とはずがたり

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  有楽町交通会館、月光荘、そして…

   今日は、娘の高校時代の友達で現在日本画を勉強している友達のグループ展に行ってみました。　　　　有楽町の交通会館の中には小さいギャラリーがたくさんあるんですね。丁度、友達が当番でいたのですが、（私に会うのを楽しみにしていたらしく…ありがたいね～）とっても感じのいいお嬢さんで、静かな中にどこかゆるぎないものを感じました。とても色がきれい（青が基調ですね）で、ここだけの話ですが彼女の作品が一番良かった気がします。家を出て、アルバイトをしながら学校へ行っている彼女はがんばり屋さんです。がんばっているうちに、ぜんそくが治ったと言ってました。なにか好きな事をするって、大変でもやっぱり心身にいい影響があるんですよね、きっと…。日本画は画材が高いということですが…絵の具にもいろんなものを混ぜておもしろそうですね。さて、ギャラリーを後にして、前々から行ってみたいと思っていた、銀座にある画材屋さんの老舗「月光荘」に行ってみました。交通会館から歩いて１０分位でしょうか…花椿通りにあります。　　　　　　　　　　　　　　と～ってもせま～い画材屋さんでしたが、と～っても親切であたりがやわらかいスタッフさんたちでなんでも聞けば、やさしく教えてくれそうです。娘がスケッチブックと絵具（アクリルと透明水彩）を買い私もピンクのメモ帳を買いました。このスケッチブックは2008年度　ロングライフデザイン賞を受賞したのですね 。画材の値段はよくわからないのですが、娘は安いと言ってました。包装紙や袋がないので、このお店はマイバッグ持参で来てくださいとHPに載っていたのです。その分を品物の値段に反映しているらしいです。大正６年の創業以来続けていることですって…でも、いろんなお店の紙袋がたくさんおいてありましたからそれはマイバッグ忘れた人用でしょうね。で、カフェも地下にあるらしかったので行ってみたら、これまたすんごい狭いとところでお客が７、８人しか座れないんで…スコーンがひとつしかなかったんで、娘と半分こしました。私たちは紅茶（ダージリン）を飲んだんですが、隣のご婦人がコーヒーを頼んだらちゃんと豆から、ひいていました。紅茶とスコーンひとつ焼くのにやけに時間が、かかったです。すんごいお腹がすいてた私はちょっとね～ムム…でも、スコーンはおいしかったです～甘くなくて…それから、月光荘を出て、有楽町駅に戻り、結局、地元埼玉の大宮に…あれ、先週の私と同じやないか～い！デパートに行って、三省堂で本（悩む力）を買ってからまたもや、小次郎に会いに…ですよ～そしたら、なんと寝ていると思った小次郎が！！次回にUPします。 

  2008.11.03

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  ミレイを観てきました

  　　　　　　　　　　 先週のフラメンコの発表会後も咳がすっきりと止まらず、体調万全とはいかないのですが、昨日はミレイを観にいってきました。ミレイはあまりよく知らなかったのですが、娘が好きで前々からどうしても観たい…と誘われてました。会場につくとなんと、入場制限してましたよ。チケットある人もない人も並んで、１５分位待ったでしょうかね～チケット持ってたので少しは早かったけど… 入口で、「オフィーリアは、混雑してよく見られないから先に他のを見て下さ～い…」　とか係りの人が言ってたけど「オフィーリア」　余裕で最前列で観れましたよ。 「どざえもん」　をここまでキレイに描くって、センセーショナルだったでしょうね～、当時…。モデルは浴槽につかってたそうですが…どざえも…いやオフィーリアの表情にひきこまれますね。生を失った顔は、自然でもあり…不思議な魅力です。周りの草や花や木やさりげなく描かれている鳥など、とても細密で「う～ん…」と思わず唸りたくなりました。しかしもっと私がひきこまれたのは、彼が描く子供の表情です。んもう～～かわいいったらありゃしない！少年、少女の愛くるしい表情を描くのが、抜群にうまいと思いました。あのアリスのルイス・キャロルとお友達だったそうなので、もしかしてミレイもロリータ…の傾向が？？そうではないらしいけど、本当に少女や少年の描き方が美しい…のです。「ローリーの少年時代」はローリー少年が船乗りの話に引き込まれている表情がとっても上手くてかわいくて…子供ってこういう顔して人の話しを聞いてるよね～ってほほえましく思いました。で、↓　おもわず、愛らしい少女のファイルを買っちゃいましたよ。　  昨日は　なんとなく朝から食欲がなく、あまり食べられなかったせいかテンションがあがらないので、ミレイを観る前に軽く食事をとったのです。前に文化村の一階のロビーのカフェの紅茶がすごくおいしかったのでそこにいってみたら、かなり混んでいて待つようなので東急本店のウエッジウッドのカフェにミレイの展覧会にちなんだサンドイッチがあるとネットで情報を得ていたので、そこに行ってみることにしました。（東急本店６階です）そちらは待たずに入れました。サンドイッチと紅茶を。私は、期間限定のジンジャーティーを、値段はセット紅茶より少し高かったのですが、喉にいいと思って頼みました。美しいティーカップで飲む紅茶はとてもおいしかった…体が温まりました。ポットの中をのぞくと生姜のスライスが４，５切れ入ってました。はちみつとレモン付きで。紅茶の場合は生姜はするより、スライスの方がいいかもしれないですね。ローストビーフのサンドがおいしかったです。　　　　　　　　　　　　　入口すぐの席だったんです～　実はここのケーキも超おいしそうでした。いちぢくのタルト…食べたかった～。 ミレイの展覧会は、物語の挿絵をみているような雰囲気で素直に観られて、疲れなくてよかったです。娘は、観たかった「盲目の少女」　と　「ロンドン塔の王子たち」がなかったのでがっかりしていましたが、「オフィーリア」がみられて満足したようでした。「ロンドン塔の王子たち」めっちゃかわゆい…　　　　  

  2008.10.19

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  丸木スマ展…ショック

  　　　　　　　　 埼玉県立近代美術館に「丸木スマ展－樹・花・生きものを謳う－」を見に行ってきました。 目にするすべての絵が心にす～っと素直にはいってきます。「いいなぁ…」と、　自然と口から出てきます。子供達も立派に独立し、することがなくなったスマおばあちゃんは、絵を描くようになったのです。画家である息子さんにすすめられたこともあり…まるで、小さな子が描いたように色も構図も自由で楽しくて、思わず顔が緩んでしまう…「見にきてよかったなぁ～」と、思いました。「これは、図録を買おう」そう思って、最後に掲げてあったスマさんの年表をさ～っと見たときです。「殺害」という文字が目に飛び込んできました。 どきり　としました。それまでの、心和む絵とあまりにかけ離れたその言葉…「８１歳　　自宅にて顔見知りの青年に殺害される…犯人の青年は入水自殺」あまりにショックで、図録が買えませんでした。７４歳で絵を描き始め、「生きていたくなった～」と喜びを見出したのに…「マチスは私の絵に似ているね」なんて言っていたのに…グランマ・モーゼスやターシャおばあちゃんみたいに天寿を全うしたのだと思っていたのに…。これってどういうことなのでしょうか？それも、あまりに残虐な殺され方を…かわいそうです、悲しいです。私の心中がやりきれなさで、いっぱいになりました。 年表を見る前、 涼しい美術館の中から、外の暑い風景を撮ってみました。 　　　　　　　　　土曜日の午後なのに空いていて、ひとりで行った美術館は私に新しい酸素をくれたみたいでした。 それから、ショックを受けた後どう階段を降りてきたかおぼえていません。 一階の窓の外を見ると見慣れないものが…こんなカラス、前からいたかな～　　　　　　　　　羽の形など、なにか惹かれるものがありました… 

  2008.08.02

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  松井冬子…そしてバロ

  　　　　土曜日の深夜、再放送された、ＮＨＫ　ＥＴＶ特集 　痛みが美に変わる時～画家・松井冬子の世界～　　を見て、「松井冬子」さんの絵と彼女言葉が頭から離れなくなりました。東京芸術大学大学院を修了し日本画専攻の女性とし ては初めての博士号を習得した松井冬子さん（男性の習得は村上隆氏が初めて）。なにか自分の内面をさらけ出され、最後には癒されるような気持ちになる。「そうよ、女性って、だれにもそういうところがある。男性には、理解不能の言葉につくせない痛み、情念、どうにもならない閉塞感…そして美意識…」そんな言葉を私につぶやかせてくれた…。たしかに、女性の内臓を露出させたり、体にまとわせたり彼女の絵は、見る人によって、好き嫌いがかなり別れるかもしれません。でもなぜか、気持ち悪さが私にはない。淡い彩色が美しい…そして、美しい線…　　絵も美しいけれど、彼女自身がとびきり美しい！　　　　　　　　　　　　　　　　　    　　　　　　↑　この美しさにかなり参っています…     　    この番組で衝撃を受けたことがあります。日本に「九相図」というものがあるということ。彼女をいち早く見出した歴史学者と共に訪れた京都の寺にその「九相図」はあった。ふすまに描かれた絵…人が死んで屍となる経過を９つの絵で描いている。腐乱し、動物達にむさぼられ、骨となっていく…鎌倉時代から繰り返し描かれてきたとは驚いた。でも私はでこの古い絵をなんとなく書店で見た気もする。当時の人はこれを見て肉体への執着を棄てこの世の無常を悟って行く...この「九相図」が、学生時代から好きだった…と松井さんは言う。また「河鍋暁斎」の骸骨の絵など筆のエッジがきいているところを好むと言う。番組は彼女が新作に取り組む様子も映し出していく。腹ばいになり、一本一本の線を繊細に描いていく彼女をみていると、油絵より力がいらないから日本画は女性にはいいかも…なんておっしゃる男性の画家もいらっしゃるけど、この集中力と一発勝負の筆の力には、差はないと思ってしまいます。いや、油絵以上かも…松井冬子 VS 佐々木 豊←この対談が面白いです。彼女は美術解剖学の教室を訪ね白衣を着てネズミの解剖をします。「よくできてるなぁ…美しい」とネズミの内臓を詳細に眺めている彼女…その姿は私にレオナルド・ダヴィンチを思い出させました。彼もずいぶん人間の死体を解剖していたようですね。自然のものはけしてグロテスクではないのではという美術解剖学の準教授…松井さんは過去に受けた暴力によって片方の耳の鼓膜が傷ついている。しかし彼女は暴力を表したいと思っているわけでもなくセラピーとして制作しているわけでもないという。 最後に社会学者の上野千鶴子さんとの対談です。上野千鶴子さんといえばあのアグネス論争のアグネス側に、たった人でもあり、歯に衣きせぬ論客であり男性に恐れられているとか…専門は女性学、ジェンダー研究家上野さんは松井さんの絵から積み重なった情念...痛み、呪詛、苦痛が伝わってくる..といいます。 描かずにいられない自分...痛みを絵というもので表現しなかったら死んでいた…という松井さん。上野さんは言います。↓「観る人は女の痛みは女の痛みとしてきちんと受け取ってほしい。女性の痛みを人間の痛みにすり替えないでほしい」…と。その言葉はなぜか私に安らぎを与えた。上野さんは続けます。 「でも、不幸になってほしくない、幸せな松井さんが描く絵も見てみたい」…と。私は、「ん？」　と思った。今の彼女は不幸だとおっしゃるのでしょうか…と。案の定、松井さんは笑顔で答えます。 「いい作品ができることが私の幸せなので...」するとなおも上野さんはおっしゃいます。「幸せになることもためらわないでください。」少し私は反発を感じました。なんだか上から目線…松井さんは作品を作ることが幸せと言っているのに、上野さんはどんな幸せを彼女につかんでほしいというのでしょうか。そういえば松井さんは、離婚を経験されています。でも、you tubeでもう一度その対談の部分をみたら上野さんの表情が娘を心配する母親のようであり「はい、（幸せに）なることがあれば素直にに受け入れて...」と答える松井さんの表情は、まるで少女のように初々しく、柔らかかった。（それまでの男性との対談のときと違って…）...でも大人だな、と思った。ますます彼女が好きになった。この番組の動画（Ｙｏｕ　ｔｕｂｅ）の最初が見られます。 ところで、私は松井さんの絵が女性のうっ屈した、なんだか自分の体が自分ではなく、宇宙のなにかに支配されているような閉塞感のようなものを表している気がして、スペインのそしてのちにメキシコの画家となった「レメディオス・バロ」　を思い出したのです。彼女もめっぽう美人でした。油がのりきったときに突然この世を去りました。私の手元には、１９９９年６月の伊勢丹美術館の「バロ展」の図録があります。観にいったとき高価だったこもあり買わなかったのですがしばらくたってどうしても欲しくなり東京新聞社に電話して送ってもらったのです。今なかなか手にはいらないらしいです。よかった～～油絵でもあるし、もちろん画風などが似ているわけもないのですが。私の好きな絵…菜食主義の吸血鬼　↓　　　　　　　　 　　　　　　星を集め月に食べさせている「星粥」…　　　　バロは風刺とユーモアもあるみたい…　　　　↓　この絵はたしか本の装丁になったはず…　　　　　なんの本か忘れたけど…　　　　　　　　バロについてはもう少し勉強したいです。　　　　バロも松井さんも、本人はエネルギッシュで迫力があるのに　　　　この世のものと思えない、消え入りそうな女の人を描くのか…　　　　消え入りそうだけど、揺るがない、深いものがそこには　　　　あるようです…。　　　　

  2008.07.21

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  ヴラマンク展、そして再度ファイヤーキングカフェに…

  　　　　　　　　　　　　　　「モーリス・ド・ブラマンク展」に行ってきました。「東郷青児美術館」は初めてという、娘とふたりで…この美術館のある新宿副都心のビルはかつて母が働いていた場所でした。私も会社の仕事をしながら、アルバイトに行っていたのです。（もう１５年位前、一年とちょっとでしたが）ずいぶん久しぶりに行きました。美術館は４２階にあります。ゴッホに影響を受けたということで、すごく期待してしまったのですが…なにか心にグッとくるものがなかった…私には…です。私はもしかしたら、ある種、狂気を感じさせるもの「なんだろう？」って首をかしげるような強烈なものが好きなのかもしれないです…。狂気の中に感じる繊細さ…そんなものに惹かれるのかも。でも… 　　　　↓　この絵はちょっと好きでした。　　　　　　　「オーヴェール＝スュル＝オワーズの雪」花の花瓶の絵が良かった気がします。これは娘がいいと思った花の絵です。　　　　「ひなげしの花束」こうして写真をのせて見るといい感じが…絵葉書を買ってきました。 常設の例のゴッホの「ひまわり」も、見ましたよ。私はもう何回も見ていますが…。この「ひまわり」…そういえば本物？偽物？　５０億でなぜ…？ゴッホは好きだけど…しかも、ゴッホだけでいいのにゴーギャンとセザンヌが両側にあるコーディネイトももなんだかあまり好きじゃない…生意気言ってすみません…ゴッホもこんな天空のビルの一室にガチガチのガラスの中に自分の絵が飾られるなんてきっと思ってもいなかったでしょう。（本物ならば…） 購入した当時の損保会社の代理店さんはこのとき営業がしずらかったと言っていたそうです……バブルの頃を思い出します。そうです、今思うと観にいってやはり良かったと思います。４２階の窓からこんな風景も見れました。なに？この建設中のビル。　　　　　　　　　　　　モー〇学園とかが入るそうなんすが…この不景気にこんなビル建ててどうするのかな～？ それで美術館を出てからこの間、友達といった代々木上原の「ファイヤーキングカフェ」に再度行きました。娘は友達と行くのに一度、下見をしたかったようです。今回はランチとデザートとコーヒーを頼みました。　　　　　　　　　奥のゆったりしたイスで壁際に座ったので満腹になり眠くなるくらい落ち着きました。 ええと、それからこの代々木上原でもうひとつ見つけたものがあるんです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく… 

  2008.06.26

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  写真展に行って来ました！

   写真展に行って来ました。    　　     以前　「京都の達人」として紹介した北奥耕一郎さんの東京での写真展です。北奥耕一郎 新春写真展「京都・風の音」（かぜのね）2008年1月31日（木）～2月6日（水）京都の高校時代の友達といっしょに行ってきました。前回のモノクロームの世界とはまた違う京都の景色を題材にした北奥さん独特の雅な世界を堪能しました。 柔和なお人柄は相変わらずで、私たち素人のぶしつけな質問にも快く答えて下さいました。 写真の世界も奥深いものだという思いがしました。「朧月」という作品の前で私はその美しさに身震いがしたのです。私たちにはおなじみの円山公園の桜を撮ったものですがその撮影方法を聞いて驚きました。まず、少しまだ明るさの残る夕方にシャッターを押し次に少し暗くなってから、また押し…そして３回目に、月を写す…月はフィルターと望遠レンズを使って、実際より大きく…「え～？３回シャッターを？！そんな技法が写真にはあるんですか…知らなかった～」だからこそ、月が出ているのに空がなんとも言えない美しい青…つまり写真は明るい方に感光するからだそうで… まだ、他の灯りがともらないうちに背景を写しておいて月の朧を際立たせる…もしかしたらそのような隠された技法に私の心が揺さぶられたのでしょうか？ゾクゾクっとしたのですよ！ 最近、私もデジカメを撮るのが楽しくなってきたのですが北奥さんにヒントを少し教えて頂き、勇気づけられました。フラメンコの舞台の写真などはぶれているものが味が出て、面白いって、おっしゃってました。実は私もそう思ってたんです。なぁんてね～ 質問ばかりして、長居をしてしまいました。m(__)mまだ書店では発売されていない写真集にサインをして頂き、にこにこ顔で友達とギャラリーを後にしました。 友達とデニーズでコーヒーを何杯もおかわりしながら(笑)話に花が咲きました。腰のほうも手の方もだいぶ良くなったようでよかったです。久しぶりにアートに浸れたし、友達ともたくさん話ができて、楽しかったです。 

  2008.02.04

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  銀座の画廊で…

   　　　　　　　　　  昨日はマンションのフェスティバルの後、（うちでお祭りごとが好きなのはわたしだけ～）「三原　伸」さんの個展を見に、銀座のあかね画廊に行きました。去年、一緒に行った京都の高校時代の友達（現在は千葉の松戸に住んでいる）が約束の日に急に腰痛で行けなくなってしまいました。「子育て支援」というお仕事で赤ちゃんの世話で頑張りすぎてしまったようです。残念です、早くよくなってね。娘を誘ってみたら行きたいというので…。彼女は三原さんの個展は初めてでした。三原さんは友達の友達の知り合いで(よくわからない）毎年開かれる個展を見に行くようになってから１０年位経つでしょうか。はじめはウィーンにいらっしゃる頃でした。毎年一回日本での個展を楽しみにしていました。ウィーンには１０年以上いらっしゃったのですね。外科医をやめられて、３２歳から画家になられたのです。異色ですね。そののちなぜかバリ島に移られて５年位たったところで日本に帰ってこられました。初めて見た頃から、絵は少しづつ変わってったように感じます。特にウィーンからバリに移られてから色彩が鮮やかになり、動物の絵が多くなった気がします。でも、なにか宇宙的というか幻想的というかその独特の個性は変わってない気がしますが...いつも動物の表情がとてもやさしくて好きです。今回も絵に見守られながらず～っとその場所に居たい気がしました。娘も「すごく癒される」…といつになくとても気にいったようです。このところ、友達と現代美術ばかり見に行っていて、少し疲れたと言っていました。三原さんの絵も、幻想的ですし、よくわからないんですけどなぜか、あえて「これはどういう？...」なんて聞かなくても「ああ、なんかいい...」って思ってしまうんですよね～特に今年の絵には動物の表情にさらにやさしさが増しているようでした。去年、結婚なさったことは影響...あるでしょうか...ね。娘は漫画家を目指しているのですが、ストーリーはどんどん浮かぶのですが絵がともなわなくて少し悩んでるみたいでした。むしろ面白い発想のイラストや、文章の方がいいと言われたり...絵本のほうが向いているのか...とも思ったり。絵を続けていくことは決まっているのですが、まだまだ不安なことが多いようで...。最近、友達に（漫画で）担当者がついたり、日本画を描いている友達がカフェで個展をやったり、刺激を受けているようです。三原さんにいろいろアドバイスしていただいてとても参考になったようです。とにかくあきらめないで描き続け、いろんな人に見てもらうこと。その時ダメでも、何年かたって実を結ぶこともあるそうです。 娘もいろいろお話して気持ちが落ち着いたようで以前、出版社の人に見てもらった絵をその時は声をかけられなかったけれどもう一度、ちゃんと描いてみると言っていました。画材の話になって、私にはよくわからない名前がとびかい娘が「ついケチケチしちゃうんですよ～」と言ったら、三原さんの意外な絵具の節約法を伺いました。「わたしは地球にやさしい画家なんです」と笑ってらっしゃいましたが...そんなことまでバラしちゃって、いいんですかい？って感じ...筆や絵の具など、自分に合うものは自分自身で模索することだともおっしゃってましたね～。今は油絵にナントかっていう樹脂を混ぜると乾きがものすごく早くなり、気持ちが途中で途切れないで描くことができて本当に助かっているとおっしゃってました、なるほどね～。東京は何でもそろう画材やさんあるから個展で来た時はごっそり買い込むのだそうです。いろんなお話を聞いて、前から思ってはいましたが、ほんとにいいかただな～～と思いました。娘も絵は写真で観るより、生のほうが数倍も素敵だし、三原さんも、もっと違う印象をもっていたらしく実際お目にかかって、人柄に触れ、うれしかったようでした。彼女にとっては「やさしい、おじさん」なのでしょうね～あ...すみませ～～んm(__)mそういえば、私たちが、そろそろおいとましようとしていた時、一人の美女が入ってきました。三原さんに名刺を渡しながら、「この間は私の力不足で申し訳ありませんでした。いつかわたしも力をつけて、ご一緒にお仕事ができたらと思っております...」と。うんうん、こういうことなんですね～「決して、あきらめないで、描き続ける」娘にこの言葉は必ず響いていると思います。 てなわけで、帰りは当然値段が高いカフェには寄らずめっちゃ安いパスタ屋さんで軽く食事してさっさと帰りました～。 　　　　 　※　来春になるそうですが、三原さんの絵本「テオンをさがしに」が講談社から出版されます。ピテカントロプスというサイトで見られますよ。  

  2007.11.05

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  浜口陽三、小津安二郎…そして山田太一

  今朝、「新日曜美術館」を見ました。　　　「この人が語る私の愛する画家」　　　　　山田太一　　私と浜口陽三山田太一さん脚本のドラマは好きだったし銅版画も好きなので...  初めて知った浜口陽三 　　　　　　　　　　　　　　好きですね～こういう銅版画。外国ではとても有名なのに、日本でどうしてほとんど知られていないのか山田太一さんは大好きなこの銅版画家のことをこの機会に...と熱く語ってくれました。絵を描くのに、「はじめは闇だ」という浜口　陽三…闇の中にどんな色をにじませるか...それは知らなかった官能の世界を教えられたようだと語る山田さん。パリに行った浜口陽三の名を一気に世にしらしめたのはそれまで、黒と白しかなかった銅板画にカラーメゾティントという色彩を使った改革を成功させた事だった。赤、青、黄、黒...というたった４つの色を微妙に重ねる事によって生み出される、独特の世界...。浜口陽三は、サクランボなどの果物や蝶など、素材の限定をする。山田さんが浜口氏に会ったとき「どうしてほかのものを描かないんですか？」と質問すると「めんどうくさいから...」と答えたという。自分でしか描けない世界、どこにもない世界...「恐ろしいほどの自己限定」そして...むむ、急に小津安二郎監督のことを話し出して焦点がボケたな～と思っていたらそうではなく、銅版画家浜口も映画監督小津も「自己限定」と言うところでは共通していると言いたかったのね。う～～、でも...小津は小津で特集を組める素材ではないですか。なんか、盛り込みすぎて少し食傷気味になってしまった。山田太一さんだから、やはりそういう流れになったのだろうけど、もう少し、浜口のことを知りたかったし山田太一、浜口陽三　ラフカディオ・ハーンの愛する「闇」のことをもう少し深く掘り下げてほしかったかな～山田太一さんは闇が好きだといった。でも、ご本人は浅草生まれの浅草育ち...夜はネオンいっぱいのはずなのですが...闇の中の光を表しているものが好きで...さんさんとあたる昼の太陽の光より好きなのだと言っていた。ラフカディオ・ハーンも闇を愛した。闇の中のなんだかわからないもの...魑魅魍魎の世界...目に見えない、なにか...それは、闇を愛する者にとってはワクワクするものなのか？でも彼も「こんなわたしなんか、世の中にいらないんです」と嘆いていたんだね～まさに「闇」だね～私は「闇」というと学生時代の親友の実家、山形県の東根市に行ったことを思い出す。たしか友達と近所（と言っても一キロ以上はあったのでは？）の親戚の家からの帰り道...電灯もない夜道を二人きりで歩いた。よく、歩けるな～こんな暗い道を...と驚きながら…で、急に思った。もしかして、この隣を歩いている友達が実は妖怪だったらどうしよう、と…怖くて口がきけなくなってしまった。それまで経験したこのない、真の闇だったのだ。闇は人にいろいな想像させてしまう...のかも...私は夜はネオンギラギラが好きかもしれない～ 小津安二郎監督...実は思い出すことがあります。私は結婚前に父とふたりで旅行した。それは父が、原節子演ずる一人娘と、笠智衆演じる父とが、ようやく決まった娘の結婚の式の前にふたりで旅をするという小津安二郎監督の「晩春」という映画にもろに影響を受けてしまったからだった。はいはい、私もずいぶんと行き遅れておりました...あのときは新潟に私たち親子のルーツを尋ねる旅だった。親戚によったり、市役所で家系図を調べたりした。若いころは映画監督になりたい父だった。でも、母と私を食べさせるために、一生をサラリーマンで送った。仕事をしていないときは酒を切らさない父であった。晩年（と言っても５０代か～）、8ミリカメラと映写機を買い込みうれしそうに撮影をし、編集していたっけ...。今、生きていたらコンパクトなビデオカメラで、 喜々としていろんなものを撮っていたことだろう...。小津安二郎ファンは若い人も多いですよね。 脚本家山田太一さんのドラマは好きでした。「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」「思い出づくり」などなど...特に鶴田浩二主演の「男たちの旅路」はもと特攻隊員だった主人公が若い人たちとの交流の中で本音で言葉をぶつける場面が、胸にずし～んときました。障害を持った若者達を真正面からとらえた回を覚えています。斉藤洋介さんの演技があまりにも見事でした。「岸辺のアルバム」もかなり刺激的でしたね。帰国子女の光と影、高度成長時の営業マンの悲哀、人妻の不倫...などなどそれまでのホームドラマにはない、辛口のシナリオでした。ジャニス・イアンの主題歌も新鮮でした。(山田さんが選んだのですね）今でもテレビ欄で「脚本　山田太一」の文字があるときは、ビデオに撮って見たりしています。いつも「現代」を鋭い感性で切り取り、きっちりした言葉で物語を進行させていて、見ていて引き込まれていきます。最近はあまり見てないですが、たまに見ると鋭さよりやさしさを、より感じるのですが...いろんなことを、感じさせてくれた今日の「新日曜美術館」でした～ビデオに撮れなかった～残念！ 

  2007.09.09

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  世界の絵本

   昨日、最終日となった絵本の展覧会 にうらわ美術館に行ってきました。「世界の絵本がやってきた－ブラティスラヴァ世界絵本原画展」　 ４時近くに行ったせいもあり、すいていてゆっくり見れました。私がいいな～と思った本はグランプリでした。「黒い鉛筆と赤い鉛筆」..　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　黒い鉛筆は一生懸命字を書いてどんどん短くなっていき赤い鉛筆は、素晴らしいお話を書こうと考えすぎて一行も字を書かないうちに、ねずみにかじられてしまい…つまり、書いても、書かなくても２本とも無くなってしまう...というお話。ん～なんですか、教訓ですかね～図録をさっき見てわかったんですが、この作者はイランの方だそうです。この本はひとめでひきつけられました。ノートのように薄くて小さい本なのですよ。色と筆のタッチがいい感じです！鉛筆がひとりで書く文字が音符みたいに踊ってる。なんていっていいかわからないけど、何か心を揺さぶるものがあるんです。好きだな～同じ作者のもう一つの作品「穴のあいた靴下」も色がすごくあざやかでおもしろいです。　　　　　　　　　　ね！⇒　　　　　　　　　　　　　　なんか楽しいですよね！あと、日本の作家さんのもあって、あ、この絵好きだな～と思ったら「ビロードのうさぎ」の酒井　駒子さんでした～「金曜日の砂糖ちゃん」　　　　　　　この繊細なタッチがたまりませぬ...黒をこれほどステキに使うなんて憎いお方…宇野亜吉良さんの絵本もありました。ひとつは「悪魔のりんご」 　　　　　　　　　　　 これは女の子が喜びそうな、やさしい悪魔と少女のお話です。 もうひとつは「りゅうのおくりもの」　　　　　　　　　　　　　 これはびっくり！飛び出す絵本ですよ！色が淡いですけど、迫力ありました。 一時間位の時間でしたけど、いろいろな絵本を見て楽しかったです。がきんちょ君たちもちょろっとしかいなかったのですわってゆっくり絵本を手にしてみることができました。お母さんが子供さんに読んで聞かせてたり...昔を思い出しますな～うらわ美術館の展覧会は小規模ですがいつきてみてもいいなぁ、と思います。落ち着ける場所ですね。 帰りに一階のお店でデザートビュッフェを食べようかなと、いつも思うんですが、１９００円という値段に二の足をふんでしまいます。この間、高いお寿司屋さんにも行ったしね～朝から、ほとんどちゃんと食べていなかったので日曜は朝、昼、作っていると自分が食べるのを忘れるというか食欲がなくなってくるのです。ダメですね～…タリーズのシーザーサラダラップサンドを食べてみました。以外とおいしかったす～...丁寧に仕上げた蒸し鶏をふんだんに使用し（ん？蒸し鶏？ふんだん？）、チーズをすりおろすことで風味豊かに仕上げました。380円（税込） …なんだかどっと疲れが出てしまい、ずるずる状態で家に帰りました。ちょっと横になったら調子がよくなり、昨夜もまた夜更かししてしまいました。どうもその悪循環が暑い頃についてしまったようで...気をとりなおして、がんばろうっと...今日こそはやく寝よう…ってもうこんな時間か～ 

  2007.09.03

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  ビロードのうさぎ

  今日は週一回、生協で頼んだ品物が届く日です。箱の中に玉ねぎやお菓子やお米と一緒に絵本が入っていました。先週、自分への誕生日プレゼントとして「ピロードのうさぎ」(マージェリィ・Ｗ・ビアンコ原作　　　　　　　　　　　　酒井駒子/絵・抄訳）という本を頼んだのです。先週のちらしに表紙の絵が載っていて、ちょっと魅かれたのです。　　　　　　絵も文章もとてもよかったです。癒されました。特に絵が好きですね～これはパステルかな～？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（この馬さんが好きです）今日は朝から私にしてはめずらしく頭痛があり、なんだか悲愴感にさいなまれていたんです。どうも、昔からひとりでカラ回りするところがあり、大したことでもないことが、やけに気になり...自分の気持ちをどう処理していいか解らなくなる時があります。そんな状態になる、いつまでも大人げない自分がいやになり、どんどん追い詰めていきます。実を言うと、どうも先週あたりから、兆候が現れ始めていました。でも、この絵本をみたら、気持ちが落ち着きました。こういうときには、テンションを上げようとするより気持ちを落ち着かせることがいいのかもしれません。小さい男の子が大事にしていたピロードのうさぎのお話は私が小さい頃、大好きだった、やはりビロードでできた犬の人形を思い出させてくれました。それはたれ耳のコッカスパニエルのぬいぐるみで、首に手提げ用のひもがついていて背中にジッパーがある、ハンドバッグでもありました。ハンカチ、ちり紙と小銭入れ位はその小さな背中の袋に入ったのです。座った形で体長は２０センチ強位だと思います。だから、デパートなどに出かける時はいつも持ち歩き、寝るときも左の肩に置き左手で抱いて寝ていました。（あれ、右だったかな？）そのぬいぐるみを抱いていると落ち着いて眠れた気がします。それは紺色だったので、朝起きると、よだれの後があったりしました。白いフェルトの白目に黒いボタンの瞳...赤い丸いフェルトでできた小さな口...と～っても単純な顔でしたが、私は当時６回位見たディズニー映画、「わんわん物語」の『レディ』だと信じて疑わなかったのです。色も顔も全然ちがうのに…。いつ、『レディ』がいなくても眠れるようになったのか覚えていません。人は、他人から見れば「えっ？そんなことで...」と思われることでいとも簡単に傷ついてしまうことがあります。そんなとき、絵本を見るのはいいのかもしれません。心がやわらかくなっていくような気がします。わたしもこの「ビロードのうさぎ」を読んで自分が子供の頃を思いだし素直な気持ちになれたんでしょうね。 ちなみに『レディ』はまだ実家にちゃんとあります。私にとって本物...なのかな？（この意味は絵本を読むとわかりますよ） お、日記を書いたら頭痛がなくなりました！

  2007.08.23

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• 青木画廊 「眼展」に行きました…

  先日、銀座の「青木画廊」に行ってきました。　　　　　　実はアラネアの以前の日記、「幻想美術館」に　　　　　　　　『高松潤一郎さんの絵が気になった』と書いたところなんと、ご本人の訪問がありコメントと「青木画廊」でのグループ展のお知らせを頂きびっくりするやら、恐縮するやら...。だって、高松さんの作品を「キモきれい」ってたったひとことで表現したりして...。このときの作品は確かにちょっと、キモい...でもなぜか心ひかれたのですよ。きれいごとじゃない、なにか深いもの…を感じたんですよ。このときの作品は２０代...今回の青木画廊に出品されたのは６０代の作品...とコメントしてくださいましたが...今回の「巻貝の見た夢」もやぱり心に残ります。多分私はこのオレンジ系の色彩が好きということもあると思いますが...。いったいこれは？…それぞれの女性の顔が印象的、みんな目を閉じています。あの左下のキモかわいい小さな生物は？もしかして作者ご本人なのでは？なんて思ってしまいました。今回の作品を拝見して幽玄…と言う言葉がふっと頭にに浮かびました。 「青木画廊」は美術関係の文章にちょいちょい出てくるので是非行ってみたいと思っていました。おっしゃるとおり、と～っても小さな画廊でした。オムライスで有名な洋食屋「煉瓦亭」のとなりなんですね。一階のお蕎麦屋さん「きだ」も有名なのでしょうか？そのほか魅かれた作品として…アン　マサコさんの立体は圧巻でした。小さなカバンに詰められたようなお部屋...ドールハウス、とも違うその作品...この方のお名前は聞いたことがありました。小さな小さなパーツが全部手作りとは！１センチ四方のメモ帳にもちゃんと文字がインクで書かれています！驚くと同時に遊び心も感じられ、とっても楽しい。この日はかなり暑い日でしたが、有楽町駅から歩き、青木画廊に入って、す～っと気持ちが落ち着きました。今思うと、不思議な空間でした。「眼展」は１４日までやっています。 

  2007.07.08

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• 装丁家　鈴木成一

  　　ＮＨＫテレビの「プロフェッショナル」を見ました。今度もすてきな「職人気質」が登場...本の装丁家「鈴木成一」彼は小説、翻訳本、辞典などなどジャンルを選ばず、いろんな本の外装をてがけています。本の内容に徹底的にこだわり自分の個性でなく、あくまで本の個性を出そうとするのです。みていいてその仕事っぷりに引き込ました。青春小説の装丁の仕事の流れを見ていて「絶対、そう、それよ！」などど一緒にデザインを考えてしまいました。ん～、私はもう少し空間を残した方が...なんておこがましく考えちゃったけど...この仕事は、まず数多くの人が「内容はどんなの？」と本を手にしてもらわなければならない、そこのところが重要ですよね。単なるアート作品とは違うわけなんです。男の人には受けても、出版社がターゲットにしている若い女の子には、ひかれてしまうかもしれない...。難しい...。でも仕事として面白いところなのでは...。彼も現在のように売れっ子になる前はかなり世間の荒波にさらされ、サラ金にまで手を出し、とうそう苦労したようで...でも、たぶんそのことがあるからからいろんな本の内容をより深く理解でき、作家に信頼されているのではないのでしょうか作家　村上龍氏は「本の内容の理解力が素晴らしくそれを装丁に反映できる人は、彼しかいない」とすら言っています。さて、鈴木氏の思う、プロフェッショナルとは...「次の仕事の依頼が来ること」これは仕事で苦い思いをした人ならではの言葉だと私は思うのですが...。それと依頼人に振り回されない、期待以上のものを作ってみせるという自信もうかがえます。残念ながら私は何かのプロにはなれなかったけど...プロのお手伝いだけはなんとか全うしなくちゃと思っていますが...どうもな～...　ま、いっか～　何時もこれです～～トホホ... 

  2007.05.24

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  幻想美術館

   　　shibusawa tatsuhiko  genso bijutsukan 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　                      急に美術館に行ってみたくなったんです。そういえば、近くの埼玉県立近代美術館で『澁澤龍彦 幻想美術館　』を、まだやっているはず...検索してみると明日まででした。さっそく午後、行ってみました。「澁澤龍彦」って昔から、目にし、耳にしている名前なのにはっきりした輪郭がつかめていませんでした。肩書きとしては、小説家...なのですね。彼が有名になったのは日本にサドを紹介したこととサド裁判にかかわったことなんですね。そしてかなり独特の美意識、美術観を持った人であったこと。思ったのですが今日の展覧会は、作品が多すぎたような気がします。その作品というのも、作家蔵、渋澤家蔵、個人蔵、各美術館蔵、資料室蔵...たしかに、彼に影響を与えた作家たちの作品を網羅することは彼を知る意味においては必要なのかもしれません。が、ダリやピカソやワイエスまであり、それは…うれしいのですが…　今回のダリの絵４点はとっても良かった。　とおくから、あの作品いいなぁと思ってちかよたら　ピカソだった！　ああこれ、好きかも～と思った荷車の絵が　私の大好きなアンドリュー・ワイエスだった。　うまい、うまいよ、ウマすぎる、　このかすれた絵の具の使い方　憎いね～そうそう、好きと言えばこれまた大好きな伊藤若冲の掛け軸がありました。なんとも不思議な絵というかマンガみたい...これ、江戸時代に？龍彦さんも若冲に注目していたんですね～。渋いぞ、澁澤！「澁澤龍彦 幻想美術館」と名打つならば、もっと彼が実際に、偏愛したものたち...つまり～オブジェや人形、幻想絵画などなどを展示するだけでよかったのでは？だから私は展覧会の後半部分が一番おもしろかったです。膨大な説明っていらないの、あたしには...もっと、もっと感覚的にとらえたいな～彼の部屋は「驚異の部屋」と呼ばれているが写真でみても、さほど私には驚異...とは思えない。なんかぁ、だだ、自分の好きなものが雑然…いやかなり整理されている）と置かれてあったり、壁にかかっていたり...するだけなのでは？は、もしかして、うちにも娘がガチャガチャで集めている目玉や血管や神経の浮き出た手や人体模型もどきの置物がテレビの上とかになにげなくあるので感覚的に麻痺してるのかしら？うちのほうがよっぽど驚異の部屋だ～～イラストレーターの金子國義さんの絵があった。金子國義と言えば、今から３０年以上も前女の子の雑誌anan創刊号からおなじみの絵だわ～すごく印象的で、不思議なエロティシズムなんですよね～創刊当時のananはなかなか面白かったですよ～原宿なんかもまだ竹下通りにお店がポツポツとしかなかった頃です。四谷シモンさんの人形がもありました！たしかこの人はテレビドラマにも出たりしてましたよ～ん～～彼とも交流があったのか～三島由紀夫や唐十郎とも...前衛劇団のポスター、面白いな～売店にロリータちゃんが二人ほどいました。ロリータに龍彦さんは支持されてるのかな？鎌倉の文学館で、「澁澤龍彦　カマクラの日々」という企画展をやってる！こちらのほうが私を満足させてくれるかもしれません。２７００円もした図録...買ってしまいました。これは美術誌としてかなり価値があると思ったんです。展覧会のすべての作品が載ってますからね～外に出ようとしたら、雨がざあざあ...しかたなく、ほんとはミスドのカフェオレを…と思ったけど美術館内にあるイタメシ屋でデザートセットを...オレンジシフォンケーキはふわっとして超おいしかったです。レジでおねえさんに美術館のチケットを見せ１０パーセント引いてもらうことをけして忘れなかったアラネアでした。 今回の展覧会で私は「高松潤一郎」って方の作品が気になり足をとめました。なんていうか～キモきれい、です。    

  2007.05.19

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  シュルレアリスムって…

  このところ、朝五時まで仕事をしたり、そのためヘンに躁状態になってしまたり、休日は出掛けて疲れたり...で…日記の更新ができずにいました。書きたい事はいろいろあったのですが、ちょっとパワー不足でした。今日も今日とてこんな時間になってしまい...。(現在ＡＭ２時半)昨日はうちからバスで１０分位のところにある埼玉県立近代美術館に行ってきました。この建物は今話題の黒川紀章さんの建築です。私はわりと好きな建物ですよ。窓も広くて明るい感じがするし、なんとなくモダンです。それで、今日まで開催中だったのはこれ↓です。なかなかおもしろかったです。興味もあったんで...。すごく魅かれた絵とか彫刻はなかったんですが...。あの、正月みられなかったダリの作品も４，５点ありました。マン･レイもあって写真の技法などがわかり印象的でした。彼は油絵も描いていたんですね。そして、マン･レイのモデルであり、自身もシュルレアリストとして活躍したメレット･オッペンハイムと言う女性が気になりました。彼女の作品は面白かったです。日常の家具も作ったようで、テーブルの足が鳥の足になっていてテーブルには鳥の足跡がついている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんともおもしろ～いそれと、やはりマグリットはいいな、と思いました。黒っぽいカーテンがたくさん描かれた「人間嫌いたち｣とか、入場券の絵、「白紙委任状｣とか、絵と題名との間に作者のメッセージを感じずにはいられません。ただ、今回は、若冲やピカソやマティスを見たときのようなすごい感動というものは、ありませんでした。シュルレアリスム(超現実主義)はシュール(現実離れした)と言う意味ではないんです。シュル＝超とは極度の強調で｢突きつめた｣と言う意味なんですって。「突きつめた現実｣なんですね～現実を超えて、別世界に行ってしまうのではなかったんですよそうなんだ～。このトシになって初めて知った。「シュールだね～｣と言うのとシュルレアリスムとは違うものだったんですね！きっとわたしは「シュールだね～｣のほうが好きなんですね。シュルレアリスムは、現実に起こらないことを描いているけど、私はそこに、より現実を感じて圧迫感をおぼえるのかもしれないと思いました。今、こうやって文章を書いていて気づきました。な～んとなくわかったような…（ホント？)美術館のショップでどうしてもほしくなってこんなかわいい、水彩絵具買っちゃいました！にゃんこの顔がレリーフになっているんです～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドイツ製です。５００円でした。で…今日は美容院に行きヘナのレッドに染めてもらいました。暖かくなってきたので、髪も春バージョンに…前よりダークを少なく、明るめに…それから、うらブラ(浦和をぶらぶら)に…ピアスを買いました。お気に入りのお店が閉店セールで５０パーセント引きになっていました。アラネア興奮…ブラッド（ひゃ～)のような深い赤のアンティーク調のピアス…本当は似合うのはオレンジ系の赤なんですが、ひと目で気に入ってしまったもので～～　　　　　　敷いているのは　やはりその店で買ったマフラーでリボンがついているのだけれど不器用なわたしはそのリボンをうまく使いこなせそうもないな～娘＆友達に教えてもらおっと…他もネックレスと、もうひとつピアスを買い、女に生まれてよかった～～と思いました。

  2007.03.25

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  色の奏者　志村ふくみ

  　　  今日は、夕陽がキットきれいと思って、必死で帰ったのですが時、すでに遅し…でした。富士山も見えなくなっていて…。でも、一番星がくっきりと…。 　昨日、ＮＨＫテレビの「新日曜美術館」を見て「志村ふくみ」と言う人を初めて知りました。染色家（草木染）であるその人はまるで少女のようなあどけない、そして生き生きとした表情で８２歳とは思えない若さでした。ほんとに驚きました。自分の思った色を作ることに生涯をささげる決心をし、自分が染めた糸で機を織り、着物を作る。興味あるお話にどんどん惹きつけられました。いろいろな植物の枝を煮つめて色を出すのですが桜の枝を煮つめて糸を染めるとピンク色になるのだとか...。でも花が咲いた後ではその色は出ない。花に全部そのエキスは移行してしまうから...。花を咲かせる前に枝をとってしまったり命をつなごうとしている、実や種をとってしまうのだから、人間は自然に感謝しなくてはいけない。人と自然は別々のものではない...と志村さんは語ります。ずっと彼女は不思議だと思っていた事がありました。それは、藍染の時に藍がめから糸を引き出し絞る時糸が一瞬、緑になる...。しかし一瞬だけですぐ藍色に...。なぜ...･？・？しかも、緑と言う色は緑の草や葉からは直接できないという。絶対に...。ある人のすすめでゲーテの「色彩論」を彼女は読みました。わからない部分も多かったが、はっと思い当たる箇所もあって、自分の持っていた疑問が晴れたそうです。　「この世は光と影で成り立っている」影は青で光は黄色...その色が重なった部分は緑...植物の緑は生そのものを私達に見せてくれているのだ...と。ゲーテが「色彩論」まで書いていたとは...。しかもそれは膨大な量です。ほんとにまったく、ゲーテって人は...。ゲーテの著書を読んでいないのでよくわからないけれど多分、それは自然哲学と言うものではないでしょうか？　　　　　　　　　　　　　　　 　今、源氏物語の登場人物を着物で現す展覧会をやっています。平安時代はまだ模様と言うものが無く、着物の色でその人の人柄がおしはかれたそうです。そういう日本の色を伝えたい...と志村さんは思っています。おそらく、プレイボーイの光源氏が一番愛したであろう、つつましやかで、儚い運命の夕顔…。私はそんな夕顔の紫の着物にとても心惹かれました。光源氏は黄色...。光＝黄色なのだそうです。この展覧会を是非観たいと思ったら滋賀県の美術館なのです。残念です...。去年はポーラ ミュージアム アネックス(銀座) でハギレをいろいろ張り合わせた現代アート的な展覧会があったのです。マティスの貼り絵を見て触発された、と...。またしても、マティス...。最近マティスに目覚めた私は、おおいに納得...。なんだか、つながっていますね～、自分の好きなもの。テレビの画面で見ても、ハギレのコラージュが語りかけ音楽を奏でているようで、楽しくなってしまいました。。色が奏でる…　香りをはなつ...色ってすごい...あらためて思います。女性の激しい感情が伝わってくるような蘇芳（すおう）と呼ばれる朱（あか）…桃色、桜色　紅色...微妙に違うたくさんの色たち...島国であり四季おりおり、微妙に変化していく色を日本人は鋭敏に感じとることのできる民族であったのに今はそんな感性さえ無くなりつつあるのでは...。紫色も、もはや日本ではできないので、モンゴルから輸入しているが、とても日本の昔の色の比ではない...と。今、志村さんは京都の山あいの村に通いもういちど自然と自分との関係をみなおしているそうです。すると徐々に自分の輪郭がみえてきた...。仕事もこれからの行く末も、鳥も植物もそして孤独すら全て寂しさの奥に包まれる気がする...と。自分とつながる自然...を感じるのだと言っています。随筆家としても定評の高い彼女の本を是非読んでみたい、と思いました。ここで少しだけ、志村ふくみさんの文章を読む事ができます。今日さっそく書店で「一色一生」と言う文庫本を買ってしまいました～。私にはちょっと難しいかも…。

  2007.02.26

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  うらわ美術館に…

   ずっと美術館に足を運ぶ事がなかったのでこの間もダリを見そこなったし...ここのところの私は、アートに浸りたくなっていました。本日、うらわ美術館に行ってきました。「ピカソ、マティス、シャガール･･･巨匠が彩る物語」　　　　　　　　　       　　　　　ピカソやシャガール、マティス、ミロなどの巨匠たちの作った挿絵本の公開です。全てうらわ美術館収蔵のものだそうです。本をばらして一枚一枚、額にいれて展示してあるのですね。今日はギャラリートークのある日で、学芸員さんのお話を館内をいっしょにまわり、聞くことができました。とても、よかった。おもしろかった。やっぱりギャラリートークを聞くのと聞かないのとでは作品を知るという点で相当な差があると思います。入るとすぐにピカソの版画がありました。ビュフォンと言う人の「博物誌」の動物すべてを担当したらしい。彼は文章をよく読まなかったらしく、背景など個性的で動物の顔が生き生きとして、ちょっと遊び心もあるような感じ...墨絵のような濃淡であらわした線がとてもみごとだっだ。さすが、ピカソ！いいなぁ！「とかげ」が特に気に入りました。細かい模様がすごいんです。シャガールの「寓話」の挿絵。フランスの国民的文学である「寓話」の挿絵をロシア生まれのユダヤ人であるシャガールが描くという事でかなりな物議をかもしたらい。モノクロで色彩はないが、愛らしい動物の表情がシャガールらしかった。それと「ダフネスとクローエ」これはおなじみの美しい色彩です。シャガールはピカソと違い、文を熟読してからとりかかったらしいです。彼は幻想的に描くけど、かなり取材はきちっとする人だとと学芸員さんが言ってました。マティスの作品は「ジャズ｣と言う本の挿絵です。あれ～私が子供の頃やっていたおりがみの貼り絵とそっくりではないですか～そう言えば、図工の先生がほめてくれてたっけ...あたしってやっぱり天才だったのか～(笑)色といいデザインといい、とても気にいりました。挿絵だけでなく、文字も書いています。それがすごい大きい文字...サンプルがあったのですが、挿絵と文字がしっくりしていてステキな本になっていました。本というより芸術品と言う感じ...。マティスはあんまりピンをこなかった画家でしたがこれはほんとうによかった。ちょっとキース・へリングを思い出たりしました。      ギャラリートークは１時間位でしたが、とてもわかりやすく参加してよかったと思いました。いつもそうですが、うらわ美術館の企画は観点がおもしろく学芸委員さんのお話も肩が凝らずに楽しいです。こういう、ちょっと変わった視点で、あまり大々的ではない展覧会は、いいなぁ、と思いました。ん～充実した～ 

  2007.01.28

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• 阿部サダヲがウルルンに！

  　昨夜は会社の人の出張先の旅館捜しや、納品書、請求書の作成で忙しかったです。私は微妙にエクセルでの表作りが上手くいかないで手間取るところがあるんです～グスン昨日の夜は見たい番組がありました。阿部サダヲさんが、なんと「ウルルン滞在記」に登場！私が大ファンであることは以前、日記に書きました。彼は異色な俳優、怪優と言っていいのではないでしょうか。しっかりビデオに撮りました。昨日はサッカーの番組もありましたものね。チェコの人形を使ったアニメの監督マレック・ベネシュさん（向こうでは超有名らしい）のお母さんの家にホームステイし、アニメスタジオでオリジナルのショートアニメ製作...。よくやらせてくれましたよね～あら～、やっぱり私が１０年近く前からほれこんでいる人だけあって、素晴らしい感性じゃないですか！！絵だってうまいし...すんごいオリジナリティがあるんですわ。彼の作品オリーブさんの顔はユーモラスで哀愁があってとってもいい！（一番最初に作った、河童もよかったけど...）人形をすこ～しずつ動かして作るアニメは静止画を２４コマつなげてやっと一秒！膨大な時間がかかるのですよ。でも、それをやりとげて、映像を見る時の喜びってはかりしれないものがあるでしょうね！ちょっとやってみたいかも...阿部さんは、できあがったアニメにその場で「音をつけて」と監督に言われ、ちょっと困惑したようですがそこは快優、釣竿を投げる音や浮きが動く音、などなど即座に口真似して皆を驚かせ、楽しませました。監督さんのお母さんも言ってけど、優しい人がらが画面から伝わってきました。演技をみると、もう少しエキセントリックな人かと思ってたんですが。ますますファンになりましたね～。いつもひとくせもふたくせもある難役をこなしてらしたのでたまごクラブ、ひよこクラブのＣＭをやってて、びっくりしたり、ちょっとがっかりしたりしてた私でしたが...実生活で優しいお父さんになってらしたのね～ちょっとの間にあんなにステキなアニメを作れるなんて！日本人としても鼻が高いです～うれしいです。この番組って若い人がよく外国に行きますけど、ある程度の年齢の人が行ったほうが、いいような気もします。前、フラメンコをスペインで習ってた若い女の子がいたけど自分ができない事にイライラして、ペアになってくれたスペインの少年に対してすごく失礼な態度で、ハラハラしたし腹立たしかったです。年配の人が行ったほうがよっぽど良かったと皆で話ました。今、思い出しても、スペインの人に対してすまない気持ちになります。（ううっ！ひがみも...あるかな～）阿部サダヲさんの、純粋で子供みたいにキラキラした目が印象に残りました。余談ですが、私が１０年位前に注目してた、阿部さんや篠井英介さんや、生瀬勝久さんは、今とっても活躍しています。ン、そう！私って先見の明あり…ってこと～～～前にも、おんなじこと言ってましたっけ？

  2006.12.18

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  サブダはさぶくなかった！

                 　　　　　　                                            ビーニャさんの日記で知った仕掛け絵本作家 ロバートサブダさんのサイン会に先日、娘が喜び勇んでいったのです。（その日私はフラメンコ、カラオケ　ラテンダンスカーニバルに...）なのに！１０時半ごろ、会場である西武デパートについた時には１１時から始まるサイン会の整理券がもう一枚もないという状態だったそうです。しかも、午後の分もですよ！いや～、凄い人気ですね～。娘もまさかそんなに人気とは思っていなかったようで...彼の本をたくさんかかえこんで、びっしり並んでいる人たちを見てなんとなく複雑な思いで、娘は少しひいてしまった…と言っていました。サブダさんを横目にみながら、作品だけはしっかり見てきたようです。娘の撮ってきた写真を失敬して載せました。３０年近く前、まだ独身だった私は、１ヶ月間、ヨーロッパ旅行をしました。そのときロンドンの本屋さんで見つけた飛び出す絵本が、とてもすばらしくてびっくりしたものです。日本ではまだ見たことがなかったんです。買ってくればよいかったな～娘も好きなんだし...。当時は自分に子供ができるなんて想像もしなかったのですからね～そんな娘が明日、専門学校の研修旅行でイギリス、フランスへと旅立ちます。たった一週間ですが...。モンサンミッシェルにも行けるとかで...。向こうはきっとクリスマス一色でしょうね～うらやましい！！   

  2006.12.16

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  京都の達人

                                                                以前もチラッと書いたと思いますがわたしは高校一年の夏休みに父親の転勤で東京から京都に引っ越したんです。転校した京都の高校で同じ学年だった人のご主人が写真家で今日の朝の番組に登場されると言うメールを頂いていました。毎日放送の「知っとこ！」と言う、朝の番組です。その写真家「北奥耕一郎」さんは、柔和なお顔と優しいしゃべり方で京都のお勧めスポット「赤山禅院」を紹介しながら写真の撮り方を説明なさっていました。もみじは逆光で撮るときれいに取れるとか…ほんの数分でしたが、北奥さんのはんなりとした話し方が京都の風景に調和していたような気がしました。去年、東京での個展を見に行きました。文化庁特別研修員として派遣されたアメリカ（カリフォルニア）で撮った写真でした。すべてモノクロでした。とてもステキでした。モノクロだからこそ、より神秘的に見えてどの写真にも物語性を感じた事をおぼえています。モノクロの世界にどっぷりつかった、と言う感じでした。その時の写真があちらの国際写真展に入賞したとか...。日本人では北奥氏だけとか...そんな方なのに、権威とか、芸術家にありがちな鋭さというかちょっとこわいみたいなところが少しも感じられないんです。物腰がやわらかくフレンドリーでびっくりしました。写真教室がどこも満員なのがうなずけます。専門の学校を出られたのではなく、はじめは全く写真とは縁のないところに就職したと聞きました。それから独学で転身なさったのですから、いろいろご苦労もあったかと思います。奥様とお二人でがんばってこられたのですね。奥様は高校時代、いっしょのクラスになったことがないので、印象はないのですが、３年間私と同じクラスだった友達（現在松戸に住んでいる）が、奥様を良く知っていたんです。友達は前から東京での個展を見に行っていたようです。私は去年が初めてでした。奥様はお酒が強いそうで、一度飲みながらお話したい… 京都で、高校の同窓会が毎年、盛大に行われているのです。何年かに一度同期会もある。一度も行った事がないんです。物理的にも経済的にも、そして精神的にも、余裕がなかった...そろそろ行ってみたい気がします。 　「赤山禅院」は桜と紅葉が両方見られるという場所でした。　　　秋に咲く桜ってけっこうあるんですね。　　　そんな桜の事を「不断桜」っていうみたい                                                 

  2006.11.18

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  伊藤若冲を見た！！

  　　　　　　　　　仕事のめどが、ある程度ついたので、　　　行ってきました、ジャクチュウ！！！イェ～イ　　　　　　　　　感動しました～。すごいです～　あの例の、「鳥獣花木図屏風｣の前は黒山の人…前の人がなかなか動こうとしないので館の方が促している程でしたよ～確かにね、何でしょう、このデジタルっぽい雰囲気…ドリトル先生にでてくるような洋物系の鳥や動物たち…インド更紗を思わせる、淵の模様…この細かい升目はどうやって描いたのかな、はじめに線を引いたのか？「これが江戸時代に…？｣ってだれでも感じることですね～　私が一番気にいったのは、墨絵の「鶴図屏風｣です。この鶴の体の曲線の心地よさはなんだ！説明には鶴が卵になってしまった。とか書いてあったけど…その解釈でいいんですかい？いや～この一筆でくるっと、力が入ってるような入ってないようなとにかく、くるっと、なんでこうステキに描けるんじゃい？そして、鶴の表情の豊かさと躍動感…ため息が出ました～そうなんです。若冲の絵の動物たちはみんな、躍動感にそして生命力にみちあふれているような気がします。『筋目書き』(墨のにじみを利用して描いたり、輪郭を白く残したりする技法）が、秀逸でそのセンスが抜群です。　若冲にぞっこん、参ってしまったので他の江戸時代の画家たちの絵はほとんどチラッと見るだけでした。奇人といわれる蕭白（しょうはく)は確かにおもしろかったけどもっとインパクトが強いものが見たかった…芦雪（ろせつ）の作品はゆったりして遊び心がすごくある人じゃないかな～と…なんと言っても、私は若冲です！彼の絵を見ていると、♪　絵が好きで好きで、どうしょうもない♪　って気持ちが伝わってきます。「絵をかくことが楽しくて、楽しくて…これしかできないんだよ～！｣って叫んでるみたいです。もちろん苦心した時期とかあるでしょうが、世間からみれば変な奴でしょうが、その育ちの良さから、自由で、どこにも属さない、押さえつけられてない感じがします。好きなものに出会い、好きな事を自分のやり方で貫き通した、…そんな生き方に憧れもあります。ここのところ、ひとりで好きなところに出掛けることがなかったのですがやはり時間をやりくりして実行した方がいい、と思いました。脳が喜ぶって気がします。上野の美術館てどうも苦手だったんですが、今回は本当に行ってよかったです。ハシビロコウに会いに上野動物園にも行かなくちゃ…涼しくなったらね…

  2006.08.26

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• 江戸時代のニート伊藤若冲

  昨夜、テレビ東京の「たけしの誰でもピカソ｣を見て、伊藤若冲（じゃくちゅう)と言う絵師をはじめて知った。色鮮やかで、遊び心があり、動物の表情が当時の日本画家としては信じられないくらい豊か…現代画にも似たポップな感覚の彼の絵に私は衝撃を受けた。江戸時代、青物問屋の裕福な家に生まれたが家業には興味がなく、人と付き合うのが苦手でニートのような生活をしていたらしい。23歳で絵を模写することに熱中し始め、一時期、狩野派に支持しその後中国の宗元画を模写する。そうしてオリジナル作品を描いたのは、なんと40歳を過ぎてから…私はカラオケでよく宇多田ヒカルの「さくらドロップス」を歌うがそれは本人登場のプロモが大好きだからだ…。ＣＧでできたそのプロモは幻想的で色彩が鮮やかでシュールで初めて見た時はどきどきした。そこに動物がたくさん描かれてある絵が一瞬、出てくるのだが抽象的な感じがして、まさか江戸時代の画家が描いているものとは思いもしなかった。若冲が、まさにCGを手描きにしたような気の遠くなるような細かい作業で描いたものなのだった！彼は決して、金のためではなく全部の作品を寺に寄進していた。「誰ピカ」にゲスト出演していた現代の大和絵師と言われている、画家の山口　晃氏（この方とても好感がもてる)が「高い絵の具を使っているので絵が痛まない」と言っていた。家が裕福だったので、絵の道具などに十二分にお金がかけられたらしい。だから、作品にも見るものを裏切るような、ン？と首をかしげたくなるような遊び心がかいま見られるのかしら？ちょっとうらやましい…今、東京国立博物館で展覧会をやっている。テレビ番組「美の巨人たち｣でも、以前、彼をとりあげたようだ。若冲と言う画家を知る事ができて、うれしかった。

  2006.08.05

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• 織田広喜が描く女性

  先日、かかりつけの医院の待合室で、置いてあった何年か前の婦人誌をみていたら「織田広喜美術館｣のことが載っていた。むか～し、絵の先生に「アンタは織田広喜の描く女の人に似ている」と言われた事を思い出した。そういわれて、後日、美術書で織田広喜と言う画家の作品を見た。う～ん、これですか～？似てますか？かなりデフォルメされた頼りな～い感じの女の人をみて正直、嬉しい気はあまりしなかったけど…ただ、絵の雰囲気はなんとなく好きだった。どこかパリの香りがした。彼の描く女性は、『都会的な哀愁とアンニュイな雰囲気』を漂わせている、とどこかに書いてあった。若い頃のアタシ…そうだったのかな～そう言えば、すぐに疲れてしまう、目に力がない神経過敏の女の子だった気がする。（でもお酒だけは強かった）今、絵の先生と会ったら「変ったね…」って言うかな～きっと言うね。友達は、たったひとつだけ「色を塗るのではなく、色を置くんだよ」と先生は教えてくれたと言う。先生の消息は今はわからない。○○会とか、どこかのグループに所属する事を嫌う一匹狼だった。いつも酒の匂いがしていた。でも、先生の絵が好きだった。先生が似ているとおっしゃってくれた、織田広喜の女性たちをネットで見ていると、今はなんだかうれしい。「女性の幸せなさみしさを描きたい」とどこかに載っていた。ちょっと、ぐっときた。若い頃苦学し、寝たきりになった妻を愛しぬいた織田広喜と言う人が好きになった。１９１４年生まれで、まだご活躍とか…いつか本物を見に行きたいと思う。

  2006.05.28

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  幻想絵画と鉄の作品

  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昨日はアート三昧でした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　毎年、今頃になると必ず行く画廊があります。銀座並木通りのあかね画廊というところです三原　伸さんと言う画家さんは私の友達の知り合いで、ちょと変った経歴の持ち主です。３０歳まで、大病院の外科医として勤務していました。が、毎日、心半ばにして病に倒れていく患者をみているうちに自分のやりたいことを真剣に考えるようになったのです。以前から絵の才能はあったらしく、それまで仕事と並行して学んでいたフェイマススクールで大賞をとったのをきっかけに、外科医の座を捨て単身ウィーンに留学したのでした。ウィーンで暮らしながら、年に一度、個展を銀座で開いていました。が、４年半前、突然拠点をバリに移されたのです。バリに暮らしてからの作品はやはり、ウィーン時代とちがった明るく色彩豊かで動物や植物が鮮やかに光の中につつまれているような絵が多くなった気がします。でも、三原さんの持つ独特で幻想的な持ち味は、随所にちりばめられています。とても、購入することはできない金額なのでいつも見せて頂くだけで、申し訳なく思っています。そして、いつも真摯に誠実に応対して下さるやさしさにも本当に感謝しています。バリを引き払い、今はもう大津に暮らしてらっしゃるそうですが来年の作品も再来年の作品もずーっと期待しています。３０点余りの絵は、何回眺めてもどれもあきることなくいつまでもそれらに囲まれていたいと思ってしまいます。迷惑な客ですみません。　　　　　　　　♪♪♪♪♪　　　　　　　　♪♪♪♪♪さて、お次は銀座松屋デパートで初めての個展を開催しているアイアン・アーティストの筒井哲平さんです。彼は３０代前半の将来有望な青年です。４年前、テレビの「誰でもピカソ」のアートバトルで彼の作品を見た時の衝撃は、今でもはっきりと覚えています。「イグドラシル」というそれはとても大きな鉄の作品でした。北欧神話にでてくる世界樹…そのどこか奇妙な形をしているオブジェに雷に打たれたようなショックと感動を覚えました。何故なのか？今もわからない…番組では、一点差で、その時最有力候補であった同じ鉄の作品を破り、彼がチャンピオンになったのです。その「イグドラシル」を直接見ることができたのは、たしか３年位前のデザインフェスタでした。その時はまるで懐かしい人に会ったような感動を覚えました。「誰ピカ」出演以来、ずーっと私は彼の作品のファンで、鍛冶屋さんとしての門や看板、階段の手摺りなどの内装関係、花瓶やインテリア雑貨などにもそのセンスが表れていると思っています。今回はメモや写真などを挟むことのできる文鎮を買ってきました。哀しいかな、それしか買えないって事もあるんだけど…今回、下駄箱の一部に彼の個性と思しき鉄の曲線を見ることができて嬉しかった。硬い鉄なのにやわらかく優雅な曲線を表現することが出来るんですよ、圧巻です！ところで今回は高校時代の友達（私は高校の３年間だけ京都でした）と行ったのですが、私の友達ったら関西のおばちゃん丸出しで、筒井さんに「こんなに鉄を打って、さぞかしいい体してるんでしょうね、それが見たいわ～」と言ってしまい、あわててしまいましたよ、も～。「はいはい、今度脱ぎますから…」ってシャイな筒井さんは意外にもかわしてくれましたが…あ～、もう私の大事なアーティストさんになんてこと！後で聞いたら、「私はいい腕をって言ったつもりだったのに、体って言ってた～？どないしょ～」あ～あ…どっちにしろ、関西のおばちゃん恐るべし！！！「オブジェをそろそろやってみたいです」とおっしゃっていた筒井さん、独立し自分の工房を持たれ、そう、EL EXTRAVAGANTE(奇抜な鍛冶屋）、その名の通りの作品をまた、期待してます！！　　　

  2006.04.24

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• 孤独な画家…鴨居　玲

  ２週間くらい前の夕刊に「鴨居　玲｣の記事が載っていた。『没後２０年、鴨井　玲　展』を石川県立美術館でやっている。鴨井玲はずっと気になる画家だった。彼を知ったのは、もう１０年以上前の事だった。５７歳で急逝した画家の足跡をたどるテレビ番組だった。鴨井氏の正式な妻ではなかったと思うが、最後をみとった女性が、共に暮らしたスペインをもう一度訪ね、当時世話になった人達と再会し、彼を忍ぶ、と言う場面があった。「自殺…だったのよ｣とテーブルに突っ伏す彼女を驚きと悲しみの表情で見つめるスペインのおじさんたち…当時、主人の経営する会社が倒産し、子供の事でも悩んでいた私はテレビに映される彼の絵に衝撃を受けた。あまりに重い、どこまでも暗い…孤独で自虐的な人物の表情…気持ちが沈み、目を背けたくなった。なぜ愛する人、愛してくれる人がいるのに自らの命を絶つのか、激しい怒りを覚えたのも事実だ。もう、彼の絵を記憶の中から消し去りたいと思った。でも…今、彼の記事を読んで改めて、彼の作品にどうしようもなく魅かれている自分を感じる。それは、人間はだれしも、孤独であると言う事。そして、確実に死に向かっているという事を年を重ね、実感してきているからかもしれない。決して見ることはないと思っていた彼の絵を見たいと思う。見ても、もう、大丈夫だと思う。かつてテレビで見たときのように、気持ちがふさぐことはないような気がする。悩みがすべて消えたわけではないが…没後５回も回顧展をやっていたのだ。根強い人気があることも知った…

  2005.11.28

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• 「元宋の赤｣に魅せられて…つづき

  「一昨年９０歳で逝去した日本画家の重鎮奥田元宋」…と招待券の裏側に書いてある。今回は夫人であり人形作家の奥田小由女(さゆめ)さんとの作品と一緒の回顧展である。入り口付近には農村の牛と子供ののどかな風景の絵があり、町の家々を描いたものはどこか西欧的である。そんな絵が６,７点続いた後、急に鮮やかな、燃えるようなそれていて深い赤が目に飛び込んできた。深いと言っても真紅ではなく、「朱｣だと思う。私のベストカラーではないか！雪渓の下に広がる紅葉、空には月が…そんな作品が何点かあった。圧巻は大作「紅嶺｣。ここに描かれている月はまさに球体だ。肉眼で見える月ではない。その存在感は作者の年輪を現している様に思えた。一番好きな絵は、１９７１年に描かれた「霧雨」である。真っ赤な紅葉の波…そこに極めて薄く白く霞のように振りそそぐ霧雨…右下に葉を黄色く染めた木が一本だけある。そして中央にも薄く黄色になった木が２本ばかり…構図、色彩、なにもかもすばらしい！彼の技法は「新朦朧体｣とも言われたらしい。一昨年、９０歳で亡くなる直前まで絵筆を持っていたらしいが、老いても情熱を失わない魂には感動する。そこには、彼を支え続けた夫人の存在がある。かなり年下と思える小由女さんの人形からは慈愛に満ちた女性らしい感性が伝わって来る。元宋が亡くなった夜は月がきれいでまるでご主人が月に導かれているような感じがしたと、作品の説明に書いてあった(と思う）が、さすがにアーティストだなぁと思った。嗚呼、絵を思いきり描いてみたい。ひとりきりのアトリエで、キャンバス代や絵の具代を気にすることなく…いやいや、本当に好きなら、どんな事があってもずっと描いているはずだ。若い頃は絵で食べていく事なんて出来ないし、自分に才能なんかないと思っていた。石膏デッサンはそこそこで、絵の先生には「どうして、デッサンはこんなに出来るのに、風景画、ダメだね～｣と言われたものだった。風景画を描く事は、好きでない。人物、女性を描きたいと思う。時には聖母であり、時には鬼女、或いは奇女になる、そんな女性の顔を…いつか、近い将来きっと…２１世紀のグランマ・モーゼス目指して！…なんてね～もう、いいのだ！一生、あがいていくぞ。「元宋の赤｣にエネルギーをもらった。帰りの電車の中で頭がいつもよりはっきりしている自分を自覚してビックリした。いつも死んでいるのか、私は…ああ、大好きなアートに常に触れていたい。でも、感動するのはいろんな人生経験を経てきたからかもしれない…招待券を下さった、母の日舞仲間の方、ありがとうございました。余談ですが、日本橋高島屋の７階、カフェ･ド・セブンはカウンター席のみですが、自分の好みのカップを選ばせてくれます。和風、洋風、ステキなカップたちがガラス戸棚の中で待っています。今度はあのカップにしよう、なんて思いながらのコーヒー・ブレイク…お勧めです。

  2005.09.19

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• 「元宋の赤」に魅せられて…

  久々に日記を…ここ１０日間はどうも軽い鬱状態では…と思われる。思わず「更年期の真実」なんて本を購入してしまった。今日は日本橋高島屋の８階ホールで開催中の「奥田元宋回顧展ー小由女とともにー」を母と見に行った。母は紫の紬の着物を着ていた。見慣れた着物である。元気そうで何より。食欲もある。奥田元宋と言う画家を私は知らなかったが、かなり有名な人らしい。初期の作品はのどかな牧歌的な風景画なのにあるときから急に激しい赤で表現される…ここまで書いたら、激しい睡魔に襲われた。また明日…　

  2005.09.18

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• 智美術館に行く

  今日は｢現代ガラスの挑戦　光の彫刻展｣を虎ノ門にある智美術館に観にいった。神谷町からけっこう歩きました。曇天に感謝！坂を上ったり下ったりしながら、ついた美術館の入り口ドアを開けると、今まさにギャラリートークが始まろうとしていたところでした。館長と思しき恰幅のよい紳士に促されて、『わかってまんがな、ただで見ようとは思うとリまへん』と心でつぶやきながら、入場券を購入。　ネットの写真でお顔は知っていた、現代ガラス作家の高橋禎彦先生にちょっと会釈をし、知的でやさしそうな物腰の学芸員さん(憧れ！)のお話しの中にわが神経を集中させていった。参加者は私を含め８名くらいであったろうか、全員女性。しかも熟女…着物をお召しのセレブな方も…う～む、皆さん金と暇のありそうな(当たり前やナ)、私のようなガサツな中小企業のおかみさんとは違う雰囲気を醸し出している。ちょっぴりうらやまじい～ぐすん。玄関のすぐの、廊下の突き当たりにある、「ある女主人の肖像」…なんと字～やで。女と言う文字がいらっしゃいませとはんなりとした姿で少しおじぎをしている、と言う「書」なのである。ちょっと感動！それから、地下の展示場にいくまでの螺旋階段。これがこの美術館の魅力の一つですな。手すりがガラスでできているのだ。天井の窓から差し込む光をうけてキラキラと光っている。なかなか美しい。いや、そうとう美しい！手すりをさわさわしながら、お姫様気分で階段をおり、地下の展示場に行くとそこは一階よりひんやりとしていた。上着を着ようとして、モタモタしている私を見かねて先ほどの恰幅の良い紳士の方がバッグを持ってくださって（いつもこうだ。どうして不器用なんだろう)恐縮してしまった。学芸員さんと先生のお話しを聞きながら、作品をひとつづつ観ていく。兼業主婦の日常を忘れさせてくれる、なんて幸せな時間！チェコがガラスの本場とか、なんとなく知ってはいたが、種類がそんなに豊富とは…。　高橋先生の作品『アーク』は光の当て方で作品の表情が変わる。それを見る事ができたのは今日の私達だけ！得した気分だ。何せ、学芸員さんが懐中電灯を持ってきて、いろいろな角度から照らして下さったから…。ガラスの作品は照明によってまるで雰囲気が違う事が他の作品をみても理解できた。収穫、収穫。高橋先生の作品の弧の白さがとても好きだ。流氷のような重さと氷砂糖のような涼やかさ、気持ちのよい質感がある（触りたかった～)。今回の作品の中では一番好きかも…チェコの作家の『天空のアトランティス』も心惹かれる作品だった。円錐形のコバルトブルーの器を支える怪獣の足のようなもの、気になった。ブロンズでつくられているそうである。おもしろい。ガラスと鉄やブロンズとの合体は見る人の想像力を膨らませてせてくれそうだ。ちょっとの間だったが１０人くらいの即席仲良し集団ができたって感じがして楽しかった。ちょっと見、ストイックに思えた高橋先生は我々の質問に気さくに答えて下さって、お話しはとてもわかりやすく、ガラスというおもしろい素材に魅かれ、厳しいながらも仕事を楽しんでいるのがこちらによく伝わってきた。多分４０代半ばくらいの方なので、いろいろな意味で余裕もできているのだと思う。「ガラスは物質なのに、物質から遠いふりをすることができる、そこがおもしろい」と言ってらした。なるほど…感覚的にわかる気がする。ギャラリートークが終了し、もう一度ひとりでじっくり作品をみなおしてから、またガラスのてすりをすりすりしながら、一階に上がり、「ある女主人の肖像」に今度は見送られながら美術館を後にした。ホテルオークラにうっかり入って迷子になってしまい、結局入ってきたドアから出て(なんじゃい)神谷町駅へと歩いていった。途中、テレ朝があって、若い女の子たちが大勢たむろしていた。アイドルでも待っているのだろうか、ご苦労様。ベローチェがあったので入って、カフェオレのトールなんかたのんじゃったらかなり大きい代物でちょっと後悔。しかし、ひとりでゆっくりお茶をして至福の時を過ごした。日比谷線にのり恵比寿で降りたら、地震で不通になると放送。ラッキーと思いつつ、家にいる子供達や江戸川区の母のことが心配に。携帯でTellしてもつながらない！なんとか娘とつながってほっとした。埼京線はわりと早く回復し、超徐行運転ながらも無事与野本町につくことができた。娘と待ち合わせて書楽に行き絵本を見て親ばかとおもいつつも娘に絵本を買ってやった。娘１９才。クールで繊細な奴だ。今日は後半はハラハラしたが、充実した一日だった。思い切って行きたいところに行こう、一人で…いい女はひとりが似合う、な～んちゃってね～

  2005.07.23

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