たこ焼きとラフランス

2010/02/02(火)04:08

なれないことはするもんじゃないね。結果はいいとしてもさ。 ゼミで卒業生に色紙を送ることになった。定番だね。 早い話が、色紙のうちの一つのデザインを自分が担当することになったのだ。 できれば他の人にやってもらいたかった。なんでそういった創作と大して縁のないのにこんな仕事を請け負ってしまったのだろう…。後悔の念が私を襲う。 だがまぁ、引き受けたものはしょうがない。やるべきことはやらねばなるまい。 ましてや女性比率が異様に高い我がゼミであるから、仕事をすっぽかしたとなれば、ただでさえ微妙な自分の評判が劇的に下がることは目に見えている。 やらねば、なるまい。 できるだけ良いものを、女性陣のお眼鏡にかなう色紙のデザインをしてこなければならないッッ!! そしてちょっと女性陣の俺への評価をアップさせるぞ・・・! そう意気込んでまずはグーグルで寄せ書きの画像検索をしてみた。 ぜんっぜんちょうどいいデザイン見当たらないのよね。なにこれ。 引き受けるんじゃなかったという後悔の念がつのる。 どうやら自らが色紙のデザインを考えねばならないようだ・・・。 そこで私は考えた。 いったいどんなデザインが求められているのだろうか? ここで言う求められるデザインとは、卒業生への寄せ書きとしてのデザインではない。デザインしたものを周囲の人に見せて「うわっ!センスねぇ。所詮こいつはこの程度か、使えないやつだ。ふっへっへ・・・」と思われないような色紙デザインである。 私は考えた。 本当にじっくり考えたのだ。 そもそも私に託した段階で超絶技巧なデザインなど期待されておらんのだ。 人によってはイラストとか♪とかのロゴを入れているが、当然私はイラスト描くほど上手でないし、♪とかを上手に配置できるほどデザインセンスはない。そしておそらくそういったデザインを周囲の人は私に求めてはいないだろう。 しいて言えば私に求められているのは卒業生に渡しても嫌な顔をされない程度に無難なデザインなのだ。 そして事実、私には無難なデザインしかすることができないであろう。 であればだ。 無難なデザインをいかに上手に見せるかだ。 レイアウト、カラーリング等々。そういった細かいところで私は無難になるであろう色紙を、できうる限り魅力的にデザインにするのだ。 これらを踏まえ、私は次のような方向性にした。 ・色鉛筆を使用(色ペンより手作り感アップ!!) ・赤、黄、オレンジ、ピンクの4色で寄せ書きスペースの円十数個を書く(見た目に華やかに。暗色の不使用。円はテンプレ) ・4スミをピンクで縁取る(余白を自然な形で埋めることでスカスカにしない) ・中心の卒業生名、祝いの文の背景に黄色の楕円を入れる(色紙中心部を寂しくしない) 完成したぎゃー。俺っち頑張ったぎゃー。 色鉛筆の優しい風合いがいい感じだずぅ。4色の明るい色だけできれいにまとめることができたずぅ。おかげで全体も華やかな雰囲気だずぅ。 できないことはしないで、やったことは色塗り、字を書く、円を書くことの3つだけだっちゃ。簡単だから僕にもできたっちゃ。 俺、がんばったよ・・・。 あとはこれを届けに行くだけだ。合同研究室にはきっと誰かいることだろう。 たったった。 女性が何人かいた。 俺「おつかれー」 女A「あ、おつかれー」 俺「えー、色紙を、かいてきたよ」ガサゴソ 女A「ありがとー」 俺「はい、こんな感じに」 女A「どれー?おーすごいじゃーん!!」 女B「え!○○君書いてきたやつ?私も見たーい」 女A「はーい、なんかすっごくかわいいよ」 女B「きゃー!!ほんとだー!ファンシー!頑張ったでしょー?」 俺「いやー、頑張ったよぉ。本当に・・・頑張ったねぇ、うん。好評なようでうれいいよ」 女A「本当にありがとう」 という、評価をいただきました。ファンシー、かわいい。 女性のほめ言葉を安易に信用するものでないと私は常々思ってるが、彼女らの感想は率直なものだったと思う。そうあってほしい。 思った以上の好評に私は胸をなでおろした。 そんな慣れない仕事に手を出した、私の苦悩と葛藤と成功の物語でした。 でもやっぱり慣れないことには安易に手を出すべきではない。

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