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2008.07.21
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カテゴリ:ART

    土曜日の深夜、再放送された、

NHK ETV特集
 痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界~  

を見て、「松井冬子」さんの絵と彼女言葉が
頭から離れなくなりました。

東京芸術大学大学院を修了し
日本画専攻の女性とし ては初めての博士号を習得した
松井冬子さん(男性の習得は村上隆氏が初めて)。

なにか自分の内面をさらけ出され、最後には
癒されるような気持ちになる。

「そうよ、女性って、だれにもそういうところがある。
男性には、理解不能の言葉につくせない痛み、
情念、どうにもならない閉塞感…そして美意識…」

そんな言葉を私につぶやかせてくれた…。

たしかに、女性の内臓を露出させたり、体にまとわせたり
彼女の絵は、見る人によって、好き嫌いがかなり別れるかも
しれません。
でもなぜか、気持ち悪さが私にはない。
淡い彩色が美しい…
そして、美しい線…  

絵も美しいけれど、彼女自身がとびきり美しい!                

 松井冬子.jpg 松井冬子2.jpg fuyuko.jpg  

      ↑ この美しさにかなり参っています… 

    世界中の子と友達になれる.jpg表紙.jpg

     この番組で衝撃を受けたことがあります。

日本に「九相図」というものがあるということ。

彼女をいち早く見出した歴史学者と共に訪れた京都の寺に
その「九相図」はあった。
ふすまに描かれた絵…

人が死んで屍となる経過を9つの絵で描いている。
腐乱し、動物達にむさぼられ、骨となっていく…
鎌倉時代から繰り返し描かれてきたとは驚いた。
でも私はでこの古い絵をなんとなく書店で見た気もする。

当時の人はこれを見て

肉体への執着を棄てこの世の無常を悟って行く...

この「九相図」が、学生時代から好きだった…と松井さんは言う。
また「河鍋暁斎」の骸骨の絵など
筆のエッジがきいているところを好むと言う。

番組は彼女が新作に取り組む様子も映し出していく。

腹ばいになり、一本一本の線を繊細に描いていく彼女を
みていると、油絵より力がいらないから日本画は
女性にはいいかも…
なんておっしゃる男性の画家もいらっしゃるけど、
この集中力と一発勝負の筆の力には、
差はないと思ってしまいます。
いや、油絵以上かも…

松井冬子 VS 佐々木 豊←この対談が面白いです。

彼女は美術解剖学の教室を訪ね
白衣を着てネズミの解剖をします。

「よくできてるなぁ…美しい」とネズミの内臓を詳細に
眺めている彼女…

その姿は私にレオナルド・ダヴィンチを思い出させました。
彼もずいぶん人間の死体を解剖していたようですね。

自然のものはけしてグロテスクではないのではという
美術解剖学の準教授…

松井さんは
過去に受けた暴力によって片方の耳の鼓膜が傷ついている。
しかし彼女は暴力を表したいと思っているわけでもなく
セラピーとして制作しているわけでもないという。

 

最後に社会学者の上野千鶴子さんとの対談です。

上野千鶴子さんといえばあのアグネス論争のアグネス側
に、たった人でもあり、歯に衣きせぬ論客であり
男性に恐れられているとか…
専門は女性学、ジェンダー研究家

上野さんは松井さんの絵から

積み重なった情念...痛み、呪詛、苦痛
が伝わってくる..といいます。

 描かずにいられない自分...
痛みを絵というもので表現しなかったら死んでいた…
という松井さん。

上野さんは言います。↓

「観る人は女の痛みは女の痛みとしてきちんと
受け取ってほしい。
女性の痛みを人間の痛みにすり替えないでほしい」…と。

その言葉はなぜか私に安らぎを与えた。

上野さんは続けます。

 「でも、不幸になってほしくない、
幸せな松井さんが描く絵も見てみたい」…と。

私は、「ん?」 と思った。

今の彼女は不幸だとおっしゃるのでしょうか…と。

案の定、松井さんは笑顔で答えます。

 「いい作品ができることが私の幸せなので...」

するとなおも上野さんはおっしゃいます。

「幸せになることもためらわないでください。」


少し私は反発を感じました。なんだか上から目線…

松井さんは作品を作ることが幸せと言っているのに、

上野さんはどんな幸せを彼女につかんでほしいというのでしょうか。

そういえば松井さんは、離婚を経験されています。


でも、you tubeでもう一度その対談の部分をみたら

上野さんの表情が娘を心配する母親のようであり

「はい、(幸せに)なることがあれば素直にに受け入れて...」

と答える松井さんの表情は、まるで少女のように
初々しく、柔らかかった。

(それまでの男性との対談のときと違って…)

...でも大人だな、と思った。

ますます彼女が好きになった。

この番組の動画(You tube)の最初が見られます。

 

四つ葉ところで、私は松井さんの絵が

女性のうっ屈した、なんだか自分の体が

自分ではなく、宇宙のなにかに支配されているような

閉塞感のようなものを表している気がして、

スペインのそしてのちにメキシコの画家となった

「レメディオス・バロ」 を思い出したのです。


彼女もめっぽう美人でした。

油がのりきったときに突然この世を去りました。

私の手元には、1999年6月の伊勢丹美術館の

「バロ展」の図録があります。

観にいったとき高価だったこもあり買わなかったのですが
しばらくたってどうしても欲しくなり東京新聞社に電話して
送ってもらったのです。
今なかなか手にはいらないらしいです。

よかった~~

油絵でもあるし、もちろん画風などが
似ているわけもないのですが。

私の好きな絵…

菜食主義の吸血鬼 ↓

      菜食主義の吸血鬼.jpg
  

     星粥.jpg

  星を集め月に食べさせている「星粥」…
  

  バロは風刺とユーモアもあるみたい…

    ↓ この絵はたしか本の装丁になったはず…
     なんの本か忘れたけど…

    螺旋の運航.jpg

    バロについてはもう少し勉強したいです。

    バロも松井さんも、本人はエネルギッシュで迫力があるのに

    この世のものと思えない、消え入りそうな女の人を描くのか…

    消え入りそうだけど、揺るがない、深いものがそこには

    あるようです…。

    







最終更新日  2008.07.23 00:55:18
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