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三人寄れば文殊の知恵

中予の山岳霊場(44番、45番)

久しぶりの雑記帳です。

内子の町から山間に入っていきます。

こんな山奥にと思うようなところまで人が住んでおり、
耕作されています。

かつて五十崎で野宿したことがあります。
昼間歩き続けて、なかなか野宿場所が見つからず、
ようやく暗くなってから、寝る場所を見つけました。

うとうとしたと思われる夜半に、雨が降り出して水が
寝ているところに流れてきて眠れなくなりました。

止むを得ず、雨の中暗闇の中を歩き出しました。

寝不足で足の疲れが取れていないため、少し進んでは休み、
少し進んでは休みを繰り返します。
久万町に入る手前の登りで、ついに足が疲れるため
下れない状態になりました。
上るしかありません。

足を引きずるようにしてひわだ峠を越えて久万へ入りました。
久万の町が見えた瞬間、何故か涙があふれてきて、
四国へ受け入れられたという感じがしました。

久万の町の外れに44番大宝寺があります。
大宝寺は樹齢200~300年ぐらいの
杉の大木に囲まれた霊気あふれるお寺です。

門前の土産物屋さんも親切で、何度かお接待いただきました。

一方久万は高原のため朝夕には気温が下がりますので
野宿には適さないと思われます。

また久万で宿を取り、45番岩屋寺へは荷物を置いて
打戻する方法もあります。 

44番大宝寺から45番岩屋寺へ向かうと、
ちょうど孫悟空が出てくるような?奇岩の山が現われます。

そこが古岩屋で、45番岩屋寺への登り口です。
古岩屋礫岩峰といわれ、四国カルスト県立自然公園の一部に
なっています。

ところで、安達忠一氏の「四国遍路だより」(多くの歩きへんろの人が
持っている「へんろ道保存会」のガイドブックのタネ本)
によるとここに「古岩屋山善通禅寺」という
番外霊場が存在しています。

しかし、そのような有名なガイドブックに載っている番外霊場にも
関わらず、現在では跡形もありません。
近くで尋ねると少し離れたところに「善通寺」というお寺が
あるそうなので行って見ました。

いきなり訪問したにも関わらず、いろいろとお話をお伺いできました。

「善通寺」の住職さんは以前は他の職業をされており、
ある程度の年齢になってから住職になられたそうです。
四国在住なので少しは四国遍路の勉強でもしようとガイドブックを
買われたところ、自分のお寺が載っていたので驚いた!
ということです。

「古岩屋山善通禅寺」については先々代の住職が生活の足しに
なるようにと、古岩屋の大師堂で納経を書いていたのが
はじまりではないか?
せいぜい納経をしていた期間は10年ぐらい!ということでした。

意外な回答にびっくりしてしまいました。
安達忠一氏が記録に残していることからして、それなりに
知られていた番外霊場であることは間違いありません。

それが彗星の如く歴史の表舞台に現れて足跡を残し、
すぐに歴史の闇へと消え去っていたとは!

ところで「善通寺」の住職さんはいかにも正直そうな方でした。
汚らしい歩きへんろ姿の私が帰るときには夫婦で見送りまで
していただき、恐縮しました。

このお寺に限らず何故か臨済宗のお坊さんには
大変お世話になりました

かつて昭和40年代多くの山寺の札所が
車の進入を拒んでいました。
しかし時は流れ現在ではほとんどの霊場が
車による参拝を認めています。

唯一本堂へ通ずる車道が無い札所、それが45番岩屋寺です。
現在でも車によるお遍路さんも麓(古岩屋)からのだらだら坂を
1キロ近く歩いて境内まで上っていきます。

しかし正式な遍路道はその反対側から山を超えるルートです。
本堂の上は行場となっており、岩屈が沢山あります。
10年ぐらい前にはこの岩屈で行をする行者さんがいました。
四国八十八の霊場はもともと行場から始まったといわれますが、
境内で行を行える札所は多くはありません。

その行場のようなところを下って行くと、
山門があって境内に入ります。
本堂は見上げるばかりの岩山に張り付いており、岩のかけらが
落ちてこないか不安にさせます。(笑)
また本堂の上には「せり割り」という行場がありますが、
行をするには住職の許可が必要とされています。

現在でも数少ない古い霊場の面影を持つ札所といえるでしょう。

ここから久万町に戻り、国道沿いに三坂峠を目指します。

余談ですが、途中に久万スキーランドの看板があります。
初めて四国に来た時は「九州は阿蘇にスキー場があるが、
四国にはスキー場は無い」と聞いていましたので驚きました(苦笑)

本州のスキー場ほど大きくありませんが、
愛媛には久万、美川、小田、石鎚と4つ、
徳島の井川、剣山、香川の雲辺寺と合わせてなんと7つもあります!

また久万の付近では「りんご」も取れます!

少し間が空いてしまいましたが、久しぶりの雑記帳です。

三坂峠から山下りです。
ここは車道ではない山道がありました。

あるとき夕方に三坂峠を下ったことがあります。
予想より早くあたりは暗くなり、途中のアズマヤで
一夜を明かすことに決めました。

テントはなく寝袋しかありません。
懐中電灯は何かの時に使用しなければなりませんので
使えません。
すなわち真っ暗な闇の中で過ごさざるを得なくなりました。
普段文明の利器の中で生活している身であるがゆえ
大自然の中に放り出されるとこんなに無力なのでしょうか?

多分最寄の民家まで2キロぐらいです。
しかし、何かあっても逃げられる距離ではありません。
藪が動くたび、あるいは風で木々が揺れるたびに、
また動物の鳴き声が聞こえるたびに怖い思いをしました。
泊まるところがあり、お風呂に入れ、食事があったら
どんなに幸福でしょうか?

昔の人はそのような自然を恐れ、ある時は神と崇め仏にすがり、
あるいは信仰によって克服し、または戦ってきたのでしょう。
その結果が今の時代だとしたら、複雑な気がします。

眠れない一夜といいたいところですが、しっかり寝て
翌朝46番札所浄瑠璃寺へ向かいました。 素光


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