クロアチアとスロベニアは91年にユーゴスラビア連邦から独立した国です(スロヴェキアはチェコとくっついてた国なのでなじみのない人はスロベニアと混合してしまうかもしれません)。ユーゴスラビアは他にいくつもの国から構成されていて現在は全てバラバラになっていてかなりの国が存在しています。
しかし日本人にとってはクロアチアやマケドニアくらいしかなじみはなくて、セルビア、ボスニア、コソボといった名は戦争や紛争のニュースでしか聞いたことがなかったという人が多いのではないかと思います。
僕もクロアチア、スロベニアに行くことを決めてから、ユーゴスラビアはどういった国で構成されているのかとそれらの国の地理を初めて把握したのでした。
そういった面でも旅行というのは役に立っています。国や土地の名前はニュースなどで聞いていても日常に関係ない国は旅行でもしないとなかなか知ろうと思わない、そして行って初めてわかることがたくさんあると、いうことが旅行するようになってからわかってきました。
日本人にとってはユーゴスラビアにあった国々のことを知らない人が多いので、自分が実際に訪れて感じたクロアチアとスロベニアについて書いていきます。
いちばんわかりやすい説明だと、クロアチアは共産圏の面影がありスロベニアには西欧諸国に歩みよろうとしている、といった感じだと思います。ユーゴスラビアだった国の中でスロベニアのみEUに加盟していて通貨もユーロだということでも察することができると思います。
このふたつの国は全く違うというのがよくわかりました。西か東かということだけでなく言語も違うしおそらく文化も違うのでしょう。
スロベニアは列車もきれいだし公共の設備もちゃんとしていてドイツやオーストリアにいるのとかわらない感じなのでストレスが全くありませんでした。国民性もあってか街並みも街自体もすごくきれい、といった印象でした。もとからきれいだったのもあると思うのですが、西欧、EUと肩を並べるための努力もしているのではないかと推測しました。
クロアチアにはまだ西欧とは違う風景が残っていました。
インフラはまだまだで、鉄道のない地域が多く路線バスが主流だし鉄道も本数は多くはありません。
観光客が来ないところの物価はかなり安かったです。スロベニアに行ってその物価の差はかなり感じました。
ただ、首都のザグレブからは街並みや生活風景からマイナスな部分をかなり感じ取ったのですが、海沿いの街並みからはそれほどマイナス部分は感じず良い個性ととらえる部分のが多かったのです。港町は昔栄えていて独自の文化を築いていること、そして今も観光客が訪れていることによって活性化されていることが起因しているのではと僕は推測しました。
海側の街はイタリアの要素も多くて、スロベニアがオーストリアに似ているという例でのふたつの国の比較もわかりやすいかと思います。
あと共産主義の面影をものすごく感じたのはザグレブからスロベニアに向けて列車に乗った時でした。国境の手前でクロアチアの警察によるパスポートのチェックがあったのですが、映画でしか見たことがないような道具でパスポートに偽造がないかチェックをされました。何も悪いことをしていないのにすごく緊張しました。
こんなことをされたのは初めてだったのですが、共産主義の雰囲気を直に感じる出来事でした。北朝鮮とかに行ったらこういうことをされるのでしょうね。
というように旅をして初めてわかることがあるというのも旅行の醍醐味です。観光だけではないのです。
ひとくくりにされているけど全く異なる国というのでは他にベネルクスのオランダとベルギーがあります。
クロアチアに行く一番の目的はアドリア海の真珠と呼ばれているドブロブニクを訪れることだったのですが(ドブロブニクもユーゴ崩壊後の人種間の紛争によって破壊された街です、その後復旧)、それ以外の部分でもとっても実りのあるクロアチアとスロベニア滞在の一週間でした。
今まで何度か書いていて載せれなかった写真を、今回のテーマにもそったものから。
ドブロブニクからバスで北上している途中一瞬ボスニア領に入ったところで休憩した時
クロアチアの世界遺産の古都トロギール旧市街の中心の高いところから
スロベニアの首都リュブリャーナの旧市街にて