第12回ドイツワインフェストを終えて
こちらのブログは全然更新できていませんが、ドイツワインフェストのことはこちらのほうがよいと思いこちらのブログに投稿します。と思い開いたら昨年のフェストの記事から1年ぶりの投稿でした。僕は運営に関わっているので、いくつかの側面からの感想、報告となります。愛好家の団体である東京ドイツワイン協会が主催のドイツワインフェスト、今回も盛況の中無事に終えることができました。160人の方に参加していただき、みなさまに喜んでいただける会になったと思います。昨年も感じましたが、20代、30代の方もたくさんいらっしゃり、協会の食事会に参加されていないあまりお見かけしない方が多かったので、ドイツワインをより多くの方に知ってもらうというこのイベントのひとつの目的を果たせていることをうれしく思っています。 一種類ワインが届かないというアクシデントがありましたが、お詫びとして3種類用意していた有料試飲のうちゼクトを無料にし喜んでいただけたのでほっとしています(本数を多く用意していなかったので希望する全員の方には行きわたりませんでしたが)。例年は5、6月の開催で今年はより暑い時期だったこともあり、十分だと思って用意していたワインがほぼ全てなくなったのにはびっくりしました。スタッフの打ち上げでは提供したワインを飲みました。その中でケラーのシュペートレーゼだけ用意するのを忘れてしまったのでこの画像にはありません。毎年来場者にはアンケートを書いてもらっているのですが今年は参加者の4分の1の方に書いていただき興味深い内容のものがたくさんありました。全員の方を満足させるイベントというのは難しく、不満な点や要望を書いてくださった方もいらっしゃいましたが、そういう方も含めてほとんどの方がこのイベントはよかったかという問いに、「よかった」と答えてくださっていたことで成功でとらえられると思います。おいしかったワインを挙げていただく問いには、全てのワインが挙げられていたことがとてもよかったです。一定のワインに集中することがない、ということは幅広い好みの方に対応でき、それぞれの方によいと思ってもらえるワインをそろえているということです。ドイツワインの多様性とさまざまなタイプでもそれぞれおいしいワインがあるということを示せていることになるのでこのアンケートの結果に安心しました。アンケートでは、甘口がやはりドイツワインという方もいれば、辛口、赤をもっと増やしてほしいという方もいました。会場での会話では、ある一種類はとてもよくもう一種類はあまり、という方がいらっしゃりその全く逆のことを言っている方がいて、アンケートでも好みはその2つにわかれているということもありました。ドイツワインの魅力を知ってもらうという意図でワインは選んでいるので、同じ好みの方に照準を合わせるのではなく、幅広いタイプの中で飲んでいただきそれぞれの方の好みに合うワインがあればよいという考えなので、全てがよかったという感想だけではなくそういう意見があってもよいと考えています。今回のリストです。お出しできなかったロバートヴァイルを削除したものを載せます。300円での有料試飲2種類、入場の際のウエルカムドリンクを含めて17種類をお飲みいただけました。ここからは僕個人の感想の味わいの感想も多く含まれています。辛口の白ワインは結果的に4種類となりました。飲み口がやわらかいがコクのあるタイプが多く、もっとパワフルなものもあればよかったあとは思いましたが、この4種類でも味わいは異なるのでドイツワインの辛口にはどういったものがある、というのを知っていただく役割は果たせたかと思います。マティアス・ミュラーはスタンダートなリースリング辛口としてこのワインでよかったなあと思いました。フリッツ・ハークのトロッケンはもっと酸で骨格のあるワインかと想像していましたが、甘みも感じるやわらかいタイプでした。個人的にはこういうワインは大好きなのですが。フュルストは初めてミュラートゥルガウを選びましたが品種の個性も感じるやわらかい味わいで、なおかつテーブルワインを超える品質でいいワインでした。デンホフはヴァイスブルグンダーで小さい樽で熟成させている上級のラインのものを選びましたがとても好評でした。ただ6000円という価格を考えるという買うために選ばないという方もいるのではと思います。赤はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)2種類です。タイプが異なり、賛否両論だったのが面白かったです。個人的にはアールのマイヤーネーケルのシーファー土壌のぎゅっと果実味がまとまった芯ある味わいがより好みでした。暑い時期だったのでゼクト(スパークリングワイン)も数種用意しましたが、ドイツのおいしいスパークリングワインが飲めてよかったという声が多くてよかったです。あまり知られていませんが、ドイツ人はスパークリングワインが大好きでほとんどの醸造所からゼクトはリリースされています。タイプは多様で、今回用意したものもタイプが異なっていて、それぞれの方においしいと思えるものを紹介できてよかったです。僕は親しみのあるやさしさがありながら芯もあるライツのロゼのゼクトがよかったです。レープホルツは辛口ワインでファンが多いですが、そういった造り手がどういうゼクトを造るのかということを知っていただけたのがよかったです。リースリングの甘口系では、エゴンミュラーがQBAで販売ししているラインの一番下であってもエゴンミュラーらしさの感じられる深みのある味わいで好評でした。2012年ということ少し熟成しているので個性がより出てきているということもあると思います。その他のシューベルトのQBA、ハールト、フレーリッヒのカビネットは甘さや味わいの方向が異なるもので、それぞれの方の好みでおいしいと思えるものがあったようです。ケラーのシュペートレーゼは、酸が少なめの2011年ということもあってか甘みを強く感じ上品な甘さが心地よく感じられ、僕も好きな味わいでした。フーバーの高価な赤ワインが造られる畑の単一畑のシュペートブルグンダーのロゼは、繊細ながらもうまみが凝縮していました。1万円近くの価格なので、個人的にはこの価格を出して買いたいとは思えませんが、多くの方に良いと思ってもらえる素晴らしいゼクトでした。有料でのアウスレーゼは若いワインの良さと熟成した時の良さを知ってもらいたいという意図で2014年と2005年のモーゼルのトップレベルの甘口を造る造り手のワインを用意しました。ドイツワイン好きとしては熟成した甘口ワインの素晴らしさを知ってほしいのはありますが、プリュムの2014年のほうが好きという方も多くフレッシュな段階の甘みが前にあるワインに良さを感じる方が多いことも知ることができました。意見がほぼ2つに割れていました。でもどちらもおいしくてあとは好みの問題、ということです。個人的にはシュロスリーザーの貴腐ぶどうも含む2005年のきれいでなおかつふくよかな味わいのアウスレーゼをあと5年以上寝かせてから飲んでみたいと思いました。おそらく20年後でも素晴らしい味わいで飲むことができるのではと思います。ざっとですが感想を書いていきました。ゴーミヨの最優秀醸造所に選ばれたことのある醸造所からワインを選んでいるのですが、気品のあるタイプが多く、産地も少し偏ってしまうので、もっと幅広く紹介できるといいなあと思いました。テーマを決めてその中では最優秀に選ばれていない造り手からチョイスすることもしているので、もっと多様性を知っていただけるような内容にしたいと思いました。今回は今までよりも購入したインポーターを増やしたのですが、もっと他のドイツワインをがんばっているインポーターも紹介できればと思っています。来年も開催し、多くの方に喜んでいただける会になることを願っています。