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三人寄れば文殊の知恵

日本仏教の七宗派ー日蓮上人の教え

日蓮宗は48本山、真言宗は18本山と
他宗派に比べ本山がいくつにも割れています。

実際はもっとあるでしょう(苦笑)

真言宗が分かれているのは自民党の派閥のようなもので、
利害関係で分かれているだけです。
教義的な違いはありません。

ところが日蓮宗は、新左翼のように細かい教義の違いで
分かれていることが少なくありません。

さて、真言僧には何故か日蓮上人が嫌いな方が多いです。
日頃から物静かな方でも、日蓮上人のこととなると
感情的になる方がいます。

多分、真言宗という日本仏教の中でも許容範囲の広い教えと、
日蓮宗という極めて限定された教えの差もありますが、
折伏という激しい布教方法をとるためかもしれません。

折伏とは相手の邪義を許さず、
徹底して論破することにより導く教化法です。

当時は天変地異が起こり、疫病、飢饉によって
国土が荒廃していました。
そのような時代背景にあっては折伏のような苛烈な布教方法が
適当だったのかも知れません。

その時代にあっても、折伏というのは
比叡山、高野山、四天王寺、三井寺等で学び
日本第一の智者と豪語していた日蓮上人にして
初めてなしうる教化法だったと思われます。

現代の某新興宗教団体が「折伏」という言葉をよく使いますが、
まねできるような代物ではないといえるでしょう。

日蓮宗の教義を一言で語ると
「南無妙法蓮華経」(法華経に帰依する)と唱えなさい
ということです。

お釈迦さんの滅後次々と経典が作られ、
仏教経典は八万四千の法門といわれるくらい
多岐にわたっています。

インドではその膨大な経典について
問題にされることはありませんでしたが、
中国ではその経典の優劣が考えられました。

つまり、どれが一番すぐれた教えが
検討されました。

そこで、法華経がお釈迦さんが最後の八年間に説いた
もっとも重要な教えだと考えた宗派が天台宗です。
したがって天台宗では法華経が
もっとも重要な教えとされました。

その法華経の説くところは
「すべての人が仏となれるはず」
「お釈迦さんは遥かに昔から存在して永遠の存在である」
(久遠実成)
「したがって、現在もお釈迦さんは我々を
助けようとしているので我々は仏になれる」
ということです。

ここから日蓮上人独特の論が展開されます。

日蓮宗で最も重要なのは時代背景です。

お釈迦様が亡くなってから500年間は
その教えが正しく伝えられる(正法の時代)
さらにその後1000年間は教えの形だけが
伝えられる。(像法の時代)
その後は教えが及ばなくなる(末法の時代)
と考えられており、日本では1052年が
末法元年と考えられていました。

その末法の時代にはお釈迦様の教えが伝わっていないので
従来の仏教の修行方法では悟りをえられない。
真実の教えである法華経に帰依して

「南無妙法蓮華経」と唱え
現世を浄土に変えてしまおうという教えです。
日蓮宗が嫌われる理由は戦闘的であることですが

「念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊」

と他宗派を過激に攻撃したのは何故でしょうか?

日蓮上人は著書で

「正しい法(仏法)が行なわれていない国には
三災七難が起こる」

と書いています。

すなわち、天変地異が頻発していた当時にあっては
それなりに説得力のあった説といえるでしょう。

それ故

「正しい法(法華経)に帰依して国家の安泰をはかれ」

と為政者に迫ったのであり、

邪宗(法華経以外の教え)は国を滅ぼす教えだとして
攻撃したのです。

当然のことながら他宗は一斉に反発します。

ところが恐ろしいことに法華経には
この教えを悪世で広めると迫害を受けると
書いてあります!

すなわち他者から攻撃を受けることは
法華経の正しさを証明するのです!

それ故、迫害を受ければ受けるほど、
過激になって行く負の連鎖が
法華経にはあるといえます。

日蓮上人の同時代に忍性菩薩といわれる真言僧がいます。

一般的にはあまり知られていませんが、
日蓮上人の伝記には必ず

「極楽寺 良観」

として登場します。

当時は天変地異が起こり、
国土が荒廃して庶民は苦しんでいたにもかかわらず、
真言・天台をはじめ既成仏教は
それを救済する手段を持っていませんでした。

そのため、一部の僧は庶民救済を目指します。

一つの流れが、鎌倉新仏教。
もう一つが既成仏教の改革の流れです。

真言律宗を開いた興正菩薩叡尊は
戒律の復興を行いそれと共に
社会救済活動を行ないました。

その高弟で東国に活動を広げたのが
忍性菩薩です。

橋を架け、道路を作り、井戸を掘って
庶民の暮らしを豊かにしていきます。

さらに極楽寺に「救らい」施設をつくり
20年間に五万七千人を治療し、
四万六千人が治ったという奇跡を起こし、
生き仏と崇められていました。

その住持していたお寺の名前のごとく、
現世に極楽を出現させたのです。

一方日蓮上人は現実の暮らしを変えていく
活動ではなく、あくまでも己の信ずる教義に
忠実に行動していきます。

すなわち、ただひたすら法華経を広めることにより
現実の世界を浄土に変えていこうとしました。

果たしてどちらが宗教者としてすぐれているか?

難しい選択かもしれませんが、
私は日蓮上人に軍配を上げたいと思います。
その姿には理想の宗教家像が
映し出されているように思います。


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