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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

喪と忌の話

今日電話で
「喪中なんですが神社にお参りしてもいいのでしょうか?」
と問い合わせがありました。

よく聞かれる質問です。

「そこの神社に聞いてください」と答えると
「神社に聞いたらお寺に聞いてくれと言われました」
「・・・・」

「おいおい、神官!きちんとしてくれ!」
と言いたくなります。

私が宮司なら
「3年間は参拝してはいけません」
といいたいところです(笑)

死の穢れについては
「延喜式」に規定されています。
だからもともと神道の話で、
神道が規定しなければ仏教では関係ありません。

また親類が亡くなったからといって必ずしも
穢れを受けるわけではありません。

喪家(葬式を出した家)に住んでいる人は全員穢れが移ります。

また喪家を訪問した人は穢れが移り、
そして、その人の家の住人も全員穢れます。

また喪家の人間の訪問を受けても
訪問された家が穢れます。

さらに・・・

だんだん複雑になってきました(汗)

興味がある方は
『お葬式をどうするか』ひろさちや PHP新書 
をお読みください。

ですから親類といっても葬儀に参加せず、
喪家も訪問しなければ全く関係ありません。

その穢れを恐れて昔の人はいろいろと考えました。

よく亡くなった人が三角の白い帽子をつけています。

これはもともと、棺桶などを担ぐ人がつけていたもので、
陰陽師のシルシともいわれています。
陰陽師の格好をすることによって
その法力を持って穢れに対抗したのでしょう。

すなわち穢れは恐ろしいものでした。
迷信ではありません。

伝染病などで次々に死者に接する人が倒れて行く様は、
まだ科学の光が当たっていなかった時代には、
まさに真実でした。

ちなみに忌中は四十九日までです。

ですからその昔は四十九日までの間、精進のものを食べて、
人に合わずに穢れが広がらないように
過ごさねばなりませんでした。

時代が下るにつれてそれが長すぎるという風潮が
出てきたのでしょう。
三カ月にまたがると、身に付くというゴロ合わせで、
四十九日が三カ月にまたがる場合には
35日で忌中を切り上げるようになりました。

すなわち、ただの語呂合わせで迷信です。
ごく最近では
「結婚式があるので四十九日を35日で切り上げて欲しい」
という例もあるようです。

本当は世間に出ること事態を控えるのが普通で、
結婚式などは辞退するのが普通です。

また、仕事があるので四十九日を日曜日に変えて欲しいという話も
ありますが、これなどは四十九日に出席するのも供養と
考えていただきたいものです。

一方喪は儒教から来たもので、社会に対して
「私は身内が亡くなって悲しんでいる」
ということをアピールする狙いがありました。

特に親が死んだら悲しみでしばらくは、仕事など手に付かないのが
普通で、平気で仕事をするような人間は人非人と思われました。

現代は人非人だらけですね。(笑)

ところで、よく喪中ですといわれますが、よくよく話を聞いてみると
親戚といっても遠いので、喪に当たらない場合が結構あります。

「喪中なんですが結婚式に招かれています。どうしましょう」

というのもよく聞く質問です。

当事者の場合(喪家の場合など)は取りやめにすることも多いので、
問題ありませんが、そうでない場合はほとんど問題が
無い場合が多いようです。

むやみに喪中にならないようにしましょう(笑)


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