ザールのヴィルティンケン周辺のぶどう畑のハイキングその3 大好きな畑があるカンツェムKanzemへ到着
前回はヴィルティンゲンの畑を歩いたことを書きましたが、クップ、ヘーレの畑を横断するとカンツェマー アルテンベルクの畑にたどり着きます。この写真もお気に入りです。まずは写真を交えての説明による前回の補足からです。写真右奥の部分は4つの畑名にわかれています。グレーのところは車道なのですがこの右側がブラウネ クップで車道を隔てた左側に3つの小さい畑が連なっています。車道と並行して上のところに整備された歩道があってそこをずっと歩いていきました。そして途中で下に降りて車道を渡って左のほうカンツェム方面へ進んでいったのでした。奥の正面を向いている斜面は南向きなので日当たりがよいです。なので著名な醸造所がこれらの畑を所有しているというのも理解できるかと思います。シャルホーフベルクの畑も同じ向きです。ヴィルティンゲンの連なる畑の一番端の部分の先は茂みになっていてその先にカンツェマー アルテンベルクの畑があります。ここは丘の一番上、木と茂みの境目のところを歩いていきました。そして僕の大好きなワインが多く生まれる畑カンツェマー アルテンベルクKanzemer Altenbergです。かなりの急斜面なのがおわかりいただけるかと思います。畑の下に建物などがなくひたすら畑が広がっているのは僕が大好きな畑ブラウネベルガー ・ユッファー(ゾンネンウーアを含む)と共通していてます。畑の中に道があるので下に降りていきました。斜面のすぐ下に線路があるのですがその先に見える建物はフォン・オテグラーフェンVon Othegraven醸造所の一部です。この畑は19ヘクタールの広さでいくつかの醸造所がこの畑を所有していますが、代表的な造り手がオテグラーフェンです。辛口にも甘口にもすばらしいワインがあります。急斜面な部分ももちろん所有していて、そこには古樹も植えられていてその部分からのワインには同じ等級でもAlte Rebenとして別でリリースされていてこちらのほうが質が上とされています。線路を越えてから村の方向へ歩いていきました。この左側にオテグラーフェンの醸造所があります。この畑はシャルツホーフベルクやヴィルティンゲンの畑と違い赤みを帯びた茶色系のシーファーが多く見られました。ロートシファー(赤色粘板岩)は鉄分を含んでいてそのから生まれるぶどうからは果実みののった味わいのワインができます。アルテンベルクの畑からは急斜面ということも加わって直線的なフルーティさと力強さを併せ持つワインが多く、こういった味わいが近くの畑からのワインと異なるというのは土壌の違いもあるということを目で見て感じとれたのでした。下へ降りる途中、丘の中腹くらいに切り立っているところがあってシーファーがたくさんでテンションがあがりました。急斜面のぶどう畑が続く同じような風景のところを歩いていくとカンツェムの駅に着きます。畑の真下すぐのところに駅があるのは新鮮です。ふだん駅を利用している人は何とも思わないでしょうが。駅のところには橋があり背中側はカンツェムKanzemの村です。観光地ではなくふつうの住宅地の小さな集落です。日本でネットで調べたらここに良さそうなレストランがあり昼もやっているとのことでしたが開いていませんでした。まだオフシーズンではなく9月だったのですが。というか平日の昼間、この村にはほとんど人が歩いていませんでした。と最後のしめのおいしい食事とワインという目的は果たせませんでしたが、畑を散歩しただけで充実した数時間となりました。モーゼルやラインガウの銘醸畑のほとんどは近くで見ていますが、シャルツホーフベルクとカンツェマー・アルテンベルクだけだったら畑を観察する、知るという意味あいで他の場所で見た時と同じような感覚だったのですが、ヴィルティンゲンの畑を歩いたことがとても良かったです。景色がよくて歩いていてものすごく気持ちよかったのです。ドイツに行ったらまたこういうハイキングをしたいです。著名な畑でなおかつ景色がよいところを歩くことを今のうちから考えておきます。モーゼル中域の畑はけっこう訪れているのでもう少し下流で良いところがあるか探してみます。最も急斜面ということで有名なブレマー・カルモントだとベタすぎると思ってしまいますが。