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テーマ:フランス生活♪(80)
カテゴリ:フランス生活♪
アパートのドアを開けると、泣き崩れた娘が飛び出してきた。
”すぐに帰るって行ったのに。もう、ずっと待ってたんだから。ずっと1人で泣いてたんだよ。” 可哀相に、見ず知らずのお隣の人に電話してもらおうかと悩んでいたところだったらしい・・・。 ”ごめんね。お医者さんの所は患者さんが多すぎて、パパも診てもらうのにずっと待ってたの。ご飯にしようね” 娘も落ち着いて、2人で夕食を済ますと21時。 トトに病院に着いた?とメッセージを送ると、今、着いた所。と返答メッセージ。 続いて、”4時間待ちだって言われた。” "何???4時間待ちって???夜中の1時まで4時間、また廊下で待たされるの???” 急患の入り口の廊下で、誰も面倒を見てくれず、声をかけてくれる人もなく、荷物のように置き去りにされているトト。 夕食どころか、水ももらえないの? これには、私も茫然・・・・。 アパートに帰ってきたほうがよかったじゃない。 あたたかい食事もできるし、ベットに横になれるし。 先生の判断で、彼よりも緊急の患者が優先されることもあり、彼の番が来たのは夜中の2時過ぎだったようだ。 彼以外にも待たされ患者はいて、5歳ぐらいの男の子が、ひどい音の呼吸をしながら、 ”ママあ、ママあ、いたいいよお。”と苦しんで泣き叫び続けていたそうだ。 トトもさすがに尿が限界で、夜中に受付の人に頼んだという。 電気がこうこうと明るい、入り口のそばの廊下に置き去りの状態の彼を、多少暗い角に寄せてもらい、用を済ませたようだ。 ほとんど700mlの放尿。 ”あら、本当に限界だったようね。” 結局、彼が病室に運ばれたのは朝の5時過ぎだった。 お昼にメッセージを送ると、 ”もうだいじょうぶ。病室のベットに移されたし、朝食も出たよ。薬も点滴してもらってるし、やっぱり病院で良かったよ。” ふうう。。。。 その間に、例のCARTE LOISIRSの保険について問い合わせ。 カードの裏にも明記されていたが、MACIFだった。 何を言っていいのかまとまらず、聞かれるままに答えていると、 ”ではスキーでの事故で、緊急救助費用を補償しますので、請求書が着たら、こちらに書類番号を明記して送付してください” とのこと。 そして私の悩みは、”どうやって帰る??”だった。 冬の山道は運転したことがないからと、彼が運転してこちらに到着。 スイス越えの、かなりの山道だった・・・・。 高速は何とかなるとしても、山道+天候が心配だ。 すると親戚から電話が入る。 ”前にうちも同じように、だんなが腰をやられて動けなくなって、彼は救急車、プラス運転手を派遣してもらって帰ったのよ。” えー、そんなことができるんだ。 かすかな希望の光が・・・・。 それはそうと、トトの携帯の充電器、その他もろもろを届けるために、THONONの病院に車で出動することに。 スキーのリフト券のおばちゃんに聞くと、 ”40kmだから、45分ぐらいかしら。かなり山道だから、気をつけないと。” うーん、なんだか自信ない・・・・・。 パーキングの警備員に聞くと、 ”それは大変ですね。道は結構広いから、ゆっくり走れば大丈夫ですよ。私はTHONON在住ですから、17時15分に勤務が終わるから、その時間でよければ、車で病院まで誘導しますよ。” なんて、やさしいおことば。 でも、17時15分だと、お帰り渋滞に巻き込まれるし、帰りは暗くなりそうだから、やっぱり自信なし。 簡単な地図を書いてもらって、翌日の朝に挑戦することに。 私にとっては、決死の大冒険。 天気に恵まれることを祈って・・・・。 朝10時に出発、霧があるけど、道路も広く、車もほとんどなし。 明菜の歌姫をBGMに、スキーのように、左・右とゆっくりカーヴして行く道。 (なんとかなりそうだ・・・・・。) THONON 8kmの看板のころから、道は細くなり、崖がそびえる本格的な山道。 (えっ、岩が道の真ん中に!!・トンネルは1車線の譲り合い通行!!) 10時50分、無事に病院到着。 緊急病棟に行くと、 ”面会時間は、11時30分からです。” だって。 あと40分、キオスクで待つことに・・・。 トトに新聞を買って、コーヒーを飲んで、トイレに行って・・・ やっと面会に。 娘は点滴の投入口に血がついているのが怖かったようだが、彼はいたって元気。 一眠りして、落ち着いたようだ。 お隣さんのいびきが聞こえてくる\\\\. ”かなり待ったけど、やっぱり病院は医療に必要なものはすべて揃ってるし、安心だよ。アパートに帰ったら、君にも面倒をかけて、市販の薬だけで痛みも和らいだかどうか・・・・。いやあ、医療スタッフもみんな無駄がなくて、感心するぐらいだ” それは良かった・・・。 さて帰りについては、どうなるか。 スキャナーの結果を待って、医者が判断することになる。 例のCARTE LOISIRSだと、人に対する保険だけで、車については対象になっていない。 彼が救急車で帰る場合は、彼を運ぶための費用なので対象になるが、残る彼の車は保険対象ではないので、運転手をつけることはできないらしい。 救急車ではなく、彼が自分の車で帰るが、運転はできないという場合は、彼の運転を代行する運転手をつけられるとのこと。 親戚のように、彼は救急車+彼の車を運転する運転手を派遣の場合は、車の保険が必要になる。 彼の車は会社の車なので、問い合わせると、業務以外の場合は、保険対象にならないという。 うーん・・・・・・。 携帯で、保険関係の電話連絡ばかりしているが、MACIFの担当者も電話のたびに変わり、時々、親切丁寧にするべきことを教えてくれる人にあたると、どうすべきか見えてくる・・・。 車の保険契約番号をたずねられて伝えると、 ”あっ、そちらの会社もうちで担当させてもらっていますので、ご安心ください。救急車+運転手の手配が問題なくできます。”との返答。 なんだかよくわからないが、MACIF以外の保険会社でも、保険でまかなえるというのでお任せしよう・・・・。 新しく”RAPATRIER”というフランス語の単語も覚えた。 トトの落ち着いた顔も見れたし、保険で無事に帰れそうだし、やっと一息。 なんだか生きた心地がしない2日間も、なんとか終了だ。 調子に乗ったのか、娘を迎えに行ったスキー教室の帰りに、歩いていて、すってんころり。 強く腰を打ち、すぐには立てなかった。 (うう、私が運転しないと・・・・) 2日目に転んだ肋骨もまだ痛いし、洗い物の時に熱湯を手にかぶったのも腫れてジンジン・・・・。 やっと不安は解消したのに、あちこち痛いぞ。 トトはスキャナーの結果も異常なく、プロレスラーのようなキネの男性に歩く訓練を施され、その日のうちに救急車でアパートに帰ってきた。 腰痛のトトに、ヴァレンタインプレゼントで予約していたマッサージ・スパを私が行くことに(これぐらいは当然の権利のような気がします)。 4つ星ホテルで、アーユルベーダのマッサージ。 温めたセザムのオイルが心地いい・・・・。 ほんのしばしのくつろぎタイム。 娘は、スキー教室を堪能。 ベルギーのお友達とも住所交換をし、お免状もバッチもいただいた。 くまさんクラスだったのに、次の雪の結晶クラスを修了ということだった。 次回は、一つ星クラスに。 日曜の朝に、救急車と運転手の手配が完了したが、トトはずいぶん良くなり、土曜日には運転もしてみた。 ということで、今回はキャンセルして、彼の運転で(高速は私が担当)無事に家に帰ることに。 あー、夢のような(悪夢をみた)ヴァカンスだった。 アルペンスキーは、もうやらないことになるかも。 クロスカントリーか、雪山のお散歩か・・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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