ドイツワインをもっと好きになってもらうためのワイン会 産地ごとのファインヘルプ飲み比べ
毎度のごとく記事にするのが遅くなってしまいましたが2週間前の週末のことです。ドイツワインフェストに来てくださって話をした、ブログを書いているワイン好きの方にもっとドイツワインに興味をもってもらおう(ドイツワインの虜になってもらおう)ということでこの会をセッティングしました。ブルゴーニュが好きで最近ドイツワインに惹かれてきているブログの写真がすばらしいPulignyさん夫妻、緑家さんの親戚なので英才教育?による経験がすごいTrittenheimさん、先生側として参戦していただいたmoselだよりの北嶋さんと僕の計5名でした。もうひとりお誘いしたのですが仕事の都合で今回は参加することができませんでした。あまり細かい感想は書けないのですが、記録として記事を残しておきます。ワインリストを醸造所、畑名などで区別してまとめたというのだけが唯一の功績かと。1 Peter Lauer (saar) 2009 Ayler Kupp Faß 6"Senior2 Immich-Batterieberg (mosel) 2010 Enkricher Batterieberg3 C. von Schubert (Ruwer) 2011 Maximin Grünhäuser Kabinett feinherb4 Rolf und Tina Pfaffmann (Pfalz) 2007 Frankweiler Kalkgrube trocken5 Josef Spreitzer (Rheingau) 2009 Oestricher Lenchen Erstes Gewächs6 Dr. Deinhard (Pfalz) 2008 Ruppertsberger Spieß Großes Gewächs7 Vereinigte Hospitien (Saar) 1989 Kanzemer Altenberg Spätleseおまけ 3日目の飲み残りを持参Leitz (Rheingau) 2011 Rüdesheimer Kirchenpfad Kabinett feinherb全てリースリングです。2,4は北嶋さん、3はTrittenheimさんが持参してくださいました。残りは僕が持ってきました。1,5,6はおととしドイツに行った時に購入したものです。現地価格で1から3とおまけが10ユーロ前後、4から6が20ユーロ前後です。1から3とおまけの4本はラベルに記載がないものもありますが全てファインヘルプ(半辛口)という味わいのくくりです。各産地のがあったので面白かったのではと思います。そしてファインヘルプといっても残糖がかなりあって甘みを感じるものからほとんどトロッケン(辛口)に近いものまであるということもです。今回は辛口に近いものが多かったですがバッテリーベルクが一番フルーティだったと思います。ラウアーもフルーティですが残糖が邪魔にならず食事にもあわせやすく、軽い残糖が飲みやすさにつながっているというかんじです。最後に少しずつ飲んでみたのですが、軽さ、複雑さ、というのがアルコール度数に比例していることが気がつきました。11パーセントのライツが軽くてスッキリしていて、12.5パーセントのシューベルトが一番複雑みがあり、12パーセントのラウアー、バッテリーベルクがその中間といったかんじでした。土壌やヴィンテージが違うので単純な比較にはなりませんが飲み口とアルコール度数は特にファインヘルプの場合にはワインを選ぶ際の指標として成り得るのではと思いました。暑いときなどににさらっと飲みたいような場合には度数の低いもの、食事とあわせたりするのにある程度のボリュームが必要な場合には度数が高めのもの、というように。理論的には当然かもしれませんが、実際に違いがはっきりとしたのを経験したというのは大きなことでした。トロッケンだとアルコール感とか要素が増えてくるのでファインヘルプのほうが度数による違いがはっきりしているような気がしています。ファインヘルプの中では手前味噌ながらラウアーが一番好みでした。やさしいけれど骨格もしっかりしている、けれども飲みやすいというのが好きなポイントです。バッテリーベルクとシューベルトは残ったのを持って帰って飲んだ2日目以降にかなり共通点を感じました。同じ草の風味を感じました。おそらく土壌は同じような気がします。味わいの異なる部分の大きな要素はヴィンテージで、それがミネラル感の違いを出していたと思っています。バッテリーベルクのほうが10ということもあって酸があることもあって軽めの飲み口で、11のシューベルトのほうが凝縮感がありました。あとはほぼ一緒の味わいだったのです。抜栓して時間が経過して要素が減っていたので共通点が目だったという事ではありますが、そこから土壌の共通点はみえました。また、バッテリーベルクとシューベルトは数年寝かすとかなり変化すると思うのでその時にもまた楽しめるワインです。4はブラインドだったのですが、モーゼルのエルブリングなどと北嶋さんだということを加味して答えていましたが、最後の方にはファルツのリースリングという事はなんとなくたどり着きました。100年前の石の容器で熟成しているワインということだったのですが、そこまで複雑さはないけれど独特の風味、ボリュームがあってこれが影響をおよぼしている部分だと思いました。僕は値段を考えると欲しいと思うワインではないのですが、こういう会には打ってつけのワインです。5、6は2010年の秋に試飲してすごく良かったのですが、この時期はどうかなーと少し不安だったのですがどちらもやわらかくて大人しかったです。GGとすると物足りないと感じられてもしょうがないと思います。ただ、シュプライツァーは眠っているというかんじで、ダインハートは熟成してまろやかになっているというプラスの印象という違いがありました。ダインハートは丸いし地味ですが好きな味わいです。09の同じ畑のGGをもう一本持っているのですがこっちのヴィンテージのほうが複雑みがあったのでもう少し長い時間寝かせてから飲んでみようと思っています。最後のホスピティェンの熟成シュペートレーゼは甘みもまだ残っていて(直接的な甘さはありませんが)食後の締めとしておいしく飲めました。ラムネのような味わいでした。若い同じ畑とも共通点を感じることができてよかったです。Pulignyさんがリースリングのペトロール香について知りたがっていたこともあってこのワインを選んだのですが、全くその要素がありませんでした。モーゼル、ザールのもっと若いワインでもペトロール香がするものもあるので、グットヴィンテージとされている年は健全な葡萄から造られておりものが多くそういうものからはペトロール香は生まれないという結論になりました(もっと経てばわずかでも発生するかもしれませんが)。ラインガウの古酒でもその傾向はあったのでそういう自論となりました。ブラインドで出したのですが、もっと若いヴィンテージを答ええられていたのも健全な葡萄でしっかりしているからということもあると思います(もちろん土壌や樹齢も関係しまが)。ワインだけでなく話をするのも楽しみにしていたのですがとても充実した会となりました。自分が選んで人が喜んでもらえるのが僕の一番の喜びです。ただおいしいから、とういうだけでなく先へつながる道筋を作るきっかけにもなったワインたちだったということも喜ばしいことです。ワイン自体の感想が少なくて申し訳ありません。