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右手で傘を持ち、左手でゆっこの肩を抱いた。
彼女は逃げるでもなく、体を寄せるでもなかった。 サイズがぴったりのようで彼女の肩は私の腕にしっくりと収まった。 二人は黙って歩調をそろえて歩き、車に近づいていった。 ドアの前まできたときに、私は確かに雷に打たれた。 不意に左手に力をいれて彼女を引き寄せたのだ。 あたりは暗く、傘の中にいるという安心感もあって唇を近づけた。 次の瞬間には暖かい彼女の唇のを感じていた。 私は片手で彼女を抱いているだけだから、 するりと抜け出すのは簡単なはずだが彼女は動かなかった。 それをいいことに、私は長い間左手に力をこめたままだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2003.06.12 19:13:14
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