殺人被害者3924人に対し死刑は8人、無期懲役31人という現実
いきなり衝撃的なタイトルですが、たまたま刑法犯を調べていた時に、法務省の犯罪白書にたどり着きました。平成30年度版犯罪白書資料2-4 地方裁判所における死刑・懲役・禁錮の科刑状況(罪名別)これを見て結構びっくりしました。平成29年度の殺人犯は234人死刑 3人無期懲役 7人懲役20年~30年 7人懲役10年~20年 66人懲役3年~10年 75人懲役3年以下 76人(うち執行猶予57人)死刑になるのは 1.3%無期懲役が 3.0%20年~30年 3.0%10年~20年 28.2%つまり、殺人でも三分の二は10年以下の罪なのだ!死刑になるのはたった3人。さかのぼってみた平成28年度の殺人犯は317人死刑 1人無期懲役 9人懲役20年~30年 13人懲役10年~20年 79人懲役3年~10年 112人懲役3年以下 103人(うち執行猶予81人)平成27年度の殺人犯は314人死刑 2人無期懲役 7人懲役20年~30年 16人懲役10年~20年 77人懲役3年~10年 118人懲役3年以下 94人(うち執行猶予78人)平成26年度の殺人犯は274人死刑 0人無期懲役 2人懲役20年~30年 5人懲役10年~20年 75人懲役3年~10年 109人懲役3年以下 83人(うち執行猶予67人)平成25年度の殺人犯は318人死刑 2人無期懲役 6人懲役20年~30年 20人懲役10年~20年 78人懲役3年~10年 108人懲役3年以下 104人(うち執行猶予87人)5年間の合計で見てみた。殺人犯1457人死刑になるのは 8人 0.54%無期懲役が 31人 2.13%20年~30年 61人 4.19%10年~20年 375人 25.7%3年~10年 522人 35.8% 3年以下 460人 31.5%(うち執行猶予370人 25.4%)殺人は結構重い罪になると思っていたのですが、意外に軽い。さて、被害者のほうはどれだけいるのか?法務省の犯罪白書はわからなかったので、こっちから持ってきました。統計 刑法犯による死亡被害者数と殺人認知件数・検挙件数平成29年度 被害者 710人 平成28年度 被害者 752人 平成27年度 被害者 802人平成26年度 被害者 841人 平成25年度 被害者 819人 被害者は5年間で3924人!(被害者は未遂事件を含んでいます)殺人犯に比べて多くないですか!さらに衝撃的なデータがあります。殺人事件の検挙者を調べると以下の通り。平成29年度 検挙者 930人平成28年度 検挙者 901人平成27年度 検挙者 938人平成26年度 検挙者 1010人平成25年度 検挙者 950人4729人が検挙されています。常識的に考えて、1457人の犯人が、3924人も殺したというのは多すぎるでしょうから、検挙者と同じくらいの4729人程度は犯人がいるでしょう。しかし、1457人しか罪に問われていない。無罪になったケースもあるのでしょうが、それは少ないだろう。起訴されないケースが多いのではないかと思って調べてみた。平成30年犯罪白書 第三節 被疑事件の処理 起訴・不起訴人員等の推移平成29年度 起訴率 37.5% 平成28年度 起訴率 38.2%平成27年度 起訴率 39.1%平成26年度 起訴率 38.5%平成25年度 起訴率 38.9%殺人犯だけに限ったデーターがないのですが、起訴されないケースが多いというのがわかる。しかし昭和60年度 起訴率 60.1%平成の前半は起訴率が50パーセントを超えてたのになぜか平成15年ごろから起訴率が急激に下がっています。平成29年 185,868件昭和60年 184,433件総数は変わってないようですが、理由はなんとなくわかります。平成一桁までは、犯罪が10万件近くまで減少していたのがその後増加に転じ、また減少しています。平成 4年 117,123件昭和18年 253,150件バブルの時代には犯罪が少なかったということですね。結局、検察が急激な増加に対応できず、不起訴を増やしているという事になりますかね?殺人容疑者4729人のうち、罪を問われたのが、30.8%の1457人。そのうち、全体の10%の475人しか懲役10年以上の罪に問われていません。殺人を犯しても2割は10年以下の懲役無罪・不起訴になるのが7割、死刑・無期懲役がわずか1%の39人となると人生を奪われた3924人の殺人被害者は納得できるとは思えません。私は死刑には反対ですが、殺人犯にはそれなりに罪を償ってほしいと思います。いかがでしょう?追加です。>ぶち殺しても初犯なら懲役3年程度、>普通なら執行猶予までついてお得です。というコメントがありましたが、弁護士の回答では初犯でも懲役10年以上となっております。なお、殺人罪は懲役5年以上の罪ですので、単独犯の場合には最低でも5年以上になり、執行猶予は原則としてつきません。