うらわ美術館に行ってきました。
「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」
堀内誠一さんて全くしらなかったんですが、
「アンアン」とか「ポパイ」とか
70年~80年代のビジュアル誌のアートディレクターであり、
数々の絵本や児童書の挿絵画家であり、尚且つ
世界各国をめぐった旅行者であったのですねぇ~
私が10代後半に、衝撃的に現れた雑誌「アンアン」・・・
おしゃれでセンスがよくて、ヨーロッパの香りがした・・・
今のアンアンとは全く違うテイスト・・・
14歳で伊勢丹に入社って・・・どんな人だろう。
父が図案家の堀内治雄と言う人で、
商業美術家、多田北烏(昭和初期にキリンビールの
ポスターなどを手掛け、児童書の挿絵画家でもあった)
の弟子でもありました。
多田北烏のアトリエも、父のアトリエも、外国雑誌や絵具や
スクラップブック等があふれ、そこはまさにワンダーランド・・・
そんな環境で少年時代を楽しく過ごした堀内さん、
戦争が終わり、伊勢丹の各種イベントを企画し
季刊誌にも関わっていくのでした・・・
私は高校の頃からか、伊勢丹がなんとなく
他のデパートより時代の先端を行っているような気が
してたんですけど、堀内誠一さんの力があったかも・・・
美術館に入ってすぐ真ん中位まで急ぎました。
というのは今日はギャラリートークのある日で、
始まりから少し遅れて到着してしまったからです。
後でわかったんですが、トークは学芸員さんではなくて
図書館員さんだったのですね~、
だから絵本を読んだり(子供さんも何人かいたし)
かなり、堀内さんの絵本がお好きなようでした・・・
私が驚いたのは、たくさんの絵本・・そのどれもが
まるで同じ人が描いたようには思えない事です。
写実的なのもあり、抽象的なのもあり、デザイン的なのもあり・・
そして、色彩が鮮やか・・・
ピンクがすごくきれいに使われている「くるみ割り人形」の
絵はとっても気にいりました。
児童書の「秘密の花園」の挿絵も線画タッチで好きです。
それから、科学の絵本(人体等)もあって、どれもこれも
感性がみずみずしくて、その表現力に思わずにっこりしちゃいます。
油絵の自画像はモジリアニの影響を受けてたみたい、
挿絵もシャガールやクレーが好きだったのかな、と
思わせるものが・・・
あと、図書館員さんの説明はなかったんですが
興味を魅かれたのが、ジプシーの昔話の
「太陽の木の枝」と「きりの国の王女」です。
堀内さんはジプシーに憧れていたと言うのです。
あら~そう、やっぱり~~
フラメンコも当然お好きだったんじゃないかしら?
どこか自分と共通点があるから(おこがましくも 笑)
魅かれるのかもしれません。
ギャラリートークは終始絵本の事ばかり触れてましたけど、
もう少しデザインとか商業的成功とか、渋沢龍彦さんとも
親交があったという堀内さんの人物像に迫って欲しかった・・・かも。
ってそれは、始めの方で語られたかもしれませんよね。
ギャラリートークに参加するなら、やっぱり遅れちゃだめね。
いつも遅れた事ないんだけど・・・ちょっと残念。
でもそれは壁に貼ってある説明文とか、友人等に送られた
細かい字で描かれた絵手紙とか、さまざまな資料で
ある程度はわかるのかもしれません・・・し、
いろんな本も出てますから読んでみたいです。
なんだかね、たくさんの色彩豊かな絵本の原画や
パリやシチリアやメキシコやいろ~んな
国からの絵手紙や、装丁を手がけたたくさんの本や
かかわったファッションや旅の雑誌・・・
などなどに囲まれて、すごく幸せな気分になってしまいました。
それから創刊当時の「アンアン」・・・・
おっしゃれ~~って感じで懐かしかった!
そうそうこのハーフのモデルさんがよく載っていたっけ。
秋川リサさん(スタイルがよくてとってもかわいかった!)
とカメラマンの立木義弘の弟さんが結婚して
離婚したんだっけ・・・とかいろいろ思い出したり・・・
実はほんとは、日本橋高島屋の「ジパング展」に
行こうと思ってたんです。
でも・・・
今日はエネルギッシュな現代アートってテンションじゃ
なかったんですよね~。
休日の都心のデパートって混むでしょうし・・・
うらわ美術館の、入口から出口を何度も行ったり来たりして、
絵本もゆっくりイスに座って見られて、
ほんとに元気になりました。こっちに来て正解だった!
28ヶ国300都市を旅し、世界の多様性を何よりも、
自身の目によって知ろうとした堀内さんの
「視覚の気憶の強い人は王者である。
世界を目で知る人は幸せである。」
という ことばが印象的でした。
54歳で亡くなったのは早いけど、そのとびきりのセンスで
時代を駆け抜けて行ったって感じですね~
今生きていらしたら80歳位?
堀内誠一さんて方を知った事は、私にとってすごい収穫でした。
帰りに、お茶した後、コルソでショッピング・・・
バレッタとお買い得のジャケットと
雨の日用の靴(長靴じゃないけど)を買ったりしました。
どれも高いものじゃないけど・・・ん~
・・・ま、なんとかなるでしょう
それから面白い事が・・・
コルソのトイレに入ったら、この間私が恵比寿のライオンの
トイレで財布を置いてしまったように
同じようにトートバッグが置いてあったのです
「あ、だれか私みたいに忘れたのね~」・・・
とりあえず、手を洗ってから・・・と思ってドアを開けて出たら、
すっご~くかわいい小学校4、5年生位の
女の子が待っていて、中に入りトートバッグを取って、
「あ~よかった~」と言ったんで私も
「あ~よかった~~♪」と言ったら
ついてきてたお母さんが「すみませ~ん」と笑ってました。
ホント、よかったね!
でも不思議よね~、自分と同じ事がこんなに早く・・・(笑)
あ、それから本屋さんで
「イラストレーション」7月号を買いましたよ。
宇野亜喜良さん特集です。
ふろくが宇野さんの新作絵本(36ページ描き下ろし)
でうれしくなっちゃいました~♪
たのしく気分転換になった日でした