2008/05/08(木)17:44
『アコギなのかリッパなのか』 畠中恵
21歳の大学生・佐倉聖は腹違いの弟を養うため、元大物国会議員・
大堂剛の事務所に事務員として勤めている。ここに持ち込まれるのは、
大堂の弟子にあたる議員からの様々な問題。飼い猫の毛の色が変わる謎、
後援会幹部が何者かに殴打された事件の始末、宗教団体へ入信の秘書が
寄進した絵画の奪還…などの厄介ごとに関わった聖は、元不良の負けん気と
機転の利く頭で、センセイ方顔負けの“解決”を成しとげてしまうのであった―。
昔は不良だった事務員が、元大物代議士のもとに持ち込まれる陳情、難題、
要望から、その裏にある日常の謎を解決する現代ミステリー。
(Amazonより)
『しゃばけ』シリーズでおなじみの、畠中恵さんの現代もの。
エピローグ・短編5編・プロローグからなる連作短編集です。
元大物国会議員の事務所で働く大学生・佐倉聖。
昔は大層な不良だった、という設定なのですが、
まったく『凄み』というものが感じられません。
『生意気盛りの中学生』といった感じでしょうか…(笑)
聖の雇い主である元大物国会議員・大堂剛は、甘いもの好き・
女好き・宝塚好き・厄介事好きのちょっと食えないおじさん。
大堂が気軽に引き受けてしまう、議員や秘書や支援者絡みの
ちょっとした厄介事を、聖がなんとなく解決していくというお話。
全体に流れるほのぼのムードは、どこか『しゃばけ』シリーズを
彷彿とさせるものがあります。
『ミステリー』として読むにはどうかな?という気がしますが、
『しゃばけ』シリーズが好きな方にはお奨めできそうな1冊です。