シュロス・プロシュヴィッツ(Schloss Proschwitz)のワイン飲み比べ 東京ドイツワイン協会のセミナーにて
昨日は東京ドイツワイン協会のセミナーがありました。セミナーは年に三回あって、毎回講師がワインやそれにまつわる話をしながらワインと食事(もしくはつまみ)を楽しむというスタイルです。勉強会ですが堅苦しくないので食事会でもある、といったかんじです。今回の講師は協会の役員でもある日野屋の荻野さんでした。場所は日野屋の二階にあるアパートの一室のスタジオです。日野屋は知る人ぞ知るワインのインポーターでここしか輸入していないワイナリーもけっこうあります。古くからやっているのでコンビニの地下にある壮大なセラーの奥には古いヴィンテージのもあって(ドイツだけでなくフランスやイタリアも多いです)それを求めて武蔵小山から15分ぐらいかかるこの場所を訪れる人も多いのです。今回のテーマはシュロス・プロシュヴィッツ(Schloss Proschwitz)醸造所でした。この醸造所はドイツの13の生産地域の中で唯一旧東ドイツの地域であるザクセンにあります。ザクセンは独特の古い町並みで有名なドレスデンや陶器で有名なマイセンのある地域です。僕はドレスデンには一度だけ行ったことがあって、日本にはほとんど輸入されてないザクセンのワインを何種類か飲みました。今回はワインのテイスティングをする前に荻野さんの話を聞いてからテイスティングをするという形で、パソコンのモニターの画像も交えながら荻野さんにザクセン、シュロスヴィッツの歴史や特徴などをお話ししていただきました。ザクセンのワインの情報は日本には少なくて、正確な細かいことを話せる人も少ないのでとても貴重な会になったと思います。そしてテイスティング、今回は7種類のプロシュヴィッツのワインを軽い食事と共に順番に飲んでいきました。チーズやパンの他に取り寄せていただいた無添加のソーセージ、役員の女性と共に早くから準備してくださったロールキャベツなどもあり家庭的でなおかつドイツぽい食事を楽しむことができました。 1 ゴールドリースリング QBA 20042 ヴァイスブルグンダー カビネット 20053 ヴァイスブルグンダー カビネット 20014 リースリング カビネット 20005 リースリング シュペートレーゼ 20026 シュペートブルグンダー バリック QBA 20027 エルブリング ゼクトbA 2002 全てがそうだったので書きませんでしたが7のゼクト以外の全てがトロッケン表記の辛口ワインです。時間が経っているワインが多かったので全体的に落ち着いたワインが多くてそういう意味でも貴重な会でした。2と3はヴィンテージ違い、4と5は等級違いなのでふたつのグラスで同時に飲み比べをしました。ひとつひとつでもこだけの種類を飲めるのは滅多にないことなのですが、飲み比べて特徴を分析できるというのはとても良い経験になりました。それでは1番から少しずつ感想を。ゴールドリースリングは他の産地にはほとんどなくてザクセン特有のザクセンらしいワインとして認識してよいと思うのですが、モーゼルやラインガウのワインとはかなり異なりフランスのワインに近いのだけどほのかにドイツらしいさわやかさを感じました。ソーセージなどあまりこってりはしてないけれどちゃんとした食事(洋食)にあうワインだと思いました。2と3は同じ品種、同じ畑なのに年代以上のあきらかな違いを感じました。2番の2005年のはかなり荒々しくて、ドイツのヴァイスブルグンダー(ピノブラン)らしいワインでした。それに対して3番の2001年のはやわかくて気品のあるワインでした。僕はこのワインはけっこう好きだったのですが、ピノブランでここまでやさしいワインになることにびっくりました。熟成の作用もあると思いますが。ふたつのワインが大きく違うのはその年の特徴ということだけでなくケラーマイスターが替わったから、ということもあるみたいです。4番と5番も同じリースリングなのに全く違っていて興味深かったです。4のカビネットはまず色がとても濃いことにびっくりします。15年以上経っているワインみたいでした。逆に5番のは2年しか違わないのに若いワインのような淡いレモンイエローでした。カビネットは奥深くアウスレーゼ(のトロッケン)といわれても納得してしまうようなものでした。食事も万能になんでもあわせられると思います。今回の7種類の中では一番好きでしたし手元においておきたい一本です。5のシュペートレーゼは色同様味も薄く、かなりの辛口で深さも感じられなくてシュペートレーゼ(遅摘み)の葡萄とは想像できないものです。でもフランスのワインになれている人にとっては非常に好印象な良いワイン、という感想になる人も多いのではと思いました。シュペートレーゼとして適したワインかどうかということはおいといて、良いワインかどうかというのは完全に好みの問題、といった偏った味のワインでした。6のシュペートブルグンダー(ピノノワール)は一見うすく感じるのですが少し口の中にあると深さも感じるという不思議な味わいでした。うすいけどしっかりした層で感じるタンニンがこのワインをバランスよいものにしています。ドイツだけではなく赤ワイン好きの人にとっては非常に面白いワインだと思います。高めのちゃんとした調理法の肉料理にあわせると幸せな気持ちになれると思います(わかりにくい表現ですみません)。時間が経つと広がり、ボリュームがでてきて少し違う印象にもなりました。7のゼクト(スパークリングワイン)は想像していたより甘さもあって飲みやすかったです。最初より最後、というのがわかる気がしました。エルブリング(モーゼルで多く植えられている昔からある品種)のゼクトなんて初めて飲みました。ということで興味深いものばかりでした。品質的にはどれも良いものばかりで、味がバラバラだったので個人の好みで好き嫌いが分かれる(でも必ず気に入るワインはある)ラインナップといったかんじでした。ザクセンは西の産地とはまた異なった味わいの広さがあって面白かったです。北の寒い産地という、異なった地理による違いもしっかりとわかる会でした。日野屋のワインがすばらしいことが証明されましたし、荻野さん(女性です)のユーモアのある聞きやすい説明や疑問にもしっかり答えてくれたりと、日野屋はすばらしい酒屋さんなので興味がある方はぜひコンタクトをとってみてください。4000円の会費ではありえないすばらしい内容でした。新年会、今回ととても良い会が続いたので、自分がワイン選びで担当するときにプレッシャーになるのが少し怖いですが。