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ヨーロッパ、ドイツワインについてのいろんなこと

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JUMI

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2014.10.13
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9月のドイツ(旅程はこちらに書いています)では2013年のワインを醸造所やいくつかの試飲会などで少なくとも150種類は試飲をしています。それらを通して感じた2013年産の白ワインの印象をおおまかに書いていきます。

ドイツのワイン産地全体でというくくりで言ってしまうと、雹や収穫前の雨などで収穫量はかなり少ない年で、実が熟すのも例年よりも時間がかかったところが多かったようでした。
質だけでなく販売するために生産量も重要である生産者にとっても、質が重要である消費者にとっても、良年とはいう事はできないヴィンテージであるということができます。

試飲をしての印象ではバーデンやビュルテンベルク、ファルツは例年よりもパッとしない印象で難しかった年だったということがうかがい知れます。

ただし、それはドイツ、もしくは各産地としては、として説明する場合のことで、生産者や畑によっては悪くなかったと言っているところもあります。それは今年だけでなくどんな年でもいえることですが、今年はその傾向が強いように思えました。雨、日の当たり方などミクロな地域での気候の差によってかなり違いが出ているようでした。
実際、同じ畑のワインを何種類も飲んで好印象のワインが多かった畑がありましたし、僕がヴァインベルクとして取引している醸造所の2013年産のワインで良くないと思ったものは少なかったです。

 
全体的な印象に戻りますと、その醸造所のアイテムの中程度の価格帯のもので良質なものが多いところが多いかな、と思いました。もちろんグーツワインでも良いと思ったものもありますが。
エアステ・ラーゲやグローセス・ゲヴェックスといったその醸造所のハイレベル、高価格帯のものに関しては、今飲みたいとは思えないもの、または今の段階ではポテンシャルを感じられないものが多かったと思います。
それは良くないワインなのではなく、数年以内に飲むのには向いていないというだけで、3年以上熟成させればおいしく飲める可能性もある、というとらえ方をしていただければと思います。
特に、フランクフルトのVDPグローセ・ラーゲの試飲会で大量に飲んだグローセス・ゲヴェックスGrosses Gewaechs(辛口の最上級の格付け)に関しては、おいしいと思ったもの、このワインいいなあもう少し寝かせて飲んでみたい、と思えたものが僕が試飲したものの中ではほとんどありませんでした。
しかしもう一度書きますと、GGは醸造所の魂がこもっている高品質なワインですので、ポテンシャルは高いはずなので数年すれば良さがわかってくるものも少なくないはずです。グローセス・ゲヴェックスはリリースして1、2年以内に飲むのを想定しては造っていない醸造所もあるからです。

春や夏にドイツを訪れた方からは2013年は酸っぱいものが多い、という話を聞いていましたが、僕は2012年産のほうがすっぱいと感じたワインが多かったです。数値でいうともしかしたら2013年のほうが酸が高いのかもしれませんが、他の要素とのバランスで2012年産のほうが感覚的にすっぱいと感じるワインが多かったです。
ただグーツワイン(ハウスワイン)に関しては酸が際立つものも少なくはありませんでした。南のほうの地域のヴァイスブルグンダーはそういう印象のものが多かったです。

ここからは全てリースリングについてです。
モーゼルのベルンカステラーリングの競売会では辛口の最上級のGG(VDPのグローセスゲヴェックスではなくベルンカステラーリングの格付け)の試飲のコーナーがあり20種類を飲みましたが、酸っぱいと感じるものはほとんどありませんでした。ただしアルコール感を感じるものが多かったです。これはおそらく糖度があまり上がらなかったために、辛口に仕上げた時にバランスがあまりよくならなかったのだと想像します。
逆の発想をすると、例年良いワインができているのは、自然の奇跡、恵みのおかげだと言えます。気候や土壌などの条件が整わないと生まれないワインがあることに感謝する、そして良いワインになることがふつうのことではないと思わなければいけないなと思いました。

VDPモーゼルの新酒試飲会ではトロッケン、ファインヘルプという辛口系だけではなく半数くらいは甘口ワインも試飲に出ています。
2013年産はカビネットやシュペートレーゼでも例年よりも甘いと感じるものが明らかに少なかったです。等級の規定糖度ぎりぎりだったものもあるでしょうし、甘みだけでない他の要素によって甘く感じなかったワインもあるとは思いますが、自分の想像するその醸造所のそのクラスのワインとは異なるものが多かったです。
糖度が上がらなkったということが大きな要因として考えられますが、食事にも合わせられるワインを意識して造っているところもあるような気がしました。特にトロッケンなどの味わい表記のないカビネットの半数以上は食事にも合わせられると思いました。これは消費者の辛口嗜好(トロッケンだけでなく食事に合わせられるワインンという意味で)をふまえての傾向なような気がします。
アウスレーゼは、糖度を高くは感じませんが心地よい甘さのバランスのよいワインが多いと思いました。
モーゼルは、若いうちに飲むのなら、試飲をしないで選ぶのであればファインヘルプやカビネットといった少し残糖のあるタイプを選ぶとおいしいと思えるワインに当たる確率が多いような気がます。もちろん個人の味覚の好みによってそうではない、という方もいらっしゃるとは思いますが。

2013年産は2012年産よりは醸造所の低価格帯、中価格帯に関してはパッとしないもの、酸が強くてジューシーで飲みづらいもの、が少ないような印象を受けています。ほとんどのワインは「悪くない」のです。等級、格付けの高いものに関しては、おすすめできないものも多いです。しかし先に書いたように熟成したらおいしく飲める可能性もあるということは忘れないでいただきたいです。

2012年産も昨年はあまり良くないと思ったものが一年経ってバランスがよくなってきたものも多いので、フレッシュな時の印象だけで全てを語るべきではない、ということも付け加えておきます。


個人の味覚による部分が多いですが、2013年産の白ワイン印象をざっと書きました。
赤に関しては2012年も2013年産も総括的にまとめるほど量は飲んでいないので省かせていただきます。


消費者、ワインを飲む側におっては、手元に届いたワインがおいしければそれでよいのですが、2010年産からは生産量が少ない年が続いて、ワインを販売することによって生計を立てている家族経営の生産者にとっては売るものがないのは死活問題です。そのためにワインの値上げをせざるを得ない生産者も多かったのです。
今年2014年は9月の時点では収穫量も多く質も期待できると喜んでいる生産者が多かったです。
ただ9月は気温が高く晴れている日が多かったのと同時に一時的であっても大雨が降る日も何日かあったのでぶどうへの影響が心配です。生産者にとってもワインを飲む側にとってもうれしいヴィンテージになることを願っています。

 

写真 (68).JPG

Grosse Lageの試飲会。全生産地からVDP加盟のほぼ全ての生産者が出展している業界関係者用のプレゼンテーションです。昨年まではGGのみでしたが、今年からは下の格付けのワインも出せるようになったみたいで、GutweinやOrtsweinを出しているところもあって、知らない醸造所でも一通り飲めばその醸造所のスタイルがわかるようになったのでとてもありがたかったです。

 

IMG_1530.JPG

ベルクカステラーリングの競売会の試飲会。競売会用のワインの試飲は各醸造所の人がワインを注いでいましたが、辛口のGGの試飲は手酌で参加者が注いで試飲をします。9時から11時だったので重たい辛口の試飲はけっこうヘビーです。

 

IMG_1541.JPG

VDPモーゼルのプレゼンテーションは一醸造所ごとに6種類か8種類くらい試飲することができます。
ほとんどのところが辛口からアウスレーゼまで飲む事ができます。
この造り手は、そのワインを収穫したぶどうの区画の土壌のシーファー(粘板岩)の色がキャップシールになっています。ローテンシーファー(赤色粘板岩)は赤といったように。

 






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最終更新日  2014.10.13 23:47:43
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