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専業トレーダー DaTsU

燃えよ!ピンポン



かるーく楽しんで見られる作品です。

爆笑しますw。


かつては天才卓球少年として騒がれたものの、いまではピンポン曲芸師に成り
果てたランディ。そんな彼にFBIが接触、正体不明の悪漢フェンが開く闇の卓
球トーナメントへの潜入捜査を依頼してくる。

監督:ロバート・ベン・ガラント
出演:ダン・フォグラー、クリストファー・ウォーケン、マギー・Q 他


ハリウッドがマイナースポーツに救いの手を差し伸べることはままある。救いの手、というのはやや語弊があるかも。ネタが尽きた笑いの起爆剤に利用する、と言ってしまった方が正しいだろう。最近ではベン・スティラー&ヴィンス・ヴォーンの『ドッジボール』。そして、『燃えよ!ピンポン』だ。だが、卓球ファンは安心してはいけない。俳優たちは一応、卓球の元オリンピック代表選手に付いて特訓したという触れ込みだが、実は激しく往き来するピンポンのCG画像に合わせて腕を動かしているだけなのが一目瞭然。後は過剰なアクション演出が施されていて、映画から"卓上の格闘技"と称される卓球本来の面白さが伝わってくることは、残念ながら最後まで、ない。

しかし!そもそも、『燃えよ!ピンポン』というタイトルが指し示すように、この映画はブルース・リーの『燃えよドラゴン』や『ドラゴン怒りの鉄拳』に熱中し、ジャッキー・チェンを崇拝する監督&脚本コンビ(ロバート・ベン・ガラントとトーマス・レノン)が、カンフーをピンポンに替えてリクリエイトした『燃えよドラゴン』ピンポン版。卓球の醍醐味を観客に伝える気などハナからなく、アメリカ人の元天才卓球少年(実在する選手がモデル)が父の仇を討つために極悪人が主催するサドンデス国際卓球大会に殴り込む、という、もろ「ドラゴン」を意識した設定の下、映画は終始、伝説のカンフー映画をパクリまくり。痛烈なのは、主役を演じる新人、ダン・フォグラーが腹筋バキバキのブルース・リーとは似ても似つかぬメタボ体型な点。でっぷり太った体にナイロンジャンパー&ケミカルウォッシュ・シーンズという出で立ちで(舞台になる1980年代を代表するマイナートレンドだ)会場入りする姿は、余りにも天然で思わずファンになりそう。こんなに痛いパロディには近頃お目にかかったことがない。

大ヒット作『ナイト ミュージアム』の脚本をコンビで書いて一山当てたガラントとレノンの得意技はアドリブだという。通りで、ギャグが微妙に滑ったり、セリフのタイミングがズレるケースが随所で目に付く。それは、すべてが段取りで進んでいくハリウッド・コメディへの反抗か?演出の隙間に居心地の良さを見出すコアなマニアには、この狙い、意外とヒットするかも知れない。しかし、国籍不明の極悪人に扮して画面をさらうクリストファー・ウォーケンだけは、契約書にサインする時点でアドリブ拒否を明言したとか。にも関わらず、まるで台本を無視したような勝手気ままな(に見える)怪演には舌を巻く。さすがにオスカー俳優、懐が深い。


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