価格

    　冬が来るとまたあの寒さに耐えなくてはならないのかと憂鬱になる。その冬の必需品がカレーうどんだ。それを食べるには手間と金は掛からない。スーパーで買ったうどんの玉を茹で、それに袋ごと温めたレトルトカレーをかけてかき混ぜれば良い。　レトルトカレーはＳ＆Ｂの「なっとくのカレー（大辛）」に限る。これをうどんにぶっかけて食べると、箸が最後まで止まることはない。冬の憂鬱が爽快さに変わる。　胃の調子の悪いときにこれを食べるとちょっと辛いが、その迫力の辛さが香辛料メーカーの意地を感じさせる。先日、このカレーをスーパーで８８円で売っていた。この安さはどうしても納得できない。

  2009.02.22

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• 温暖化の脅威

    　熱帯魚「カクレクマノミ」といわれてもピンとこないが、アニメ映画「ファインディング・ニモ」の主人公だといえばわかりやすい。このクマノミの稚魚が、二酸化炭素の濃度上昇によって酸性化が進んだ海中では、その嗅覚に異常を来たして臭いが嗅ぎ分けられなくなるとオーストラリアの研究チームが発表した。　研究チームは「酸性化がこのまま続けば、感覚障害によって多くの生物の個体数が減少、海の生物の多様性が失われるだろう」としている。酸性化は、大気中の二酸化炭素が海水に溶け込むことによって進行。２１００年にはｐＨ７・８にもなると予測されている。　温暖化が魚の嗅覚を狂わすとは驚きだ。自然界はものすごく微妙な仕組みとバランスで出来ていることをあらためて感じます。たとえ話「風が吹いたら桶屋が儲かる」はもう笑えない。

  2009.02.21

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• 先を読む力

    　　 　アメリカなどに比較して、人口に対する日本の弁護士の人数は異常に少ない。法律や規則がわからないわけではないが、日本人はああだこうだと縛られるのが嫌いだ。いざとなれば、法律や規則をたてにとって争うこともする。　しかし、争うことに伴うロスにもすぐに気がまわる。西洋人は不正をしないことは神様に誓うが、日本人は不正についても先が見えるので不正をやらない。「バカなことをしたもんだ」とは先が見えず、賢くなかったと言う意味だ。先を読んで自制することが身についていた日本人。　ラッシュ時の整列乗車も駅員に強制されているのではなく、そうすることが、一番公平で合理的だと理解しているから実行される。賢く先を読む力を様々な形で暮らしのなかで発揮してきたのが日本人だ。

  2009.02.21

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• こまやかな日本

    　大型書店で欲しかった単行本を見つけた。カウンターに持っていくと、手早くカバーをかけ、さらにポリ袋に入れてくれる。金を払ってつり銭とレシートを貰って、ポリ袋を見て驚いた。ポリ袋はその口が開かないようにセロハンテープで止めてあるが、そのテープの端を５ミリ程折り返してある。　よく、テープをピッタリ貼ってあると爪でやってもなかなかはがれないで苦労することがある。客がテープをはがしやすいように、テープを貼ったあと、目にも留まらない早業で折り返したのだ。　自動車や家電など細かく神経の行き届いた製品が世界から評価されている日本だが、サービス業も祇園のお茶屋の伝統がある。外国からの帰りはどうしてもＡＮＡにこだわる人がいるのも、日本人なら誰でもわかること。日本文化は我々の日常の生活の中にしっかり溶け込んでいる。

  2009.02.20

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• 電力間格差

    　日本には北は北海道から南は沖縄まで大きな電力会社が１０社ある。各電力会社のＣＯ２排出係数、即ち電気一単位を作るのにどのくらいの二酸化炭素を出しているかは電力会社によって差がある。　最も二酸化炭素の排出量が少ないのが関西電力で最も多いのが沖縄電力。その差は約３倍もある。理由は原子力発電だ。沖縄電力はまだ原発はなく、ほとんどが火力発電所。これに対して関西電力は原子力が全体の４２パーセントと日本の平均の３０パーセントを遥かに超えている。水力と合わせると実に半分以上を二酸化炭素を出さない電源でまかなっている。　福井県の若狭湾に美浜、大飯、高浜の３発電所合計１１基の原発を稼動させており、最近は運転が順調。これに続くのは九州電力、四国電力だがいずれも加圧水型原発を採用した会社だ。北海道電力、北陸電力、中国電力など比較的ＣＯ２排出係数の大きい電力会社は今、原子力発電所を建設を進めており、原子力比率を関西電力並みにしようとしている。 

  2009.02.20

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• 環境で描く人間の歴史

  　今までの歴史の教科書は技術の発達、新たな発見、宗教の広まり、強力なリーダーシップを持った国王によって政治経済が動かされるといった書き方だった。気候の変動や資源と人口の問題などには触れることがなかったため、どうして技術が発達したのか、どうして新たな発見や新たな宗教が起こったかなどの理由がわからなかった。　最近、環境問題や資源問題がクローズアップされ、太古からの人類の歴史も環境や資源から読み解く試みがなされている。国立日本文化研究センターの安田喜憲教授は地層のサンプルを採って、その場所が各時代どのような気候であり、どのような植物が生えていたかを知り、そこから人々の生活を想像する研究を行っている。　この方法で世界史、日本史を読み解き、国の興亡、民族大移動などが説得力を持って説明出来れば、歴史の勉強は格段に興味深いものになるだろう。それによって地球温暖化に対する人々の理解と協力も深まることが期待出来る。

  2009.02.19

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• シンプルなハイテク装置

    　人類は化石燃料に替わるエネルギーを求め、原子炉や核融合のような巨大で複雑な設備を造りだす方向に突き進んできた。それらは、万一の際の安全を確保するために複雑な制御装置や安全装置を何系統も持つ宿命を持っている。これとは逆にシンプルだが素材などにハイテクを使った開発の方向がある。　ソーラークッカーは、傘のような形の内側にアルミ箔を貼って集めた太陽の熱で水を温めてお湯にするキャンプ用の装置。晴れていれば３０分で１リットルのお湯が沸く。福井県の若狭湾エネルギー研究センターが開発した人の背ほどの小型太陽炉は、今月アラブ首長国連邦のアブダビで開催される世界・未来エネルギーサミット２００９の会場で展示される。　薄くて軽量なフレネルレンズを用い、出力１．４キロワットで１６００度の高温を作りだせる。巨大で複雑な装置ばかりでなく、こうしたシンプルなハイテク装置を分散型で使うか、ユニットを連結して大容量の装置にすることにも研究投資をしたい。

  2009.02.19

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• 風力発電はどこまで伸びるか

    　風力発電所は期待の自然エネルギーとして世界中で設置が進められている。高性能化や量産によりその発電コストも徐々に下がっており、火力発電所に近づこうとしている。風力発電所は効率を考えると年間を通して風の吹く場所を選んで建設されるが、開発が進んだヨーロッパなどでは適地はだんだん少なくなっている。　陸地では景観や低周波の騒音問題もあり、これから海岸から沖合いに建設が計画されていて、コストが高となるのでその制約も出てくる。最も自然エネルギーに力を入れているドイツでは２００８年の風力発電新規設置数は８６６基で、２００７年の８８３基から横ばいだった。　昨年、世界で最も成長をしたのは４年連続でアメリカ。２００８年は２００７年のほぼ倍であった。今後、風力発電は国土が狭く、人口密度が高い国では伸びず、広大な国土を持つ国々を中心に建設が進むと考えられる。

  2009.02.18

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• 省エネニッポン

    　国道を車で走っていると、全体のスピードが突然落ちる。あれっと思っているとたいがい、横道から年寄りの乗ったマイペースの軽トラックが車列に加わったことが多い。日本では農家のおじさん、おばさんは田んぼに行くにも、農協に出荷に行くのも、町に買い物に行くにも軽トラックですっ飛んで走る。　大工や左官の職人たちも軽トラックに道具を積んで、シートでカバーをして現場に行く。これに対してアメリカの農家はビッグスリー製大排気量の燃費最悪のピックアップトラックだ。　軽トラックが、狭い日本の田舎道で地方の人々の足として全面的に支持されている。燃費も良いが、税金も安い。こんな省エネな乗り物もないだろう。原付バイク、オート三輪、軽トラックというこの系列は日本人の知恵の結晶だ。 

  2009.02.18

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