ひとりごとワンダホー

2007/06/09(土)22:38

東野圭吾『浪花少年探偵団』

読書(48)

めっちゃ面白かった! 最近『変身』も読んだんだけど、あれはちょっと苦しくてさー。 『浪花少年探偵団』は、終始大阪弁が飛び交ってるだけあって、したたかでたくましくて誰もが本来の性格を隠さず繕わず丸出しにしているにも関わらず、わりと面白おかしくコミュニケーションが成立していて、「なんだそこは、ワンダーランドか!?」的な驚きと爽快感と生活臭が濃密に混ざり合った一冊でした。 子供から大人まで、レギュラーからチョイ役まで、みなさんキャラが濃くて感心したんですけども。大阪ってのは、リアルにそういう所なんですか? しのぶセンセが小学生相手にビシバシと裁きを下すさまが実に男前なのですよ。 「畑中は嘘つく男やないわな、原田もそこのとこは信じたり」 「気のせいや。喧嘩はいつでも両成敗や」 「そんなもん休んだらよろし。塾とファミコンとどっちが大事やねん?」 「やかましいっ!女の子にもてるのも男の値打ちやで。人のことを妬むのは、男のカスがすることや」 あんまよく知らないけど、大岡越前とか遠山の金さんとかってこんな感じなんですかね?(違うだろ) 東野圭吾の悪い(というか単に僕が好きじゃない)癖で、何かにつけて人物を「いい女(あるいは男)か、そうでないか」という視点から描写するのが気に食わなかったんで、大人たちは放っといてひたすら子供たちの登場シーンを楽しんでました。 鉄平やるじゃん。かっこいいじゃん!「ファミコン名人」というキャラで登場したにもかかわらず、その辺のスキルがほとんど生かされてないところが、彼のファミコン以外にもあふれる才能と魅力を物語ってました(やけにハードボイルドな感じで馴染みの店のオヤジと新作ゲームの取引をするシーンは笑えた(笑)) 女の子にも優しいし勇敢だし頭も回るし、新藤やら本間やら相手にもなりませんよ。奈々ちゃん、君は見る目がある! えーと、阪神ファンの彼には黒と黄色のしましまマフラーを編んでプレゼントする、と…(メモメモ)。

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