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2006年12月07日
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テーマ:統一運動(71)
カテゴリ:第2章
「もしもワシントン・タイムズがなかったら」
 ここで、米ソ冷戦の当事者だけでなく、歴史家の学問的な考察にも目を向けてみよう。ロシア史・ソ連史研究で著名なマーティン・メイリア教授(カリフォルニア大学バークレイ校)の以下の考察には全面的に同意できる。

 「ソヴィエトにとって第一の問題は経済の衰退だった。このために、アメリカの防衛力増強、とくにSDIの技術的飛躍に対抗する可能性はまったくなくなっていた。SDIがソヴィエトの弾道ミサイルを実際に防御できるかどうかは大きな問題ではない。それよりも重要なのは……SDIというソヴィエトが無視することもできなければ、対抗することもできない技術的・経済的挑戦を突きつけられたことである。それゆえ、この挑戦をかわすただひとつの方法は交渉しかなかった。ゴルバチョフは冷戦の緊張緩和を最優先事項にした。この抗争終焉への方向転換については、西側にもさまざまな議論があることは間違いない。だが、元ソヴィエト軍事関係者や政治分析家は、ソヴィエト連邦が軍備競争、とくにSDIに関して半分も追いつくことができなかったことが、『ペレストロイカ』の強烈な引き金になったという点ではおおむね意見が一致している」(『ソヴィエトの悲劇・下巻』白須英子訳、草思社、一九九七年)

 さて、ワシントン・タイムズの偉大な貢献を知るワシントン所在のアキュラシー・イン・メディア(Acuracy In Media)社会長リード・オーバイン氏はある時、こう語った。
「もしワシントン・タイムズがなかったら、この世界がどうなっていたかと思うと、空恐ろしくなる」 もしレーガン氏がカーター大統領に敗れていたならば、もし文鮮明先生がワシントン・タイムズを創刊されなかったならば、そしてもしワシントン・タイムズがSDIを強力に支持しなかったならば、一体この世界はどうなっていたであろうか? おそらく、世界共産化が成し遂げられていたか、あるいは人類が核戦争で滅亡していたか、二つに一つであっただろう。このことを、われわれはオーバイン会長の発言から読み取ることができる。
 当時の緊迫した国際情勢やアメリカの国内事情を骨身に染みて知っている私は、それを考えただけでも鳥肌が立つほどの戦慄を禁じ得ない。





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最終更新日  2006年12月10日 16時21分22秒
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