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三人寄れば文殊の知恵

犯人はくじ引きで決める

ある仏教系の学校での話です。
そこは寮があり、約70人の寮生を数人の寮監が見ていました。
ちょっと多いように感じますが、寮監は寮を見るだけでなく、
生徒たちを僧侶として育てるための指導教官も兼ねていました。

その寮監の中に一人素行に問題のある人がおり、自分のことは
棚に上げて、寮生には厳しくしておりましたので、
うらまれていました。

あるときその寮監の部屋に「殺してやる」
という文書が投げ込まれました。
そのうわさが広がると寮生は「天罰だ」
「ばちがあたった」「いい気味だ」
と犯人を褒めたたえました。

ところが、面白くないのはその寮監です。
校長先生にそのことを報告しました。

校長先生は寮生全員を集め、
「文書を投げ込んだものは申し出るように」
といいましたが、誰もやりましたとは言いません。

校長先生は犯人が判るまでは全員外出禁止を申し渡し、
「後からでもやったものは申し出るように
また誰がやったか知っているものは報告するように」
そういい残してその場を去りました。

誰が犯人かいくつかの情報があったようで、
何人かの寮生が呼ばれました。
しかし、それでも犯人は判りませんでした。

そして、ついに寮生全員で問題をどう解決するか、
集会が持たれました。 

何人かが発言し、

「この問題は文書を投げ込んだ当事者だけでなく、
そういう環境を造った全員に責任がある。
だから全員が反省するために写経を行う」

という意見がだされ、
それを寮生の総意としようとしました。

その時です、一人の寮生が発言を求め

「誰が犯人か見つける方法がある。」

といいました。

全員が注目しました、
ところが意外な言葉が吐かれました。

「犯人をくじ引きで決めよう」

一斉に笑いが巻き起こりましたが、本人は真剣でした。

「全員で責任を取るということは、責任をあいまいにすると
いうことでもある。かといって誰が悪いか、
今のままでは決められない。だから、本堂でくじ引きをして
責任の所在を明らかにしよう。」

とても理解に苦しむ意見でした、
「そんなもの誰がするか」「するなら一人でしろ」
と罵声が飛びました。

しかし本人はみんなを説得しようと続けました。
「誰が悪いか仏様に決めてもらおう。たとえ犯人でない人間が
選ばれたとしてもそれは菩薩道ではないか。」

さすがに仏教系の学校でした。賛同者が出ました。
その寮生は言いました。

「僕が犯人になろう、後の犯人はくじ引きで決めてくれ。」

この話を皆さんはどう思われますか?


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