|
|
|
2017年03月27日
カテゴリ：四国遍路
ご無沙汰しています。
しばらく、ログインできなかったので放置しておりました。 さて、先日こんな判決がありました。 巡礼妨害訴訟 四国霊場会の請求棄却 高松地裁 ～～～～～～以下引用～～～～～ 四国霊場札所８８カ寺でつくる「四国八十八ケ所霊場会」（香川県善通寺市）が、６２番札所・宝寿寺（愛媛県西条市）の住職に対し「納経の受付時間を勝手に短縮するなどして巡礼を妨害している」などとして、妨害行為の禁止などを求めた訴訟の判決が２２日、高松地裁丸亀支部であった。小川雅敏裁判長は「被告は同会の正会員とは認められず、規則を履行する義務はない」などとして、原告側の請求を棄却した。 判決理由で小川裁判長は、同会は四国霊場の発展などを目的とする任意団体であり、被告が宝寿寺の住職であるという理由で加入を強制できる法的根拠はないと指摘。被告が同会に対して入会の意思表示をした証拠もなく、正会員とは認められないとした。 納経の受付時間の短縮に関しては、納経所の運営は各寺が行うもので、同会の運営要領は納経の受付日や受付時間などの事務的な定めにすぎないと判断。運営要領に従った納経所の運営が信教の自由にかかわるものとは認めがたいとし、原告の請求には理由がないと退けた。巡礼の妨害行為の有無には言及しなかった。 判決を受け、原告の代理人は「事実の認定や法令の解釈を誤った不当な判決だ。霊場会と協議の上、控訴する方向で考えたい」と話した。被告の代理人は「一切取材はお断りしている」とコメントした。 霊場会の運営要領では、納経所は年中無休で午前７時から午後５時まで休まずに参拝者を受け付けると定めている。霊場会は、宝寿寺の住職がこの決まりに沿わず、受付時間を勝手に短縮したほか、参拝者に暴言を吐くなどしていたと主張していた。住職側は、妨害行為はなかったと反論し、霊場会には「会員にはならない」と通告しており、運営要領などを守る義務もないとして請求棄却を求めていた。 ～～～～～～以上引用～～～～～ 徳島新聞2017/3/22 14:21 この問題が訴訟に持ち込まれた経緯は知りませんが、徳島新聞の 社会面では県内の札所住職も訴訟に持ち込まれたのは「不幸なこと」 「円満に解決するのが望ましい」と語っていますし、納経時間の短縮も 検討していると書かれています。 まあ、訴訟したところで裁判所が宗教的な判断をするわけでないので 納得するような結論が出るわけではないでしょう。 この件については各社の配信記事がかなり違っていますが 重要な点は二つ。 １ 運営要領で午前７時～午後５時とされている納経所の受付時間を短縮 ２ 参拝者に暴言を吐いた これが巡礼の妨害に当たるかどうか。 まず、納経所の受付時間を短縮するのは問題なんでしょうか。 お遍路さんからすれば、納経時間はできるだけ長いほうが有難いと 思いますが、一方で寺院からすれば無制限に納経を受け付けられない 事情があります。 私は四国の某番外札所に３か月程度居候していました。 そのお寺の住職は一応午前７時から午後５時まで納経すると 取り決めしていたものの、現実には連絡を受ければ何時でも 納経を受け付けていました。 さて、どうなったか。 早い時は午前５時前から、遅いときは午後１１時過ぎまで 納経の依頼がありました。 年配の住職と奥さんはお遍路さんの納経依頼があればいつでも 受けるという考えで、それは立派な態度だと思います。 しかし、現実的に考えたらいくら遠方からやってくるお遍路さん とはいえ暗い時間の訪問は失礼ではないかと私は考えておりました。 お遍路さんの立場からすれば、お寺に到着して納経所に行ったら ５時を５分過ぎて納経を受けられなかった。 たった５分と考えるかもしれません。 ただ、朝の５時前や夜１１時過ぎにやってくるのはいかがなものか。 この話は２０年以上前、アラサーの私が遍路をしていると 「若いのにどこか身体が悪いのですか」 と聞かれ、四国遍路でお大師様にすがり病気を治すという考えが 残っていた時代で、しかも番外霊場での話です。 当時はまだ、遍路宿では相部屋が普通に残っていて、個室といっても 襖で仕切られているだけ、他の人の部屋を通らないと自分の部屋へ 戻れないという恐ろしい宿でもみんな文句言わずに止まっていた時代。 「四国遍路は身体作りから」と信仰色が薄れ、遍路宿を無断キャンセル するお遍路さんがいたり、行政が四国遍路を売り物にして観光客を 呼び寄せようとする今の時代ならば札所は２４時間営業にしても 門前が暗いだの、看板が解らないだの、対応が遅いだの 文句を言われるような気がする。 納経時間など常識的な時間として午前９時から午後５時までで 良いのではないか？さらに昼休みの１２時から１時まで休み。 その時間なら６２番札所の宝寿寺も文句はあるまい。 お遍路さんだから９時では遅く早くから開けてほしいというのなら、 午前７時～午後３時ぐらいでもいいのではないか？ 銀行は今時３時で終わりますが文句を言う人がほとんどいないのが 不思議です。 四国遍路はお参りが主です。ほとんどの札所は２４時間お参りできる 体制になっていますので、急ぐ人はお参りだけしてどんどん進めばよい。 納経が欲しいというのなら、５か所に一つぐらい、各札所の納経を まとめて渡せる札所を作ればよい。現在のような朱印帳形式の 納経帳をやめ、ルーズリーフ形式にしたら、各札所も暇な時間に 書き貯めておけるので効率的ではないか？ まとめて渡せる札所の手間が増えるが、それこそ持ち回りにすればいい。 もう一つの参拝者に暴言を吐いたという話ですが、これは状況まで 見ないと解らないでしょう。 四国遍路も年間何十万人も来るわけですから、信仰心のある人 ばかりでなくタチの悪い人もやってくる。 四国遍路を観光の目玉にしようとしたら、寄ってくる人間の質など どんどん悪くなります。 正論を説いても相手が喧嘩腰になってきたら、応じざるを得ない こともないとは言えない(僧侶としてはどうかという問題はある) ６２番宝寿寺の住職はどんな方か存知ませんが、それ以外の札所でも 参拝者に暴言を吐く住職はいます。 納経所に犬を持ち込んで納経を書く机の上にまで犬を乗せている 住職がいたので、口論になったことがありますし、納経を売店に 任せている札所もありましたが、これもふざけた話です。 これらの札所こそ遍路妨害で訴えてやりたいところです。 まあ、それはさておき、お遍路さんはお大師様にすがる旅です。 何があっても、お大師様からの思し召しとして有難く巡拝して 欲しいものです。 納経所が閉まっていたら、縁がなかったと考え、 住職に暴言を吐かれても、さらりと受け流して巡拝を 続けてほしいものです。 とかく、疲れて巡拝しているとつい文句を言いたくなります。 ここの札所はああだ、あそこの札所はこうだ、歩きのお遍路さんを しているとそんな話を散々聞かされました。 中には札所の内部の事情通みたいな人もいたり、各札所を独自に 採点している人までいました。 そんな人たちに某札所の住職はこういっていました。 「そんなことをしているとお遍路さんの功徳がなくなる」 「そういう対応をされる方にも問題がある」 ２０年前はその考えに納得できませんでしたが、 今はその意味が解ります。 まあ、訴訟の話と離れてきましたが、 たかが納経時間ぐらい、各札所がバラバラでも許容する余裕を お遍路さんには持ってほしいですね。 みなさんいかがでしょう。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
[四国遍路] カテゴリの最新記事
最近はお札を貰うのもブームみたいで
ダムカード集める感覚で、宗教心とか 感じられない人も多いみたいで、こちらも テレビでやってましたが、札所をまわった 完成形のを何万円とか、富士山登頂のは 難万円みたいにネットオークションで売買が されているみたいですね。中にはそんな人も いるんだしお寺さん独自でもいいような (2017年03月28日 16時49分26秒)
夢穂さん
＞最近はお札を貰うのもブームみたいで ＞ダムカード集める感覚で、宗教心とか ＞感じられない人も多いみたいで、こちらも ＞テレビでやってましたが、札所をまわった ＞完成形のを何万円とか、富士山登頂のは ＞難万円みたいにネットオークションで売買が ＞されているみたいですね。中にはそんな人も ＞いるんだしお寺さん独自でもいいような ----- この程度の問題で訴訟までした背景には二つあると思います。 １ 他の札所で６２番札所の文句を言われる ２ 世界遺産に登録するために標準化したい たぶん、外国人が増えたことも原因でしょう。外国人は観光で廻っているだけですから札所の事情など考慮してくれないでしょう。 (2017年03月31日 17時35分43秒)
これは難しい問題です
本当に信仰心で回っている人もいるし、回数を自慢する人や御朱印のコレクションが目的みたいな人もいるし・・・そういう人も回っているうちに考えることがあるのではないかと思っていますが・・・ 信仰心で回っている人でしたら朝の５時や深夜に納経なんてことは考えつかないと思うのですが・・・ 先日、三人文殊さんのお寺の前を通りかかったら大きな工事をなさっていました いろいろとお忙しいことでしょう でも楽しみですね (2017年03月31日 20時47分21秒)
吉祥天2260さん
＞信仰心で回っている人でしたら朝の５時や深夜に納経なんてことは考えつかないと思うのですが・・・ 確かにおっしゃる通りです。 ＞先日、三人文殊さんのお寺の前を通りかかったら大きな工事をなさっていました ＞いろいろとお忙しいことでしょう ＞でも楽しみですね ----- お気遣いありがとうございます。 以前墓地の改葬をした時とは、違う意味で大変で勉強になりました。 思ったよりもいい仕上がりなんですが、一方で工事費の問題もあり楽しみと不安が半々というところです（*^_^*） (2017年04月02日 18時58分32秒)
霊場会よりの報道ばかりですが、霊場会という任意団体自体に法的根拠のないことが浮かび上がりましたね。一定の目安としての納経受付時間はある程度の意味があるかもしれませんが、「ツアー」会社の旅程にはある程度計画的でして、今日はどこどこまでという区切りがある程度決まってくるのであります。就業時間の設定も、それぞれに都合のいいようにしてもよいのではないでしょうか？それよりも、霊場会側が設置しようとしている仮札所こそ、１、印章の偽造 ２、６２番札所の営業妨害 などに相当するような気がします。
秘仏の本尊様の写真を撮らせるために、嫌がる住職を電話で恫喝した某札所住職が、さも自分の手柄のように自慢していたことは有名な話ですね。 (2017年04月07日 22時44分09秒)
同行三人さん
＞霊場会よりの報道ばかりですが、霊場会という任意団体自体に法的根拠のないことが浮かび上がりましたね。一定の目安としての納経受付時間はある程度の意味があるかもしれませんが、「ツアー」会社の旅程にはある程度計画的でして、今日はどこどこまでという区切りがある程度決まってくるのであります。就業時間の設定も、それぞれに都合のいいようにしてもよいのではないでしょうか？ ご意見ありがとうございます。 >それよりも、霊場会側が設置しようとしている仮札所こそ、１、印章の偽造 ２、６２番札所の営業妨害 などに相当するような気がします。 それは無いでしょう（*^_^*） 歴史的に札所が二つあったケースは近年では３０番がそうです。６２番札所が納経しないというのなら、他でしたらいいと思います。 ＞秘仏の本尊様の写真を撮らせるために、嫌がる住職を電話で恫喝した某札所住職が、さも自分の手柄のように自慢していたことは有名な話ですね。 ----- それは知りませんでした（*^_^*） 恫喝する方も問題ですが、恫喝されて応じる方も問題です。 秘仏は素人などに見せるものではないですからね。 トランプと習近平とプーチンに恫喝されても断るのが僧侶です。 (2017年04月10日 15時34分22秒)
三人文殊さん
＞同行三人さん ＞ ＞＞霊場会よりの報道ばかりですが、霊場会という任意団体自体に法的根拠のないことが浮かび上がりましたね。一定の目安としての納経受付時間はある程度の意味があるかもしれませんが、「ツアー」会社の旅程にはある程度計画的でして、今日はどこどこまでという区切りがある程度決まってくるのであります。就業時間の設定も、それぞれに都合のいいようにしてもよいのではないでしょうか？ ＞ ＞ご意見ありがとうございます。 ＞ ＞>それよりも、霊場会側が設置しようとしている仮札所こそ、１、印章の偽造 ２、６２番札所の営業妨害 などに相当するような気がします。 ＞ ＞それは無いでしょう（*^_^*） ＞ ＞歴史的に札所が二つあったケースは近年では３０番がそうです。６２番札所が納経しないというのなら、他でしたらいいと思います。 ＞ ＞＞秘仏の本尊様の写真を撮らせるために、嫌がる住職を電話で恫喝した某札所住職が、さも自分の手柄のように自慢していたことは有名な話ですね。 ＞----- ＞それは知りませんでした（*^_^*） ＞恫喝する方も問題ですが、恫喝されて応じる方も問題です。 ＞秘仏は素人などに見せるものではないですからね。 ＞トランプと習近平とプーチンに恫喝されても断るのが僧侶です。 ----- 本日の旧正御影供にて、お札所のご住職さまにお尋ねしたらやはり、印章はそのまま使用するには問題があるようで、霊場会62番として寺院名などを使わないスタンプを使用して某寺院で拒否されたメイテツだけを納経する方針だそうですね(*^_^*)それでも、訴えられそうな気がしますね。 (2017年04月17日 19時42分42秒)
同行三人さん
＞本日の旧正御影供にて、お札所のご住職さまにお尋ねしたらやはり、印章はそのまま使用するには問題があるようで、霊場会62番として寺院名などを使わないスタンプを使用して某寺院で拒否されたメイテツだけを納経する方針だそうですね(*^_^*)それでも、訴えられそうな気がしますね。 ----- 訴えられないと思いますよ。 仮に訴えても勝てないでしょう。 いや、裁判所がどんな馬鹿な判決を出すかわからないので断言できませんが、宗教的には問題ないです。 歴史的にみると宝寿寺は四国霊場の６２番の元々の札所ではありません。 江戸時代までの正札所はすぐそばにある一宮神社ですから、一宮神社が「実は四国霊場６２番はうちです。宝寿寺ではありません」と言い出したら、負けるでしょう（*^_^*） ですから６２番が訴える立場ではないと思いますが、いかがでしょう。 (2017年04月17日 22時46分21秒)
＞
＞歴史的にみると宝寿寺は四国霊場の６２番の元々の札所ではありません。 ＞ ＞江戸時代までの正札所はすぐそばにある一宮神社ですから、一宮神社が「実は四国霊場６２番はうちです。宝寿寺ではありません」と言い出したら、負けるでしょう（*^_^*） ＞ ＞ですから６２番が訴える立場ではないと思いますが、いかがでしょう。 ----- 違いますよ。 宝寿寺は一の宮神社の別当寺で明治の神仏分離令で宝寿寺になりました。一の宮は現代は神社庁の包括する神社ですから札所として仏像を安置できません。 (2017年05月10日 21時35分03秒)
通りすがりさん
＞＞歴史的にみると宝寿寺は四国霊場の６２番の元々の札所ではありません。 ＞＞ ＞＞江戸時代までの正札所はすぐそばにある一宮神社ですから、一宮神社が「実は四国霊場６２番はうちです。宝寿寺ではありません」と言い出したら、負けるでしょう（*^_^*） ＞＞ ＞＞ですから６２番が訴える立場ではないと思いますが、いかがでしょう。 ＞----- ＞ ＞違いますよ。 ＞宝寿寺は一の宮神社の別当寺で明治の神仏分離令で宝寿寺になりました。一の宮は現代は神社庁の包括する神社ですから札所として仏像を安置できません。 ----- 全然違わないと思います。 仏像があるから札所という認識はどこから来たのでしょうか？ もともと、江戸時代の札所には６２番に限らず神社のところが多くありますよ。 なお、現在の某札所にはある経緯から、札所の本尊様がないところもあります。 (2017年05月15日 14時29分13秒) |
