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やがてゆっこはむっくりと起きて一人でバスルームに行き
シャワーを浴びはじめた。 私も後を追った。 ゆっこは事務的に体を洗うとさっさと出て行ってしまった。 私がバスルームを出るともう彼女は着替えを始めていた。 手出しのできない雰囲気が漂っていた。 二人とも身支度を終えるとテーブルについた。 彼女はテーブルの真ん中を見つめるながら言った。 「あたし来月結婚するの」 「あのオジサンと?」 彼女は黙って細かくうなずいた。 やはりという思いとともに今までのことが頭をめぐった。 「そうか」 と言った後の言葉が出てこなかった。 二人はホテルを出ると駅までの道を黙って歩いた。 ただ腕だけは初めて会ったときのようにしっかりと組んでいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2003.06.12 19:08:24
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