うちの近所のさいたま芸術劇場に
「ムサシ」ロンドン・NYバージョンを観に行ってきました。
生協でチケットが安く手に入ったので…
初演は佐々木小次郎役が小栗旬だったのですが
今回は違う俳優さんでした。
初演を見た友達が、武蔵役の藤原達也と小栗旬の
半端ないオーラに圧倒されたと言っていましたし、
今回のロンドン・NYバージョンもかなり評判がよく
なんといっても、
最近亡くなられた井上ひさしさん書き下ろし、
蜷川幸雄演出…
すごく期待してドキドキしながら幕が開くのを待っていました。
…が、最初の場面からどうも物語に入り込めないと言うか
いつもの蜷川演出のどっきりするようなオープニングじゃない…
舞台背景も地味でまとも…
巌流島の闘いの後日談なのですが…
小次郎は実は生きて武蔵を狙っていたという設定…
武蔵と小次郎の現代的な言い争いも面白く、笑える所はありました。
たしかにたたみかけるセリフの妙は蜷川演出ならでは…
特に白石加代子の表現力は素晴らしい…
今回はユーモラスな白拍子で観客の笑いを誘っていました。
何といっても藤原竜也の魅力にはびっくり…。
瞳がキラキラで顔が少女マンガに出てくる男の子みたい…
あ~やっぱりスターなんだなぁ、生まれながらに…
テレビで見るより、俳優として大きく見えました。
セリフの間の取り方、リズム感が抜群…声もよく出ています。
(でも韓国ドラマのイ・ビョンホンの吹き替えはあまりうまいと思えない
大体、韓国ドラマは字幕にしてほしいよ、違和感ありまくり…)
…なんですが~
そう言えば10年位前でしょうか、
「身毒丸(しんとくまる)」を同じ舞台で見たことが
ありますが、あの時17歳位だったんですね~
新鮮で初々しかったです。(ヌード見たぜ。後ろ向きだけど…)
脚本が少し、子供っぽい感じがしました。
わかりやすいと言うことなのでしょうが…
すみません生意気で…
いつもの蜷川さんの舞台じゃないみたい…
蜷川演出は、やっぱり 泉鏡花や、寺山修二や
ギリシャ悲劇…
なんとなくおどろおどろしい感じがが合うのでは?
と思ってしまいました。
そして、この劇は大ホールでやるより、小劇場で上演された方が
ずっといいのではないかと思いました。
お客さんとの距離が近く芝居小屋的雰囲気の中で…
絶対そう思いました。
そうしたら、私も、もっと笑えたし、もっとジーンとしたと思います。
歌舞伎やミュージカル等は大舞台が迫力あっていいけど…
俳優さん達はさすがだと思いましたけど…
特に鈴木杏さんの透明感がある声は素晴らしかったです。
彼女がセリフを言うとさわやかな風が吹いたようで
気持がすーっとしました。
一番聞きとりやすかったです。これは大事なことですよね。
とにかく、なんか残念な気持ちで家路に着きました。
芝居を見てあまりそう言う気持になった事は無いんですけど…
もう10年も前に見た、仲代達矢と風間杜夫の二人芝居
「愛は謎の変奏曲」みたいな原作と脚本がしっかりしている
舞台が見たいです。
ファンではなかったけど、風間杜夫さんの演技力には
本当にびっくりしました。