ととろのにわ

2007/02/20(火)12:07

1級建築施工管理技士

きょうは...(62)

おはようございます。きょうは、現場監督にとってなくてはならない資格「1級建築施工管理技士」を自分が取得するまでのことを書こうと思います。 私は、建築系の大学を卒業してすぐに、いわゆる”ゼネコン”といわれる現場管理をする会社に就職しました。わたしはそれまで、”設計図さえあれば、建物なんて建つんだろうな”くらいにしか思っていませんでした...。いま考えると恥ずかしいですが...。現場監督がする仕事というものがわからなかったんですよね。 就職してはじめのうちは、会社で現場の手伝いで施工計画書の作成をしていました。そのうち忙しくなってきて、施工図も書いてくれと言われるようになり、一度も現場に出たことのない私は、見よう見まね、上司や先輩に説明を受けながら、見たこともない現場の”施工図”を書くようになりました。あるとき上司から、「現場に出たいか?」と聞かれて私は、「施工図をただ書いてるのでも、この線はいったい何を意味しているのかわからないから、現場に出てみたい」と言ったのがきっかけで、現場に出させてもらうことになりました。 やっぱり最初は、何をやっていいのか分けもわからず、先輩には怒られ、職人さんには冷やかされ、その現場は住んでいる場所からは車で片道40分くらいのところで朝も早かったので、慣れないうちはかなりつらかったです...。わたしはもともと朝が苦手なので(貧血気味で、その頃は夜寝るのが遅かったこともある...)、毎日遅刻しないか、ハラハラドキドキでした。 会社で建築部・土木部にいる女の子は、わたしただ一人...。仕事もわからないし、自分でいいと思ってやったことでも先輩に怒られるわで、会社に入って3年目くらいのときにはじめて「辞めたいな...」って思いました。で、さきほどと同じ上司に、「会社辞めます...!」って言ったんです。そしたら、「おまえはいったい何をやるんだ?(次の仕事という意味)」と聞かれ、「レストランで働きたい」と答えました...。そのとき上司はすぐに返事をくれず、2週間くらい待ってろ、と言われました。 10日間くらいたったとき、上司に応接間に呼ばれ、 「おまえ、現場に行って来い!」 と、今度は、現場代理人(先輩)とわたし(係員)の二人だけの現場に出されました。 「ぐぅぅ...、辞めれるんじゃないんだ...。」  そのときから、現場の段取りやら写真撮影やらをわたし一人がやることになりました。もちろんはじめは何にもわからなかったので、先輩に教えてもらいながらでしたが。それは、スーパーの新築工事で、摩擦杭+セメントミルクの杭工事があり、全本数(40数本あったかな...)の写真撮影がありました。写真撮影に夢中になり、施工の終わった杭の穴に落ちたこともありました...。もちろん、セメントミルクがなみなみと入っている穴にです...。 それから何年か経ってから、2級建築施工管理技士の資格を取得しました。先輩方の間では、2級建築士や2級施工管理の資格は、取ってもあまり大きな声では言えないというか、最初から1級建築士や1級施工管理に挑戦する人たちが多かったのです。でも、のちのち1級建築士・1級建築施工管理の資格を取るのなら、2級の資格はステップとして取っていたほうが良いと思いました。人によっていろんな考え方があると思いますが、2級の勉強をすることによって、1級のレベルがわかるということがあるように思うんですよね...。逆に、それにとらわれすぎてしまうこともあるようにも思います。 わたしが1級建築施工管理技士の試験を受けたのは、会社に入って6年目くらいのときです。全部で3回くらい受けましたね。会社に入ってから8年目でようやく取れました。わたしは、前にも書きましたが、腰が重いので、おしりに火がつかないとやらないタイプで、取得するまでに時間がかかったほうだと思います。学科に受かった年は、JVで毎日朝早くから夜遅くまで、現場で職人さんと打合せや写真撮影で、帰りが午前様なんて、忙しいときは毎日ありました。たしかその前の年に、某資格学校で1級建築士の授業を受けていたと思います。そのときに一度2級の学科に受かったことがあります。(結局そのときの製図受験は3回とも落ちてしまいましたが...)1級建築施工管理の学科試験で、70点台を取ることが出来たのですが、学科が終わってから現場のほうが前にも増して忙しくなり、あっという間に実地試験の日を迎えました。実地試験の前の日まで夜12時近くまで仕事をしていました。(試験を受ける他社の先輩たちも目の前で仕事をしていたため、早く帰ることができなかった...。)ネットで回答が閲覧できるようになると、先輩と答え合わせをしました。穴埋め問題と、文章問題があり、わたしは穴埋め問題の出来が悪く、 ”これは、失敗(落ちた)かな...” と、ショックを受けました。 2月の合格発表の時期になり、わたしは試験のことなどほとんど忘れていました。会社の先輩から、「そういえば明日、1級施工管理の合格発表だよな?」と声を掛けられて思い出したようなものでした。次の日、10時過ぎくらいに現場事務所のパソコンで発表になるHPを開き、自分の受験番号を探しました。 ”...あった...!” 「えぇーっ!!」と、自分でも信じられなかったので、これは何かの間違いだ!と、自宅に合格通知が送られてくるまで信じないでおこうと思いました。次の日自宅に帰ってみると、水色の封筒に”合格通知書”が...! 本当に信じられませんでした。 文章問題は、たしか、「足場を立てる前にすべきことを記入しなさい」というような内容の問題が出たので、そのときの現場で経験したことを、細かく書きました。実地試験の勉強にとテキストを買っておいたのですが、それはほとんど開くことがなく、自分の経験だけで試験に臨みました。試験を受けるときは、受かる自信などなく、わたしがそれまで現場でやってきたことを、細かく書きました。穴埋め問題は、ほとんどと言っていいくらい出来が悪く、どうしようもないと思っていました。 これから、1級建築施工管理技士の試験を受けようと思っている方々へ。全然参考にならなかったと思いますが、 現場でやっていることを、迷わずに、解答用紙に記入すれば良いと思います。 でも、出来るだけの準備は怠らないようにしてください。わたしの場合は、本当に、まぐれだったようなものなのですから...。 現場では、本当にいろんなことがあります。天候に勝てないものでもあります。台風が近づいてこようものなら、夜なんて気になって眠れやしないし(逆に何が起きても良いように準備万端でぐっすり...?)、コンクリート打設の日なんて無事に打てるか気が気じゃないし...。 でも、これから試験を受ける方々、頑張ってくださいね。現場監督がいないと、建物なんて建たないのですから。 これから1級建築施工管理技士の試験に合格して、晴れて現場監督になられる方々や、既に現場監督である方々からは、お叱りの言葉を受けるやも知れません...。私の説明が悪く、読む人にとっては誤解を受けるような内容、あるいは不謹慎な内容になったかもしれません。申し訳ありません。 ある意味でも、現場監督は命をかけてする仕事です。危険にさらされることも、毎日のようにあります。日々の危険予知、充分な準備があってこそ、成り立つ仕事です。 このような内容の資格取得までの道のりを書きましたが、私個人の体験を綴ったものである、という事を、どうかご理解くださいませ。 「こういう考え方もある。」という意見、どんなことでも良いので、お待ちしております。

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