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三人寄れば文殊の知恵

日本仏教の七宗派-浄土教

遠い昔、法蔵という菩薩が四十八の誓願を立てました。

その誓願のうち象徴的なものが18番目です。

「わたしが仏になるとき、すべての人々が心から信じて、
わたしの国に生れたいと願い、わずか十回でも念仏して、
もし生れることができないようなら、
わたしは決してさとりを開きません 。」

法蔵菩薩は長い間修行して仏となりました。
その仏こそが阿弥陀如来です。

阿弥陀如来が作られた世界が極楽浄土で、
来世にその極楽浄土に生まれ変わることが往生です。

よく気分がいいときに「極楽、極楽」などと使いますが、
本物の極楽浄土は苦が無く、
文字通り「極めて楽」な世界といわれています。

また、人が亡くなることを往生と言いますが、
厳密には往生とは「(極楽浄土に)生まれて往く」ことです。

この極楽浄土にいかにして往生するか?
というところに焦点を当てたのが浄土教です。

ただし、極楽は遊ぶところではなく
仏道修行をする場所ですので悪しからず。

日本人は業火と血の海の中で苦しむ人間達と、
立ちはだかる異形の鬼といった地獄のイメージを
持っていますが、この元になったのは
往生要集という著作といわれています。
これを書いたのが、
日本の浄土教の祖とでもいうべき源信僧都です。

源信僧都の時代は念仏とは現在のように口で
「南無阿弥陀仏」と唱えるだけでなく、
阿弥陀様や極楽を思い浮かべること(観想念仏)が
重視されました。

目を閉じると極楽や阿弥陀様が見えるように
ならなければいけないともいいます。
源信僧都は天台僧ですので天台の修行方法に基づいたのですが、
これでは大変な難行といわなければなりません。

そこで、口で「南無阿弥陀仏」と唱えれば
極楽に往生できる(専修念仏)と主張したのが法然上人です。

「南無阿弥陀仏」とはサンスクリット語の音写です。
「ナーモ、アミタ、ブッタ」というような発音だと
原語に近いかも知れません。

法然上人は天台宗の本山、比叡山で学びましたが、
観想念仏の困難さに疑問を持ち、誰でもが簡単に
極楽へ往生できるはずでなければならないと考え、
口で念仏を唱えるだけの専修念仏を主張します。

専修念仏めぐって天台宗と対立し、京都大原で
天台の碩学の僧を相手に問答を交わします。
結果として聴衆はすべて法然上人に帰依するという
完全勝利を得ますが比叡山を追われることとなります。

ちなみに

「南無阿弥陀仏」は念仏
「南無妙法蓮華経」は題目
「南無大師遍照金剛」は御宝号といいます。

さて、誰にでも出来る「専修念仏による極楽往生」
という道を開いたように思える法然上人ですが、
どんな修行をしていたのでしょうか?

なんと毎日6万回の念仏という
すざましい行をしていたのです。

融通念仏宗の祖とされる良忍上人も
同じく毎日6万回の念仏を唱えていました。

ちなみに源信僧都は生涯に念仏2億遍!
を唱えたといいます。

阿弥陀如来の慈悲に救われる(他力)はずの浄土教の先人達は
必死の形相で極楽往生を目指していたのです。

他力とはいえ救われるためには死にもの狂いになる。
阿弥陀如来を心から信じきってこそ、
亡くなった時に極楽に往生が決まる。

この常識がついに打ち破られます。

「必死に救いを求めなければ救われないとはおかしい」
「阿弥陀如来の慈悲はそんなに小さいものではない」
「だから阿弥陀様の名を叫んで救いを求めた時に
 既に救われるはず」

そう考えたのが親鸞上人です。

日本人は信仰に形より心を求めます。
それを体現したのでしょうか?

親鸞上人は戒律をも捨て、阿弥陀様に救済されるための念仏をも
否定した絶対の他力を確立します。 

さて、浄土教について見てきましたが、
その違いがお判りでしょうか?

法然上人の系譜が浄土宗。

親鸞上人の系譜が浄土真宗です。

同じ阿弥陀如来の慈悲にすがる教えとはいえ、
その差は歴然です。

浄土宗は戒を守り、念仏を唱えることにより
極楽往生を目指します。
当然日常生活でも功徳を積むことが
必要とされます。

一方、浄土真宗は、戒はありません。
努力もする必要はありません。
念仏を唱えますが、それは既に
救われていることにたいする
報恩感謝の念仏です。

浄土真宗の方が優しく思われますが、
そうではありません。

妙好人と呼ばれる念仏の体現者達は、
たとえ、自分の身に災難が降りかかろうとも、
感謝の気持ちで持って受けとめたと言われます。

現実路線の浄土宗、理想論の浄土真宗のように思います。

それが故に、親鸞上人がインテリを
魅了したのではないでしょうか? 


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