日韓関係が最悪と言われ、日本企業にも多少影響が出ているようです。
さて、今回は徴用工問題が引き金になっていますが、
過去には慰安婦問題なども摩擦の原因になっています。
法律的な問題とか政治的な問題は、さておき、
私は全く主張されていない問題を取り上げます。
その前に、日本の「徳」のある人と中国の「徳」のある人の
違いをご存知でしょうか?
例えば、悪いことをした人を裁く場合、
日本の場合には「少しでもいいところを見つけて」罪を軽くする
人が「徳」があると思われやすい。
ところが、中国では「悪い場合は厳しく処断する」人が
「徳」がある人なのだ。
法務大臣の例でみると判りやすい。
日本人は「個人の思想」に基づいて「死刑をしない」法務大臣も
許容されているが、法律で決まっているからと言って、次々に
死刑を執行する法務大臣はあまり良い印象を持たれない。
しかし、中国ではどんどん死刑にする人が評価されるのだ。
もう一つ、中国では売国奴として有名な秦檜という
南宋の政治家がいます。
この秦檜は宰相として宋王朝北部へ攻め込んだ金と講和して、
領土を半分取られたまま南宋・金の二つの政権を
確定してしまいます。
それのみならず、救国の英雄と言われた岳飛をはじめ講和反対派を
粛清して宰相の地位に19年間留まります。
実はこの金を打倒して宋の領土を回復しようとする岳飛の活躍が
三国志演義の諸葛孔明のモデルになっているとも言います。
岳飛は死後神としてまつられ、岳王廟が作られていますが、
なんとその前に土下座しているのが、秦檜とその妻の銅像。
かつてはこの銅像に唾を吐きかける習慣があったといわれ
現在でも柵で囲われています。
秦檜が生きていた時代は900年も前の話。
いまだに許されていないのです。
仮に日本だったらどうでしょう。
900年前の人がこのような辱めを受けることは絶対にない。
水に流すという文化があります。
また、日本と朝鮮半島は同じ東アジアでありながら
アジアの大国、中華王朝とは、かなり違った接し方をしています。
何度も侵攻を受け、ほぼ属国状態で中国文化をそのまま取り入れた
朝鮮半島と、文化を一部取り入れながらも、独立を保ち、自国の
文化を発展させた日本。
「終わったことは水に流す」
「罪はできるだけ軽くするのが徳」
これは日本人は普通に考えていますが、実は宗教なんです。
だから他の国では通用しない。逆に
「悪いことをした場合には絶対に許さない」
「罪はできるだけ厳しくするのが徳」
と考えている民族とでは、まるっきり正反対で
話にならないというのがお分かりいただけるであろうか?
日本人が誠意をもって
「終わったことは水に流してくれるはず」
「罪はできるだけ軽くするはず」
という前提で接していても
「悪いことをした場合には絶対に許さない」
「罪はできるだけ厳しくするの当然」
と相手は考えているのだ。
つまり、いつまでたっても今の状況では日本は
譲り続ける羽目になる。
こういう前提を、政治家は理解したうえで
話し合いをしてほしい。
いかがでしょう?
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岳飛と秦檜が活躍します。