「お題目」と言うと同じことを繰り返すことを指しますが
もともとは「南無妙法蓮華経」とお唱えすることです。
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」を何度も繰り返すので、
そこから転じて同じことを繰り返すことを「お題目」と
言うようになったと思われます。
さて、先日、日蓮宗系の僧侶の方と話をする機会があり
日蓮宗系はどんな修行をするのか興味があったので尋ねてみました。
日蓮宗は天台宗で修行した日蓮上人が建てた宗派です。
天台宗といえば、法華経をベースにした中国で成立した教えですが、
日本に輸入されてから急速に密教化していき、真言宗に近くなります。
その日本天台宗にノーを突き付けて法華経を最上として
教義を組み立てたのが日蓮上人。
中国の天台では天台大師智顗が摩訶止観によって仏教瞑想法を
説いていますので、その修行法が日蓮宗にも伝わっているかと
思いきや、そうでもないようです。
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「朝と晩に法華経を読んで題目を唱えます」
その他にも文章を読むようですが、基本はそれだけだそうです。
日蓮上人は末法(お釈迦様の教えが伝わらなくなった時代)の修行法
として題目を唱えることを説いたということですが
この話を聞いて一つの疑問がわきました。
「題目を唱えたら法華経は読まなくても良いのではないか」
実は真言宗でも似たようなことがあります。
般若心経というお経がありますが、最後に出てくる
「ガテーガテーパーラガテーパーラサンガテー
ボーディスワーハー」
が重要な部分でそれ以外は薬の能書きみたいなものなんですよ。
え?そんなことを誰が言っているかって?
弘法大師です。
性霊集の「宮中真言院の正月の御修法の奏状」の中で
一般的なお経は薬の効能書き。それに対し真言と修法は薬を飲むこと
と言われています。
四国のお遍路さんの中には、札所で読経するときに、
般若心経を通しで一巻お唱えしてから、「ガテーガテー」の
部分だけ三回繰り返す人がたまにいて、
「おかしなことをする人だ」
と思っておりましたが、理にかなっていますね(*^_^*)
とはいえ、お経を全く無しで、真言だけってのも・・・
それに般若心経ならまだしも、真言宗の最重要経典の
理趣経で印と真言だけにしてしまうと、
通常は20分~30分掛かるお経が早ければ30秒で終わる。
法事では短い・手抜きと思われるような気がしてならない(ーー;)
お経は30秒で終わって、
「お経は能書きですが、真言が重要です」
という説法に20~30分費やせば問題ないような気もするが
時間つぶしに思われるだろうな(*^_^*)
さて、日蓮宗が「南無妙法蓮華経」だけで足りるはずなのに、
わざわざ法華経を読むのは、物足りないから???
ちなみに前述の僧侶の方の話では、修行中は法華経28品のうち
8品読まれるようですし、28品全部読むこともあるそうです。
「28品読んだら5時間は掛かるのでは?」とお尋ねしたら
「もっと掛かる」そうですが難行です(ーー;)
「題目を唱えたら法華経は読まなくても良いのではないか」
と言う疑問については
今度お会いした時に、お尋ねしてみます。