6月初めにドイツ文化会館OAGホールで行われた東京ドイツワイン主催のドイツワインフェスト、お越しいただいた方々ありがとうございました!
150人以上の方に参加していただき、盛会の中無事に終えることができました。
17種類のうち辛口の割合を半数より多めにしたこと、辛口グローセスゲヴェックスとアウスレーゼゴールドカプセルの有料試飲(200円と300円)など、試みたことに評価をしてくださっているようでホッとしています。他の試飲会より数は少ないので来る前はどうかと思っていたけれど、参加したらどれも質が高く満足できた、という声も聞けたのもうれしかったです。
やはりドイツワインは甘口ワインのほうがいいという声も一定数いらっしゃるので、少し不満だった方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の方々がまだまり知られていないドイツワインの世界を紹介するという点で、多種多様な辛口ワインを紹介することに重点を置きました。大きなイベントになると全員の方に満足してもらえるやり方をというのは難しいのでそういう方向性を選択しました。数は少ないながらも質の高い甘口ワインもそろっていたとは考えています。
ドイツワインを好きな方にもっと好きになってもらえることも大事なことですが、ドイツワインをあまり飲んだことがない、知らないという方に多く参加していただきそして好評だったことはとてもうれしく思っています。20代、30代、女性が多くて参加されていたこともよい傾向だと思っています。
打ち上げの時に飲んで気になったワインの感想を少し書きます。参加者の感想や傾向なども混ぜて書いてあるところもあります。
品種を書いていないものはリースリングです。
バッサーマン・ヨルダン トロッケン
2,000円という値段ながら他のワインに負けていませんでした。気軽に質の高いものを飲みたいときには最適です。テロワールを尊重してしっかりと作っているリースリングの辛口は食事に合わせづらいものも少なくないですが、こういうタイプは比較的食事に合わせやすいです。
ヴィットマン グラウブルグンダー トロッケン
このワインも親しみやすい味わいです。やわらかさはビオ栽培の影響もあるかと。和食などこのワインも日本の食卓の食べ物と合わせやすいです。このワインも2,000円台です。この価格帯で質の高いドイツワインをもっと知っていただけれるともっと今のドイツワインの認知度が広がるのかなと思っています。
マイヤーネーケル フリューブルグンダー
あまり高級なイメージを持たない方が多いフリューブルグンダー(シュペートブルグンダーの亜種)ですが、しっかりと作ればコクと深みのある味わいになります。ただ上代6,000円なら他のものを買いたいよね、というのが多くの方の意見かと思います。
フーバー シュペートブルグンダー マルターディンガー
シュペートブルグンダーといえばおなじみのバーデンのフーバーです。当主がお亡くなりになったということで敬意を表してシュペートブルグンダー、そしてグーツヴァインより一つランクが上のものを選びました。やはりドイツを代表するといっても過言にはならない味わいでした。でも個人的にはこのワインでも数年は寝かせてから飲むのが好みです。
フュルスト ジルヴァーナー トロッケン 'ピュアミネラル'
名前にある通りミネラル感がすごかったです。塩気がしました。赤ワインの後だとなおさらで、順番があまりよくなかったようです。それでもこのワインを気にいって一周回ってから戻ってくる方が何人もいらっしゃったようで好評で安心しました。
ロバート・ヴァイル キートリッヒャー トロッケン
グーツヴァインより一つ上のクラスのオルツヴァイン(村名ワイン)、前までだとカビネット・トロッケンになる相当するかと思います。グーツヴァインよりも核に広がりがあり、名門と言われる造り手の良さを感じられる味わいになっていると思いました。
フリッツ・ハーク ユッファー・ゾンネンウーア グローセス・ゲヴェックス
ブルゴーニュでいうグラングリュに相当する醸造所のラインナップの最高級の格付けに位置する辛口ワインです。
2012年でモーゼルということで硬いかなと心配していたのですが、口当たりはやわらかく、でも芯はしっかりしてコクがある、というドイツの最高ランク(GGのということ)の名に恥じないワインでよかったです。こういう辛口ワインがドイツワインにはあるということを知っていただけるのはとても大きいことだと思います。そしてやわらかいけれど果実味と深みのあるこのタイプはドイツならではと思うのでこのワインの提供でよかったと思っています。
ケラー 'ライムストーン'
2014年産ということもあってかフレッシュで、果実味と酸と甘みのバランスがとてもよかったです。
シューベルト ブルーダーベルク
この畑のワインには等級はつけなくなったようですがこのワインは質も価格もカビネットに相当するかと思います。ケラーがストレートに甘みが来たのと違い甘みはやや控えめでファインヘルプに近いです。食事に合わせるならこちらを選びます。心地よい甘みで長期熟成が必要なワインが多いシューベルトですがこのワインは若いうちに飲んでもおいしく飲めると思いました。
シェーファー・フレーリッヒ フェルゼンエック カビネット
香りがミネラルと土のどんよりした香りですが味わいはそこまで暗くはありません。この複雑味は好みが分かれるところだと思いますが、好きな人にはかなり気に入られる高品質なカビネットだと思います。
シュロス・リーザー ユッファー カビネット
想像よりも甘みは強くなかったです。以前のヴィンテージがかなり甘みがあったこととアルコール度数が低かったのでそういう想像をしていたのですが。昨年のVDPモーゼルの試飲会で飲んだ2013年産のカビネットはほとんどが甘さ控えめなのをこれを飲んで思い出しました。甘みは強くなくてもジューシーさと甘みのバランスがよく心地よいカビネットです。
ライツ マグダレーネンクロイツ シュペートレーゼ
これも重たい甘みはないのですがやわらかく親しみやすい甘さで、多くの人に気に入られる甘口ワインだと思いました。
ローゼン プレラート アウスレーゼ・ゴールドカプセル
2008年産なのでもしかしたら若すぎるかもと心配していましたが、甘さだけでなくコクと深みを感じられる味わいで、値段相応の良さを感じていただけたかと思います。
ということで特に気になったワインだけでざっと感想を書いてみました。
参加者に感想を聞くと、気に入ったワインの銘柄がバラバラだったのがうれしかったです。どれも良いということ、個性がありいろいろな好みの方に気に入っていただけるものがドイツワインにはある、ということを示せたのではと思います。もちろん17種類ではドイツワインの世界の大部分を紹介することにはならないので、ここで気にいったワインに近い産地、醸造所、品種、等級、価格帯などをヒントにしてイツワインを探していただらと思います。
ネットなどでドイツワインのことを発信している人もたくさんいますので、そういった方のワイン紹介なども参考にすると好みのワインを選びやすいでしょうし知識も増えるかと思います。