2008/07/30(水)15:17
『池袋ウエストゲートパーク』 石田衣良
ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。
刺す少年、消える少女、潰し合うギャング団・・・・・・命がけのストリートを
軽やかに疾走する若者たちの現在を、クールに鮮烈に描く大人気シリーズ第一作。
青春小説の爽快さとクライムノヴェルの危険さをハイブリッドした連続ドラマ化
話題作にして、日本ミステリー連作の傑作。 (本書紹介文より)
お気に入り登録させていただいているケント19さんにお奨めいただいた作品。
シリーズ全部を所持しているという高1の姪っ子から貸してもらいました。
「これ絶対面白いよ~!」という絶賛の言葉のおまけつきで♪
表題作を含め4つの物語が収録されている連作短編集です。
以前読んだ『アキハバラ@DEEP』もそうだったのですが、石田さん作品は
キャラクターがすごく魅力的ですねー。
主人公のマコトはもちろんのこと、脇を固めるキャラクター達がいい味出してます。
私は特に、元引きこもりで張り込みの天才(?)和範とマコトのお母さんが好きだなー。
殺人・売春・性的虐待・拉致・ドラッグ・ストリートギャング達の抗争・・・。
扱っているテーマは重いものなんだけど、マコト目線で描かれたちょっと冷めた感じも
ある軽めな文体のせいか、変な重苦しさを感じさせない。
でも、大切なことはしっかり押さえている、という感じ。
なんとなく飄々とした雰囲気のあるマコトだけど、池袋という街と仲間に対して
すごく熱い想いを持っていて、それを守るために必死に奔走する。
といっても、マコト曰く「あきれたボーイズ」(笑)な仲間達と繰り広げる作戦は、
どこか暢気というかコミカルな感じがあって、ちょっと楽しかったりして。
音楽を聴いているみたいにテンポがよくてサクサク読める面白い作品でした♪