いつもお葬式に行くと気になることがあります。
経机のうえに葬儀会館が五鈷杵と剃刀を用意されています。
左側の手前が五鈷杵、その奥が剃刀です。
右手前が焼香を入れている焼香器、
その奥が塗香を入れている塗香器
(これは三人文殊のもので会館備え付けのものではありません)
余談になりますが、この五鈷杵はかなり立派だ。
標準のサイズより三周り位大きいし、小型ダンベル並みの
重さがある。
あるお葬式で老僧の前に置いておいたら、
老僧は使いかねていた(ーー;)
という代物。
しかも「鳴き五鈷」といい数珠をこすると、普通の五鈷より
妙なる音がする。
この「鳴き五鈷」の音色だけでも三人文殊寺の葬儀の
価値があるような気がする(*^_^*)
さて、これはお葬式に必要なものなので、葬儀会館に備えてあっても
不思議ではないように思うのですが、普通は自分で持ってくるだろう。
まあ、剃刀は亡者を剃髪するためのものなので、会館備え付けでも
かまわないかもしれませんが、五鈷杵はお授けに使うので
導師が用意するのが普通のような気がする。
しかし、会館備え付けがあるということは、それを使う坊主が
いるということです。
誰が使ったかわからないような法具でお葬式したくないですね。
忘れたらどうするかという問題もありますが、仮に忘れても
真言僧はそれに代わる印を知っていますから、手が無くならない限り
できないということはないです(*^_^*)
右奥に置いてあるのが塗香器で塗香を入れるためのものです。
塗香はパウダー状のお香で、必ず拝む前に塗香で体を清めます。
だから僧侶は携帯しているのが普通でないといけないのですが
現実には普段は持っていない人も少なくない。
この塗香は会館によっては用意しているところもあります。
ある僧侶の方のブログで、若い僧侶が葬儀会館に
塗香器を備え付けるよう提案したことを
評価されていますが、えらくもなんともないよ、
自分で携帯している僧侶は会館に塗香を
用意するようには言わんだろう。
しかし、私は会館に備えられている塗香を使ったことはありません。
はっきり言って会館で用意している塗香はあまり上等ではない。
塗香で多いのがカレー粉みたいな匂いのするもの。
ちょっと匂いが強すぎて私には合わない。
私はどちらかというとシナモン系の甘い香りだ好きだ。
わざわざ、お気に入りを取り寄せてブレンドしています。
以前こんな話があります。
当院では写経を行っているのですが、写経の前に参加者に
塗香で身を清めてもらいますが。私が少しずつ手に取って
塗香を渡していくと・・・
「おじゅっさん(住職さん)塗香変えた?」
「いえ、変えません」
「匂いが違うような気がする」
「先日ブレンドしたので、よく混ざってないかも」
ブレンドと言っても二つの塗香を器に入れて
少し振るだけですからね(*^_^*)
右の手前が焼香器ですが、焼香を用意している人は
あまりいないかもしれない。
普通に葬儀会館では用意されています。
しかし、
葬儀会館の焼香はボロい。絶対にボロい。
こんな焼香よく売るなというぐらい酷い。
特に会館によっては白い布の装飾を使っているので
変色しないよう煙が出ないタイプを使っています。
さすがにお葬式でこんな焼香を使うの失礼だなと思い
私は自分で用意しています。
お葬式の時ぐらいは上等のお香をお供えする。
ただ、私が用意しているお香を葬儀会館が使ったら
お金がかかって仕方ないだろう。
それにお香の良しあしがわかる人はほとんどいないので
(檀家さんの法事に行くと葬儀社のボロいお香が
そのまま入れられていることが多い)
ボロいお香でも十分だという気がします(*^_^*)
私はお葬式に参列させていただく時にお焼香を用意します。
亡くなった方は香食といって、湯気とか煙を食べると
言われています。
ご飯を上げるようなものですから、あまり不味いお香を
押し付けられても困るだろうと思いますね。
やはり、お供えには「お香典」と書く位ですから、
お香は良いモノを使わないと・・・
亡くなった方に対するお供えぐらいは
それなりのモノを用意しないと。
さんざん偉そうに書きましたが
いかがでしょう?