テーマ:片思い(8)
カテゴリ:麦太との場合
「俺、言いすぎたかね?」
麦太が言った。 「何が?」 「こないだ、ナカニシさんに、言ったことさ」 「なんだっけ?」 ナカニシさんは、詩人だ。 生計のために、細々とながら、学習塾なんか経営してるけど、 おいらからすると、やっぱりナカニシさんの本質は詩人だ、って思う。 そのナカニシさんちに、集まった時のこと。 いざって時に、コンドームがなかったらどうするって話になった。 あ。 いきなりで、ごめんなさい<(_._)>。 つか、おいらたち、いつもこんなことばっか話してます(^^;。 ええ、 詩人ですから、 ナカニシさん。 パッション(情熱)ですから、 ナカニシさん。 『若いならいいけどな、買いに行って戻ってきても、また立つだろうからさ。 でも、俺ぐらいになるとな、立たせるのも一苦労だぜな。 インポにも困ったもんだよ。な、麦太くん』 『な、麦太くんて(^^;。 (俺にふるなよな by 麦太) まあ、53なら、もう、インポでもいいでしょう』 おいら、びっくりしたの、実は。 え、麦太、そんなこと言っちゃうわけ? だから、そんな麦太の問いかけに、言ったんだ。 「麦太、 あれ、自分が53になった時言われたら、ショックだと思うよ」 それに対して、麦太。 「でもさ、もう散々やってきたわけじゃない。 それに、今だって、奥さん、現にいるわけだしさ」 「そうだけどさ。 男同士ならさ、普通、気使って言わないもんじゃないの? まあ、そりゃ、ナカニシさんが、インポとは思えないけど」 「あたりまえじゃん。 俺だって、それ、前提に言ったに、決まってるだろよ」 なんだ。 なら、言いすぎたかな、なんて聞かないでよ、おいらに。 確かにそうなんだ。 インポの方は、インポの話題には、触れないとは思う(^^;。 「あのさ、男は一生現役でいたいもんなんじゃない? 麦太だってそうなんじゃないの?」 って、おいらが言った時、 麦太がつぶやいた。 「こっちは、まだ一仕事もしてないんだからさ。 53になったって、やりまくんなきゃなんないんだから」 「ふ~ん」 おいら、そういうのがせいぜいだった。 ふ~ん。 そっか。 麦太は、人生、それぐらい長期計画で考えてんだ。 男はいいよな。 53になったって、 若い妻でも見つけて、子供を作りまくることだってできるんだから。 それにくらべて、おいらの人生設計のなんと刹那的なことか。 だってさ、 タイムリミットがあるんだもんな。 麦太が53の時、おいら、あがってるよ。 多分。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[麦太との場合] カテゴリの最新記事
|
|