今回の会はファインヘルプについて知ってもらうというのが大きな目的だったのですがもうひとつテーマを設けていました。
利用させていただいたノイエス(青山一丁目ドイツ文化会館内)はドイツパンとオーストリア菓子がメインのお店なのでケーキとファインヘルプ(中辛口、中甘口の味わい)のリースリングワインを合わせるということをしてみました。お店としても昼よりもその後の時間にやるほうが売上的にも都合がよいうので14時半スタートとして、ふつうのつまみではなくパン3種(うちひとつはデニッシュ生地の菓子パン)とケーキ2種を用意していただきました。
僕は前からデザートやチョコとワインをあわせているので(大ざっぱですがそのことについて書いたのはこちら)、甘口以外のワインでもあわせるとことができるというのを知ってもらう良い機会だと考えたのです。トロッケンだとだいぶあわられるワインの範囲が狭まるのでファインヘルプを何種類も揃えるこの会は絶好の機会ととらえました。
事前にお店の人と打ち合わしてファインヘルプのワインに合いそうなケーキ2種を決めました。
写真は撮り損ねてしまったので参加者が撮った画像をいただきました。
ホワイトチョコのケーキです。たしか上にのっていたのはフランボワーズです。
チョコと甘口以外でも白ワインの相性は抜群だと思っているのでチョコのケーキをリクエストしました。
どのワインもあわないということはなかったのですがその中でも僕はギローのトロッケンとフォルクセンとあわせるのが好みでした。残糖少なめできりっとしているほうが馴染みやすかったです。僕が思っているのは甘み、広がりのあるデザートは甘みが少ない白ワインのほうが相性がよいと思っています。
中盤に出してもらったのは白ワインとレモンのムースです。
レモン汁の絶妙な加減の酸味があってワインとあわせなくてもこのケーキだけで満足してしまうおいしさでした。
これにはやさしい味わいのほうがあっているみたいでアダムとあわせるのが僕は良かったです。熟成して角がとれているレーヴェンシュタインとも悪くなかったです。
参加者のほとんどは今まで甘口以外のワインとケーキをあわせるという発想をしたことがなかったそうなのですが、実際にあわせてみてその良さを実感していただけてやってよかったです。数人に感謝されました。
砂糖が強かったり、リキュールを使っていたり、フルーツの酸味が強かったりとワインと相性のよくないケーキもありますが、まろやか、やさしい味わいのケーキとはファインヘルプはあわせやすいのでぜひチャレンジしてみてください。
甘いものと甘いワインをあわせるとお互いの良い所を消してしますのです。特に甘みの良さを消しあってしまいます。料理のソースの場合には甘みのあるソースには甘みのあるワインのほうがあわやすいのですが、それは甘さの度合いではなくやわらかさの問題で相性がよいので、デザートと合わせる時とは考え方は分けるべきだと思っています。
また、酸味が際立っているワインは選ばないほうがよいというのもポイントです。しかし甘口だと酸味があるほうがケーキとあわせやすかったりと甘みと酸味のバランスが重要です。
甘口といってもドイツワインの場合には心地よい甘みのカビネットから極甘口の貴腐ワイやアイスワインもあるのですが、カビネットやシュペートレーゼとは相性のよいケーキもあります。甘みの少ないカビネットはファインヘルプとあわせやすい部類は同じだと思います。クッキーなどパサパサしているものには甘いワインのほうがあうとも思っています。
しかし極甘口のワインの場合はそれだけでデザートとなるし、そのボリュームと広がりは単体で味わってほしいのでデザートとあわせないほうがよいです。
すみません、その5に続かせていただきます。次回で総括して終わります。