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もうそろそろおはようございます。
夜と朝の境目からごきげんよう。 目が覚めたので、ジョージウィンストンのLonging/Loveを聞きながら緑茶を飲み、私は悦に入る。 悲劇について考えたい。 悲劇ってのは実に悲しいものである。当たり前ですが。 たとえば史実にてしばしば起こる悲劇は、もはや悲しいという次元を通り越すくらいに悲惨だね。 ただ、これはもう私の話たいことの次元をとうに過ぎているのでパス。 どうしても史実レベルの悲劇を語りたいと言う人は、「映像の世紀」を全集見て感想文でも投稿してください。 心中というものがあるね。 心中ってのは 好き合っている男女がいた→周囲が猛烈に反対する→もうこの世では幸せになれない→一緒に死んで来世で幸せになろう→一緒に自殺→「何で死んでしまったんや」と周囲が悲しむ。 大体こんな感じであろうか。 一つ思うこととしては、この男女はそこまで悲しい存在ではないということである。 だってこの二人は互いの幸せを思って、自分の意志で死んだわけだろう?自分の本望を貫きとおせたわけだから、別にそんな不幸ってわけでもないじゃないか。 僕はね、どうにもこういう話は死でうやむやにしている感じがして好きじゃない。 悲劇というのは悲しい話であり、大抵は人が死ぬ。 ただ、大事なのは人の死の過程である。いきなりポンと死んでも「あら、死んじゃったの?」でおしまい。「どうして死んでしまったの?うわぁぁぁん」というくらいじゃないといけない。 だから、まとめて、突き詰めて言えば、「いかにドラマティックに人が死ぬか」が、悲劇の肝であるのでないかと思う。 ここで一つ言っておきたいことがある。 私は人が死ぬ話が大嫌いである。 「?ついてんじゃねーよ」という声もおありかと思うが本当の話である。 特に人が死んでお涙ちょうだい的なものはどうにもいただけない。 作者の「ここでこいつを死なせておけば悲しいんじゃねーの?」という魂胆が感じられるようで気に食わないのだ。 死んだという事実を「悲しい」の一言で済ませられるような小説に碌なものはない。そういった小説における人の死は後味が悪くてしょうがない。 話がそれた。 要するに、私は大抵の悲劇が好きではない。どれもこれもどれもこれも後味悪く死ぬだけか、作者のにやにや笑いのもとで適当に死ぬからだ。 私は思った。 「人が死なずに、ひたすら悲しい」話しとはどういうことなのだろうかと。 悲劇に定義などない。だが、私は思う。悲劇はひたすら悲しく、報われない話でなければならないと。 例えば、夢を追い続けていた男がついに破れ、家族にも愛想を尽かされ乞食になったとすれば、それは悲劇であろうか。 いや、生ぬるい。夢を追い続けたこの男の生きざまは美しい。 例えば、才気あふれる美女が事故により顔面崩壊し、一生醜い顔で生きなければならなくなったとしたら悲劇であろうか。 いや、だめだ。周囲の同情は彼女が新しく勝ちえたものといえる。 思うにだ。 本当に悲しいことであるためには、大きな変化があってはいけない。 流れに逆らえず、一生を後悔で過ごすのだ。そこには輝かしい過去もなければ、未来という絶望の中の希望も期待されるべきではない。他人が見て「愚か」の一言で片づけられるぐらいであるべきだ。 結果。こんな感じになりました。 男1は女1が好きでした。 ですが男1は好きでもない女2と関係を持ち、子供ができ、結婚を余儀なくされました。 実は女1は男1のことが好きでした。 女1は男1が結婚したことに衝撃を受け、自堕落になりました。 男1はそんな女1を見て、悲しむと同時に、女1と一緒にならなくてよかったと 思いました。しかしながら好きでもない女2との家庭を一生営まなければならないということにむなしさを感じました。 しかしながらしょうがないことだと諦めました。 ある日、男1と女1は再会しました。 女1は身も心もみじめなほどにボロボロで、昔の面影はどこにもありません。 そこで初めて男1と女1は、当時、お互いが好き合っていたことを知りました。 女1は、もしあの時、男1と一緒になっていたら、こんなに身をやつすこともなく、幸せになれただろうと思いました。 ですが家族がいる男1に今さら自分と一緒になってくれなどとどうして言えましょうか。ましてや今のみすぼらしい自分ではとてもとても。 男1は、もしあの時、女1と一緒になっていたら、今よりももっともっとずっと幸せな家庭が築けただろうと思いました。 ですが好きではないとはいえ、どうして今さら家庭を捨てることができましょうや。男1は真面目でしたので、そのような無責任は通らないと自分を縛りました。 こうして男1と女1は、一生自分の選択を後悔しながら、望みのない自分の未来を嘆き悲しみました。 なんの面白みもない、ひたすら後味が悪く、ひたすら報わず、救われない。まるで希望を持てない、ただただむなしく悲しいお話でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.12 05:57:00
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